表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/75

21話 作戦

今日も暑いです~

省エネなんたらでエアコンが点けられない……

 「全員出撃ーー!」

 アランの号令がかかると、戦闘員たちは一斉に飛び出した。敵との間合いを詰めながら炎や氷などが飛んでいく。

 優斗たちもそれに合わせて攻撃を開始した。

 優斗は右手を前に突き出す。その右手に雷を集中させると、出来る限り圧縮させる。しかし、雷爆とは違い球体のようにはならず、数多の雷が右手の周囲に現れる。

 敵の数が多いなら、範囲攻撃をやればいい。ある程度雷が溜まると、優斗は敵に向かって走り出した。

 「奏! 援護を頼む」

 「わかったわ」

 奏は無数の針を出現させると、優斗に迫るザコ敵に対して放つ。それを繰り返しているうちに、優斗は敵の中心部に到達する。

 優斗は周囲の敵の様子を確認すると、地面に拳を叩きつけた。右手に宿っていた雷は地面へと移り、地を這っている。周囲を完全に埋め尽くすと同時に、優斗は地面から一斉に雷を放出させる。

 「雷波!」

 地面から突き出した雷は、敵を貫きながら優斗のもとへ移動する。回収した雷を即座に雷爆に変え、再び攻撃を放つ。

 敵方分散すると、臨海基地の戦闘員たちが突撃してきた。今回のイーターには強いやつはいないようで、あっという間に片付いてしまった。

 敵がいなくなると、戦闘員たちは一斉に歓喜の声を上げた。優斗と奏もハイタッチをして成功を喜んだ。

 優斗の戦闘を見ていたアランは、優斗たちに歩み寄って来ると「君たちのお陰で死人が出なかった」と感謝の言葉を言った。

 奏が辺りを見回してから、疑問を口にした。

 「そういえば、ジェノさんはどこかな?」

 「さあ、俺も見ていないな。アランはなにか知っているか?」

 その言葉を聞いてアランは少し表情を曇らせてから、すぐにいつもの表情に戻る。

 「あの人はどこかへ行ってしまったよ。自分の意見が通らなかったのがよほど悔しいんだろう」

 「マジかよ」

 基地の部隊長ほどの男が、その程度のことで逃げ出すなんて。アランはため息をつきながら続ける。

 「昔はあんな人間じゃなかったんだ。部下を守ろうと必死に立案をしていた人なのに、なんで今回は死人が出るようなことを言ったんだろうか」

 確かに、このままのペースでイーターが攻めてくるなら死人は出ない。わざわざ死人を出してまで総攻撃を仕掛ける必要はないだろう。ジェノの言っていた増援も、正直考えられない。この臨海基地にそこまでの戦力を投下してくるとはとても思えないからだ。

 「なあアラン。この臨海基地はなんで狙われたんだ? 言っちゃ悪いかもしれないが、ここに狙うようなものはないと思うんだ」

 「その事なら、今朝に本部からメッセージが届いたよ。ここは囮で、本来の目的は本部の制圧だったらしい。本部の人員は君たち以外には送り込んではいないみたいだから、本部の方はすぐ片付くだろう」

 「なるほどな。そう考えれば辻褄が合う」

 優斗は納得したように頷く。臨海基地に戻ると、再び会議が始まった。




 アリアはバイクに乗って、優斗たちのところへ向かっていた。

 ふと殺気を感じたので辺りを見回すが、イーターはどこにもいない。ナビにも反応がないため、気のせいだと思い再び走り出す。

 その姿を、黒いフードを被った男が見つめていた。




 会議の結論は、今朝の話し合いと変わらず籠城戦だった。優斗や奏を含め、死人を出すことを恐れた戦闘員たちはこの結論以外に達することは無かった。

 会議が終了すると、ジェノがいないために繰り上がりで臨海基地の隊長となったアランを皆がもり立てる。

 死人を出さぬように、かつ正確な作戦を立案したアランを戦闘員たちが称賛する。

 優斗たちもそれを喜んだ。死人が出る作戦よりも出ない作戦を望むのは、人間なら当たり前だろう。

 会議室の作戦を超能力で聞いていた彼――ジェノはため息をついた。

 「私の作戦は確かに好まれるものではないかもしれないな」

 口から独り言が漏れる。臨海基地を出ていったジェノは、現在イーターの動向を確認していた。今日の戦いにより、だいぶ数が減ったようだ。このままいけば、あと一週間もすれば倒しきれるだろう。

 しかし、戦いはそう甘くないとジェノは呟く。もしも自分の予想が正しければ、イーター側に増援が来るだろう。

 今朝までは仲間たちは自分を慕ってくれていた。自分の立案には自信があったし、その被害も毎回最小限に押さえたつもりだ。

 今朝に立案した作戦も同様で、死人が数人出てしまうのが最低限の被害だった。しかし彼らはそれを拒んだ。気持ちもわからなくはないが、このままでは全滅という最悪のパターンもありえる。いや、確実だろう。

 それをわかってくれない部下たちに呆れつつ、悲しくも感じた。もしも自分の予想が当たってしまったとき、自分はどう行動をするか。

 かつて天才策士とまで称えられたジェノは、頭をフル回転させて考える。

 イーターを監視しながら、ジェノは癖であるため息をついた。


ご意見、ご感想などありましたらお願いします~

評価などもしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ