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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第一章

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12話 希望のフラグメント

長文を書くのは難しい……

どうもキャラクターに喋らすのが苦手で上手くいかないです。

精進しなければ。

 ピピピピという音が部屋に響く。暗闇の中で音の主を探し、やや乱暴にてっぺんを叩く。いまだに眠気の覚めない優斗は、体にムチを打つべく洗面台に向かい、顔を洗う。

 生前に毎日必ず行っていた行動だけに、無意識に行える。鏡に映った自分の姿を見て、改めて自分のみに起きたことを実感する。

――俺は、本当に死んだんだな。

 あの時の痛みは、思い出したくない。咲を守るために自らを犠牲にしたが、かえってそれが咲の負担になってしまったようだ。最初の先頭時に出会った咲は、昔の元気な咲とは大違いだった。

 いつまでも悩んでいたってしょうがないと思い、もう一度顔を洗い心を落ち着かせる。今は自分に出来ることをするだけだ。迷っていても仕方がない。

 ふとナビを確認すると、サラディンから連絡が入っていた。用件を確認すると、任務があるということだった。身支度を整えてサラディンのもとへ向かった。




 戦闘司令室では、いつも通りサラディンの指揮のもとに慌ただしく動いていた。空中に展開されたパネルにデータを打ち込む男性や、電子ファイルを整理する女性などが働いている。といっても数はそう多くなく、十数名といったところだろう。

 服装は統一されており、青いスーツのような制服姿で、コンバットスーツを着ている人は見受けられない。

 「おはよう、優斗君」

 今日も爽やかなサラディンが、白い歯を輝かせながら挨拶をしてくる。彼は、優斗のことを軽く眺め、こう言った。

 「コンバットスーツ、気に入ってるのかい?」

 「ん?」

 よくみたら、自分以外はみんな私服もしくは制服である。コンバットスーツで歩いている人は滅多におらず、いたとしても警備員くらいである。

 「気に入っているのはいいことだけど、普段は私服のほうが落ち着くんじゃないかな?」

 「あ、ああ。そうするよ」

 まさかコンバットスーツが外せるとは思わなかった。脱ごうにも体にピッチリ張り付いていたため、脱げなかったのだ。

 「まあ、それはどうでもいいとして。今日は君にイーターの討伐をしてほしいんだ」

 「討伐?」

 「そう。理由は多々あるけど、今回は奏さんと連携をする練習をするのがメインかな」

 あ、思い出した。あの性悪胸平原女か。昨日のことを思いだし、頭を抱える。サラディンが、「そこまで気にしなくても……」と言うが、優斗の耳には届かない。

 「ああ、憂鬱だ……」

 「悪かったわね!」

 突然の声に振り替えると、奏がいた。見た目はこんなに可愛いのに、なぜこんなに性格が悪いんだろうか。今にも殴りかかってきそうなくらいの殺気を放っている。

 サラディンが険相な雰囲気を爽やかに宥めながら、本題に入る。

 「ここ最近は、イーターの動きが活発化してきているんだ。それの調査と、絶望を吸収するための器を回収してきてほしいんだ」

 「でも、咲が近くにいないと絶望は吸収されないんじゃないのか?」

 「あんたねえ、それぐらい勉強しておきなさいよ。器を回収する装置なんていくらでもあるじゃない」

 「え、マジで?」

 「マジで」

 大袈裟にため息を吐きながら、奏はやれやれと首を振る。ここでは、それぐらいの常識なのだろう。

 「優斗君はまだ来たばかりだから仕方ないよ。ほら、これを」

 そう言って手渡してきたのは、赤色のカードだった。

 「これは……?」

 「これは希望のフラグメントと呼ばれるアイテムだよ。これは、倒したイーターの器を保存しておくことが出来るカードなんだ」

 「てことは、倒せば倒すほど咲が回復に近づくのか。それならやるしかないな」

 「そういうこと。じゃあ、早速……」

 「ちょっと待った!」

 サラディンが準備に取りかかろうとしたとき、空気となりかけていた奏が遮った。

 「なんで私がこいつの幼馴染みを助けるのに協力しなきゃいけないの? 私だってやりたいことはあるのに」

 「奏さん、君の状態もわかっている。君の問題解決にも繋がっているんだよ。戦闘配分に関しては、止めを刺した方に器が入るように設定してあるから、公平だよ。」

 奏の状況がなんなのかは知らないが、咲を助けるためにも負けられないだろう。目の前に現れた獲物は譲れない。

 「……わかった、それでいい」

 奏も了解し、再び向こうの世界に行くことになった。

 「向こうに着いたら、ナビにプログラムを転送するよ。近くにいるイーターを探し出してくれるから、役に立つと思うよ」

 「ああ、ありがとう」

 再びサラディンに連れられて、転送室に向かう。奏がいつも以上に怖い顔をしていたので、俺にイーターを譲る気はないだろう。どんな力を持っているかは知らないが、俺の理想には敵わないだろうな。

 転送室に到着する。相変わらずかっこいい場所だな。すでに転送準備が出来ているらしく、青白い光の柱が輝いている。

 「それじゃあ、いってらっしゃい」

 「ああ」

 爽やかにサラディンが見送ってくれたので、返事をする。咲を助けるために、優斗は光の中に入った。


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