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借金持ちの俺、ゴブリン牧場で大金を稼ぎます  作者: といとい


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第50話: お前の名前は……

昼頃、ダンジョン管理所に到着した。


ブタオと並んでプレハブの建物に入っていく。


ドアを開けると、受付カウンターの奥にはゆきが座っていた。


「おはようございます〜」

「おはよー」


いつも通りスマホを見ながらの返事だ。


信じられるか?

この人AV見てるんだぜ?


奥の休憩スペースへ向かうと、すでにコハルとチアキの姿があった。


「おーす。お前ら、待たせたな」

「おはようっスー!」


コハルはソファの上で体育座りをしていて、目元はまだ眠たげだった。

チアキは背筋を伸ばして座っていたが、その視線はスマホ越しにこちらを捉えていた。


<おはようございます!>


「ところでさ、昨日の帰り道で、俺とブタオ、レベルが8になったんだけどさ。お前らは?」

「私も8に上がったっスー!」


コハルも8に上がってたらしい。


<私も5に上がりました!>


チアキもちゃんと上がっていた。


「チアキもちゃんと上がったか。やっぱりチームとして行動してると、誰が何をしてても経験値が入るっぽいな」

「チアキちゃん、やったっスね!」


<はい!うれしいです!>


「よーし、それじゃ今日も大部屋に行くか」


ブタオが声をかけると、コハルとチアキもすぐに反応して動き出した。


⸻


大部屋に着くと、ずいぶんと騒がしい。

探索していたゴブリンが戻っきたようだ。


「お、戻ってる戻ってる」

「30匹くらいかな。思ったより少ねえか?」


確かに少ない。

けれど、戻ってきた連中はそれなりに元気そうだった。


床に寝転んでるやつ、大音量で歌を歌ってるやつ、こちらを見て短い手を振ってくるやつ。

おまけに、棚Bの中にいるゴブリンにチョッカイをかけてる連中までいた。


やーい、お前らおりの中にいてやんのーみたいな

なんて意地の悪いやつだ


「お前ら、集合!」


おれの声に、ゴブリンたちがぞろぞろと駆けよってくる。

まるで小学生の集体行動。


俺らの周りに体育座りでずらりと並んだ。


ホブが12匹で普通のゴブリンが18匹か。


「魔石回収係は全員戻って来れなかったか」


そして、その中に、あのチビがいないことに気づいた。


「あれ!? チビ?! どこだ? 死んじまったのか?」

「チビー! お前のことは忘れないぞー!」

「チビさん! いるなら返事してくださいっスー!」

「ギャ!」


ホブの一匹が、声をあげた。


「ん? お前チビなのか?」

「ギャ!」

「おお! 生きてたし、進化したんスね!」

「まじか! まぁ生きてたんなら何よりだわ」

「ギャー!!!」


ホブに成長したチビはめちゃくちゃいい笑顔だ。

ゴブリンなのでしっかりブサイクだけど。


「よし、魔石を回収するぞー、持ってこーい!」


すると、顔に深い傷痕があるホブが、深い声で短く「ギャ」と周囲に声をかけると、ゴブリンたちがビニール袋を握ってやってきた。


「お? 20個分ちゃんとあるな。ホブが回収してくれたのかな。ありがたや」


一袋の数をざっと数えてみると、50個以上は入っていそうだった。


「これが20袋分だと……」

「1000個は余裕で超えそうだな」

「全部普通のゴブリンだとしても、100万超えそうっスね!」


これはまさか……


「100万円、とったどーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」

「まじかーーー!!!!!!!!」

「やばいっスーーー!!!!!!!」

<すごいです!>


ついに大台に乗ったことに嬉しさが込み上げてくる。

いや、ついにってほど日数も経過してないや。


むしろ余裕すぎて他の冒険者さんたちに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

ゴブリン牧場はやめないけど。


「よーし、檻Bの奴ら出てこーい!」


俺がそう呼びかけると、ブタオが檻Bの入り口を土魔法で解除する。


すると、ゴブリンたちが、まるで満員電車の乗客のように、うじゃうじゃと溢れ出してきた。


「うお……出てくる出てくる」


最初に飛び出してきたのは、背が高く筋肉質なホブゴブリンたち。

続いて中途半端な身長のハーフゴブリン、そして最後にノーマルのゴブリンたちが団子状になって押し寄せてきた。


「ホブが63匹、ハーフが192匹、普通のゴブリンが142匹か……全部で396匹だな」

「多いっスねー……」


コハルが思わず後ずさるが、それも無理はない。

視界の大部分が緑と灰色の肌の群れで埋め尽くされている。


「また20チームに分かれろー!」


俺が叫ぶと、次の瞬間、顔に深い傷痕のあるホブゴブリンが一歩前に出た。


「ギャ!」


その短い一声で、周囲のゴブリンたちがざわっと動き出す。


「あ、あいつ……号令かけてる?」


傷ホブは腕を振り上げ、何やら的確に指示を飛ばしている。

周囲のホブたちがそれに応じて動き、あっという間に列を形成していく。


「おお……なんか、ちゃんとやってくれてるな……」

「こいつ、ただのゴブリンじゃないっスよ……」

「よし、お前には名前をつけてやろう」


俺はそのゴブリンに近づきながら、じっと顔を見る。


傷が左目の下から口元まで走っていて、見た目のインパクトはかなりある。


「何がいいかな……」

「ゴブジロウは?」


ブタオが真面目な顔で言った。


「……そのままゴブサブロウとか、どんどん増えてくと絶対覚えらんなくなるから却下」

「確かにっス。傷があるからキーズとかどうっス?」


今度はコハルが、若干照れくさそうに提案した。


「うん、そのまますぎて却下な」


ピコン


<有名な錬金術師の漫画から真似して、スカーでどうでしょう?>


「おおっ! それ、いいな!」


俺は即座に反応した。


「チアキくん、センスがあるじゃないか。よし、スカーだ! お前は今日からスカー!」

「ギャ」


短く、低く、渋く──スカーは返事をした。


⸻


現在のゴブリン牧場の状況(1017匹)

⸻⸻⸻⸻⸻⸻

・檻A(ゴブタロウ + メス639匹)

ゴブタロウ

メス228匹

ハーフメス309匹

ホブメス112匹

メス赤ちゃん0匹

ハーフメス赤ちゃん0匹

ホブメス赤ちゃん0匹

・檻B(0匹)

オス0匹

ハーフオス0匹

ホブオス0匹

・檻C(0匹)

魔石回収係0匹

ハーフオス0匹

ホブオス0匹

⸻⸻⸻⸻⸻⸻


◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


50話まで読んでいただきありがとうございます!


「ちょっと面白いかも!」


「この先気になる!」


「そろそろ寝るか」


と少しでも思ってもらえましたら、★評価とフォローをお願いしまっス!


私のモチベーションにダイレクトアタックできますよ!


ゲッヘッヘ


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