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借金持ちの俺、ゴブリン牧場で大金を稼ぎます  作者: といとい


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第27話: 妹ちゃん、初出勤

「よし、今日は俺とブタオで先に処分の手本を見せるから」


大部屋の檻B──ぎゅうぎゅう詰めのオスゴブリンたちを前に、俺はナイフを構えた。


「心臓を狙えば一撃。余計な苦労はしなくて済む」

「こっちは感情無にして、淡々といくのがコツだな」


俺とブタオは無言で1匹ずつ処分する。ナイフの音、断末魔、そして無表情な俺たち。


「最後の1匹倒したら、檻を消して魔石を取り出す。そこまでが一連の流れね」

「なるほどっス。でも、自分もやってみたいっス!」


俺はニヤリと笑って言った。


「じゃあ、コハルもやってみるか。檻の中、残りが18匹だけど……念力、いけるか?」

「任せるっス!!」


次の瞬間──


「ふんっス!!」


宙に舞ったのは、大部屋に転がっていた大小様々な石ころを、同時に20個以上浮かせた。


「まとめて行けぇぇぇっス!!」


ドドドドドドドドッ! ベキィッ!


まさに乱舞。ゴブリンたちは叫ぶ間もなく、石の集中砲火に晒されて次々に沈んでいく。

檻までぶっ壊れた。


「お、おい……」

「やべえ、機関銃かよ……」


俺とブタオ、ドン引きしつつも、その圧倒的効率に歓喜するしかなかった。


「……これは楽だな」

「控えめに言って、最高です」


のんきに見ていたら、俺らの頭の中でアナウンスが流れた


【レベルが3に上がりました】


「ふぉぉぉぉぉぉ!?」

「レベル上がったぁぁぁぁ!!」


なんとレベルが上がりました。


コハルが倒してもちゃんと経験値は入っているようだ。


「え、レベル上がったっスか? おめでとうっス!」

「おう、ありがとう」

「コハルちゃんもすぐに上がるよ」

「これでレベルが上がるのやばいっスね! 神システムっス!」


コハルもこのヤバさに気づいてしまったようだ。

一階層のゴブリンでどこまでレベルが上げられるかは不明だが、毎日何百何千と倒したらいいとこまで行くんじゃないかと思っている。


落ち着いたところで、死体となってゴブリンたちに近づき、全員生きていないことを確認する。


「ここからが魔石回収タイムだ」


1匹の心臓から魔石を回収する。


「……思ったんスけど、これって放置じゃダメっスかね?」

「ん? どういうことだ?」

「いや、魔物って死んだら1日くらいで死体がダンジョンに吸収されるじゃないスか。放置して、次の日に回収でもいいんじゃないっスかね?」

「……え!? 魔石って残るの!?」


コハルのいう通り、魔物の死体は大体24時間でダンジョンに吸収されてしまう。

どういう原理かは解明されていないが、研修でそういったこと説明を受けていた。


今までのゴブリンの死体もいつの間にか消えている。

もしも死体が残るようだと、どう処分すればいいんだろうな。


「魔石は3日くらいでダンジョンに吸収されるらしいっス」

「詳しいなコハルちゃん」

「姉ちゃんがダンジョン管理所で働いてるもんで」

「納得しました」


コハルの提案を受けて、残りのゴブリンの魔石回収は明日にすることにした。

念力で大部屋のすみっこに移動してもらう。


明日はそこで魔石を拾う作業をするだけだ。

さらに楽になってしまったぞ。


その後の作業も、コハルの独壇場だった。


「じゃ、次は出産チェックだ」


俺が物干し竿を持って一匹を檻の端に移動させた。


「こうっスか?」


檻の中でちょろちょろ動いていた赤ちゃんゴブリンたちが、念力でぴゅいぴゅいと端っこに集められていく。


「コハルちゃん、そのままここから出せるか?」


ブタオが檻の一部を解除。


「一匹ずつ外に出すっスねー」


空中をふよふよと赤ちゃんが浮かび、丁寧に外へ移動させられる。


「楽すぎる……」

「神か……?」


そしてトドメの性別確認作業。


「そしたらオスかメスを確認するんだが……」


「これでいいっスか?」

「ん? うお!?」


すると、浮かんでいる全赤ちゃんゴブリンが一斉に足を開いた。


「性別確認、開始っス!!」


まるでベルトコンベアのように、浮かぶ赤ちゃんゴブリンが一匹ずつ前を通過。


「オス、オス、メス、オス……メス!メス!」

「すげぇ……すげぇ……!」

「文明の力ってこれだったんだな……」


結果、メス5匹、オス25匹。


メスは檻Aへ。オスは超極狭の新しい檻Bへ。


「作業、完了っスー!」

「コハルちゃん、いやコハル様。これからも末長くよろしくお願いします!」

「一生ついていきます!」

「おお! こちらこそよろしくっスー!」


ダンジョンから出て、俺たちは魔石を1個だけを持ってプレハブへ。


「ただいま戻りましたー」

「おかえり。魔石は?」

「1個っス!」


ゆきは少しだけ目を丸くして、1000円札だけ机に置いた。


「しょぼくない?」

「いや、今日はこれからの戦闘方法の確認がメインだったんで」

「ふーん」


用意していた嘘が自然と出てくる。

ふっふっふ、疑わせやしないぜ。


そして机の上に置いてあった報酬をそのままコハルに渡す。


「コハルちゃん、どうぞ」

「え、マジっスか!? もらっていいんスか!?」

「いや、ほとんどやってもらっちゃったんで。ただ明日からは3等分でお願いしたいっス……」

「もちろんス! お金だけはしっかりやっていきましょ!」

「「ええ子や」」


コハルはその場でスキップする勢いで跳ねる。


「じゃあ、明日からもよろしくっスー!!」


俺たちは顔を見合わせ、頷いた。


──ゴブリン牧場、3人体制で本格稼働開始である。


現在のゴブリン牧場の状況(47匹)

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻

・檻A(ゴブタロウ、メス31匹(赤ちゃん5匹))

・檻B(オス25匹)

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