↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
借金持ちの俺、ゴブリン牧場で大金を稼ぎます  作者: といとい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/99

第25話: 妹さん、一緒に天下取らない?

「ギャギャギャーッ!!」


ダンジョンの広場に鳴り響くゴブリンの雄叫び。そして──


「ふんっス!」


宙に浮いた石が一瞬でゴブリンのこめかみに直撃し、壁に叩きつけられた。


──ドゴッ!


「はいっ、8匹目っスー!」


両手を広げて満面の笑みで振り返るコハル。


「……強いな」

「これがチートか」


俺とブタオは、後ろからついていって見守るだけ。

あと魔石を取る作業だけこちらで対応する。


「これでレベルアップは余裕っスかねー?」


そう言いながら、コハルはスキップ気味にゴブリンの死体を飛び越えていく。


「この子、探索者の才能しかないな。むしろ他の生き方ができない気がする」

「なあ、ボン。ちょっと小声でいいか」

「ん?」


ブタオがひそひそ声で言った。


「ぶっちゃけ、あの子……牧場手伝ってくれたら作業効率めっちゃ上がると思わない?」

「……それな」


ナイフ要らずの念力、処分も楽、回収も楽。

言われてみれば、うちの牧場との相性が良すぎる。


「でもなぁ……秘密守れるかって問題がな」

「隠し事とかできなさそうだよな……」


そう話していると、コハルがこちらにトコトコと戻ってくる。


「もう一匹倒したら、なんかレベル上がったっス! 体の中ポカポカするっス!」

「お、上がったんだ」

「はいっス! なんかレベル2になったっスって聞こえたっス!」

「え、そこまでっス語なのか」


達成感に満ちた顔でピースサインを決めてくる。

そのままダンジョンの入り口方向へ歩き始めた俺たちは、帰り道で軽く話を切り出す。


「なあ、コハル。将来的にさ……ダンジョン攻略って、本格的に続けてくつもり?」

「うーん……正直、怪我とか怖いっスし、あんまりやりたくないっスけど……」


一瞬、声が小さくなる。


「……借金があるっスから、稼がないとなんスよね」

「借金?」


俺とブタオが同時に首を傾げると、コハルはあっけらかんと答えた。


「元カレの連帯保証人になったら、一億円借金背負ったっス!」

「えっっっ!?!?」


思わず声が裏返る。


「え、なにそれ? なにその昭和の詐欺事件みたいなやつ?」

「自分でもビビったっスけど、書類にハンコ押してたみたいなんスよね〜!」

「アホすぎる……」

「えへへっ、褒め言葉として受け取っとくっス!」


あっけらかんと笑ってる場合じゃない。

でも、そのおかげで俺の中にひとつの可能性が芽生えた。


──コハル、この子……俺たちと一緒に牧場やれるんじゃないか?


口には出さないが、ブタオと一瞬だけ目が合った。

同じ考えだったようで、こくりと頷く。


「なあ、コハル」

「なんスかー?」


俺は立ち止まり、真顔になる。


「もしさ、ダンジョンで、危なくなくて、楽にお金が稼げる方法があるとしたら……どうする?」

「うわっ、それ絶対怪しい勧誘っスね! 私はもう騙されないっス!」


軽口を叩くコハル。

だが、顔は真剣だった。


「……でも。秘密にできることなら、話は聞くっスよ?」

「ほんとに?」

「一億あるっスからね」


コハルは右手を人差し指だけ立てて、くるくる回しながら言った。


「秘密は守れるっス! 口、堅いっスから!」

「いや、軽そうにしか見えない」

「大丈夫っス! 姉ちゃんの大事にしてたプリン食べたのバレてないっス!」

「お、おう」

「で、稼げる方法って何っス?」


すっごい迷う

迷うが、ゴブリンが何百と増えた時、手作業でやるのはかなり大変だ


そうなると念力スキル、絶対に欲しいっス


「ダンジョンの同行はレベルアップするまでって話だったけど、明日ももう1度ダンジョン潜ろうか。その時に話すよ」

「わかったっス。楽しみにしてるっス。」


---


コハルを連れてダンジョンゲートを抜けると、昼過ぎの陽射しが肌にじりっと差し込んだ。


「ただいま戻りましたっス!」


プレハブの扉を開けると、カウンター奥ではいつものようにゆきがスマホをいじっていた。


「おかえりー。レベル上がった?」

「上がったっス! やったっスよー!」

「よかったじゃん。ありがとね君たち」


ゆきが軽く手を振ると、コハルも満面の笑みでガッツポーズを返した。


「マジで感謝っス!」

「お、おう。俺らなんもしてねぇけど」

「じゃあ、集合時間は今日と同じでいいっスか?」

「ああ、同じで」

「了解っスー! そんじゃ、また明日っス!」


プレハブを出ていくコハルの背中を見送りながら、俺とブタオはしばらく黙っていた。


「……で、どうする?」

「行くしかないだろ。処分と出産確認」

「だよな」


俺たちはそのまま何事もなかったかのように再びゲートに入り、ダンジョンの奥──自分たちだけの秘密の牧場へと戻っていった。


---


「……じゃ、いつものやるか」

「サクッと片付けて帰ろうぜ」


まずは、今日成体化したオスゴブリン17匹を小型檻から処分。

ちょっと筋肉痛になりそうです。


「はい、17体目完了。魔石も回収して、っと」

「日給8500円、ありがたし」


そのあとは、檻Aの出産チェック。

すでにぐったりしているメスたちの周囲には、新たな赤ちゃんたちの姿が。


「うお……また多いな」


数をざっと確認し、物干し竿で一匹ずつ引き出して性別判定。


「オス……オス……メス!」

「おおっ!」


今日は24匹中4匹がメス。

これでメスは26匹に到達した。


「ボン、明日はもう1人1万円だな!」

「いや、コハルが入ったら6000円だ」

「そうだったぁ!」

「まあすぐに増えるから問題ないさ」


飼育でゴブリンを増産する俺。

土魔法でゴブリンを管理するブタオ。

念力でゴブリンを処分するコハル。


これは完璧な布陣なのではないだろうか。


ナイフでの処分と魔石回収で腕がちょっとプルプルする。

明日から楽になると思うとニヤニヤしてしまう。


未来をちょっとだけ想像しながら、赤ちゃんたちを新しい土檻に収容する。

牧場作業を終えた俺たちは、静かにダンジョンをあとにした。


現在のゴブリン牧場の状況(47匹)

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻

・檻A(ゴブタロウ、メス26匹(赤ちゃん4匹))

・檻B(オス20匹)

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。