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マスターネオはネコまない ―黒猫GMのマスター魔法奪還ログ―  作者: Master NEO
第一章 奪われたマスター魔法

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8/75

幕間 サーバールームにて2

 静寂の中で、端末が吐き出したログが、全員の目に焼き付いていた。


```

「期待してるよ」

```


「……なんだそれは」


 誰かが、腹の底から絞り出すように言った。


「分からない」


 別の声が答える。しかし答えた声自身も、その「分からない」を咀嚼しきれていないのが分かった。


「ただ、明らかにおかしい。システムのログにしては、人間的すぎる」


「誰かが『操作している』」


「内部からか?」


「外部からは不可能だ」


「じゃあ中か」


「……あるいは」


 言葉が途切れる。誰も続かない。


「なんだ」


「『中と外の区別がない存在』かもしれない」


 空気が凍る。モニターの青白い光だけが、変わらず揺れていた。


 そのとき。別のモニターが切り替わる。新しい映像――ネオ。そしてリリィ。草原の中で向かい合う二人。


「この黒い個体……」


「ログにないプレイヤーだ。どこからもアクセスの記録がない」


「NPCでもない」


「識別不能」


 映像がズームされる。ネオが戦っている。空間を移動し、モンスターを崩壊させる。その動きは、通常のプレイヤーとも、プログラムされたNPCとも、どちらとも違う。


「……なんだあれは」


 誰かが呟く。「バグ、か?」


「違う」


 即座に否定される。短く、しかし確信を持って。「バグにしては――出来すぎている」


 沈黙。全員が同じ結論の手前で止まっている。


 そのとき。また、ログが流れた。


```

「順調だね」

```


 誰も、何も言えない。その言葉は――明らかに「誰か」のものだった。しかし誰のものかは、まだ分からない。


 そして。この部屋の中にも。「怪しい人間」は、一人ではなかった。

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