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第六十二話 ヒカリの手紙
翌日――システムのログの中に、埋め込まれたメッセージが見つかった。
倉城光が、残していたものだった。スタッフが発見し、音央に届けた。
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音央へ。
もし、これを読んでいるなら――あなたは取り戻したということだね。
分かってた。あなたが諦めるわけないって。
私がGMにあなたを選んだのは、管理が得意だからじゃない。この世界が、あなたと一緒に動いてほしかったから。
《エビルウィンド・フロム・ハデス》を手に入れたなら――問いに、答えたね。
壊せる、でも壊したくない。
それが、私の答えでもあった。
この世界は――壊れても、また直せる。直し続けることが、この世界を生きているということだから。
ごめんね、急にいなくなって。
でも――ここにいるから。
いつでも来てね。待ってる。
倉城 光
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音央は、その文章を二回読んだ。
それから――
「……待たせるな」
小さく、呟いた。




