表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マスターネオはネコまない ―黒猫GMのマスター魔法奪還ログ―  作者: Master NEO
最終章 マスターネオの帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/75

第六十話 現実の朝

 目が――開いた。


 天井。白い天井。


 起き上がろうとして――身体が重かった。長い間、動かしていなかった。筋肉が錆びついたように、思うように動かない。


「……起きた!」


 誰かが声を上げた。


 視界が安定してくる。部屋。個室。窓から――光が入っている。


 窓の外――朝だった。


「……聞こえますか」


 穏やかな声。医療スタッフらしい人物が、前に立っている。


「……聞こえる」


「体に、痛みはありますか」


「……ない。重い、だけ」


「少しずつ、慣らしていきましょう」


 ゆっくりと体を起こした。慎重に。時間をかけて。


 窓の外に、朝の光がある。青い空。雲。当たり前の、普通の空。


「……朝、か」


 思わず呟いた。


 ゲームの中でずっと――灰色だった空。やっと来た朝。しかし外の朝は、当たり前に来ていた。ゲームの中で戦っている間も、ずっとここで。


「……いいな」


 ドアが開いた。


「……起きた?」


 知らない顔がドアの隙間から覗いていた。だが、見覚えのある声。


「お前、リリィか」


「そう、初めまして、私、莉理。時松莉里。待つって言ったから。ゲーム会社に問い合わせて押しかけちゃった。ちゃんと許可取ってるからって」


「……そうか」


 莉里が部屋に入ってくる。「カイは……来なかったけど」


「……そうだな。来ない」


「何があったの?」


 ネオは少しだけ考えた。


「……後で話す。少し、長くなる」


「聞く」


「……今は」


 ネオはもう一度、窓の外を見た。


「朝を、見ていたい」


 莉里は何も言わなかった。ただ――隣に来て、同じ窓を見た。


 二人で、しばらく。朝の光を見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ