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第四十二話 外部からの手
砦を出たところで――ログが増えた。
通常の一行ではない。大量のノイズが混じり、視界がチラついた。文字が崩れ、また戻る。
「……干渉が来てる」
「外部から?」
「多分な。さっきのボス戦を見ていた――《パンドラボックス》を取ったことが、向こうに分かった」
カイが警戒する。「……次の手を打ってくるか」
「確実にな」
リリィが空を見た。「空、また暗くなってる」
確かに――薄暮だった空が、また灰色に戻りつつあった。オレンジが消え、色が抜けていく。
「時間軸を、また止めようとしてる」
「こっちでは防げないの?」
「今の権限では、システムレベルのサイクルまで管理できない。あと――一つか二つ、魔法が足りない」
ネオは《マスターリスト》を展開した。全員の状態――集落は安全。廃都のプレイヤーたちも移動中。しかし――
「……外部からの干渉を受けている点が、一か所ある」
「どこ?」
「……集落の近く。誰かが――直接入ってきてる」
三人の視線が合う。
「急いで戻る」
ネオは走った。
《ジャンプ》で距離を縮めながら。
だが――
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「もう遅い」
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ログが、来た。
今度は――今までと、違う声だった。




