第三十九話 廃都のプレイヤーたち
固定から解放されたプレイヤーたちは、混乱していた。
「何が起きたんだ……?」
「急に動けなくなって……」
「どのくらい経った?」
ネオは《マスターリスト》で全員の状態を確認した。HP消耗なし。ステータス異常なし。ただ――時間感覚が数時間分、飛んでいる。
「固定されてた間、本人たちには止まってた時間は分からないんだ」
「それって……」
リリィが複雑な顔をする。
「怖いな」
「……そうだな」
プレイヤーの一人が、ネオに気づいた。「あんた――黒猫。助けてくれたのか?」
「まあそんなところだ」
「ありがとう……!俺たち、どうすればいい?」
「集落がある。南に数時間ほど歩けば着く。そこに行け――仲間がいる」
「分かった。ついていくよ……」
プレイヤーたちが、南へ向かい始めた。《マスターリスト》でその移動を確認できる。点が動いていく。
「……これ、全員の状態が分かるなら、かなり楽になるな」
「そうね。誰かが危険な状態になったら、すぐ分かる」
カイが言う。「でも――相手も、こっちが全員を把握してると分かったら、厄介なことをするんじゃないか?」
「……かもな」
ネオは北の空を見た。まだ――先がある。
「急ぐ。次のマスター魔法は――もっと深いところにある」
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「……気をつけて」
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「珍しいな」
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「何が?」
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「心配するのか、お前が」
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「……いつもしてるよ」
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その言葉は――真っ直ぐだった。ネオはそれを受け取って、しばらく何も言わなかった。
「……そうか」
そして、歩き出した。




