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幕間 謎の男
サーバールームとは別の雑居ビル。その一室で、一人の男がモニターの前に座っていた。
窓はある。しかし遮光カーテンで覆われ、外の光は一切入らない。それが意図的なのは、明らかだった。
「……また、魔法を取った」
男は小声で言った。「八つ目。《ピグマリオン》」
「そんな魔法、設計した覚えがない」
GMが、暴走したプレイヤーを一時的に行動不能にするための緊急権限か。思わず口に出してしまっていた。
沈黙。モニターの光が青白い。
「だが、あと少しだ」
男が立ち上がった。椅子が引かれる音が、静かな部屋に響く。
「あと少しで、手に入る」
「次の手を打つ。今夜」
「全てのマスター魔法を奪う」
「そして、《パーフェクト・コード》を手にするのは、僕だ」
モニターに映るネオの姿。黒い巨体。満ちつつある光。
「助けるために必要なんだ。――絶対に邪魔はさせない」
男は部屋の奥にある重厚な扉を開け、その中に消えていった。




