32/75
幕間 設計師のメモ(断片)
*以下は施設の棚に残されていた、設計師の手記の断片――*
――
GMというものを、どう設計するか。長い時間をかけて、考えた。
最初のアイデアは、完全な管理者だった。神に近い存在。何でも見え、何でもできる。
でも――それでは、世界が死ぬと思った。
完全な管理者がいれば、世界は完璧に動く。でも、誰も本気で生きない。危機もない、成長もない、驚きもない。
だから――欠点を設計した。
GMは強いが、万能ではない。権限は持つが、使い方を覚える必要がある。失敗もする。迷うこともある。
そういう存在が――世界と一緒に動く。
このゲームを作るときに、僕はそういうことを考えていた。
「なんとかなる」と思いながら、「なんともならない」と知っている。
そういう存在が――一番、面白い。
――倉城光




