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マスターネオはネコまない ―黒猫GMのマスター魔法奪還ログ―  作者: Master NEO
第二章 マスターネオの奮闘

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第二十五話 《メタモルフォーゼ》

 鏡から出てきたのは――プレイヤーの形をした何かだった。


 顔がない。身体の輪郭はある。装備も一応ある。しかし、内側が空洞だ。まるでアバターだけが動いているような、そういう存在。


「……なんだこれ」


「外部からの干渉が、形を持ったのか」


 ネオは瞬時に分析した。「外部から操作されてる傀儡だ」


「倒せる?」


「やってみる。――《シフト》」


 距離を詰める。一撃。しかし――相手は《シフト》で位置をずらした。


「……同じ魔法を使ってくる?」


「外部が、俺の魔法データを読んでる」


 相手は《シフト》と同等の速度で動く。《ドロー》を使っても――相手も《ドロー》で引き戻す。


「コピーされてる……!」


 リリィが叫ぶ。


「ネオの魔法を全部コピーされたら、どうするの!」


「コピーできないものを使う」


「何があるの!」


「……まだ持ってない魔法だ」


 その瞬間――ネオの思考が繋がった。


 《メタモルフォーゼ》――ステータスを変える。数値を変えるだけじゃない。自分の「在り方」を変える。


 相手は今の「ネオ」をコピーしている。ならば――「ネオ」を変えてしまえばいい。


 攻撃型の大型黒猫――ではなく。


 ネオは鏡の破片を見た。そこに反射した自分の姿――巨大な黒猫。


 これが今の俺だ。でも――別の俺になれるとしたら?


 意図する。何に変わるか。目的は何か。


 速度。最大限の速度。攻撃力は捨てていい。防御も要らない。ただ――速く。


 ステータスが、変化する感覚。身体が――細くなる。小さくなる。


 普通の、黒猫のサイズに。


「え?」


 カイが呆然とする。


 ネオは動いた。相手の動きが――追いつかない。コピーが更新されていない。


 そうだ。コピーは今の俺を基準にしてる。俺が変わった瞬間――コピーはズレる。


 相手の懐へ。一撃。


 相手が《シフト》で逃げる。しかしネオも《ジャンプ》で追う――存在を捕捉して飛ぶ。


「!」


 相手が初めて、反応が遅れた。《ジャンプ》のデータが、まだコピーに反映されていない。


「ここだ」


 《ドロー》で引き寄せ、《マスターキー》で――その内側にある、外部の接続点を開く。


「開け」


 カチリ。


 接続が切れた。傀儡が、崩れる。光の粒子になって、散っていく。


 静寂。


 ネオは――元の大きさに戻った。


 視界にログが走る。


```

【マスター魔法:《メタモルフォーゼ》取得】

自由にステータスを変更する

```


「……格好良かった」


 カイが言う。


「うるさい」


「格好良かったって言ってるのに!」


 リリィがため息をつく。「……この人、本当に素直じゃないよね」


「素直に生きてたら、GMなんてやってられない」


 ネオはそれだけ言って、散った光の粒子を見ていた。


 外部からの干渉。段々と、向こうも本気になってきている。


「急がないとな」


 小さく、一人で呟いた。


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