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マスターネオはネコまない ―黒猫GMのマスター魔法奪還ログ―  作者: Master NEO
第二章 マスターネオの奮闘

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第十四話 旧市場の混乱

 壁の向こうは――予想以上に荒れていた。


 建物の崩壊が激しく、道が塞がれている場所が多い。まるで誰かが意図的に、入れないようにしたかのような散らかり方だ。自然な崩壊ではない。何かが通った跡がある。


「……これ、自然に崩れたわけじゃないな」


 ネオが立ち止まる。


「どういうこと?」


「崩れ方のパターンが一定だ。ランダムな崩壊じゃない――何かが繰り返し同じ経路を通った跡がある」


 カイが周囲を見回す。「何かって?」


「でかいやつ」


 その言葉と同時に――遠くから、地響きが来た。


「……来た」


 ネオが低くなる。四肢に力が入る。


 崩れた市場の奥から現れたのは――巨大な、石造りのゴーレムだった。しかし以前に倒したものとは違う。このゴーレムは二体。しかも――


「連携してる」


 リリィが即座に分析する。「一方が攻撃して、もう一方が退路を塞ぐ動きだ。ただのモンスターじゃない」


「プログラムか、それとも――」


「誰かが操ってる」


 カイが言い切る。


 ネオは素早く状況を読んだ。逃げ場がない。正面に二体。背後は瓦礫で塞がれている。


「リリィ、後ろに下がれ。回復に徹してくれ」


「分かった」


「カイ、右のゴーレムを引きつけろ。攻撃しなくていい、ヘイトを集めるだけでいい」


「了解。何で引きつければいい?」


「何でもいい。声でも、石でも」


「……シンプルだな」


「シンプルな方が確実だ」


 ネオは左のゴーレムへ向かった。《シフト》で距離を詰める。《マスターキー》を構える。だが――


 鍵穴がない。


 以前に倒したゴーレムとは作りが根本的に違う。関節に鍵穴がない。全身が、均質な石で作られている。どこにも「閉じているロック」が見当たらない。


「(厄介だな)」


 ゴーレムが腕を振る。ネオは《シフト》で回避する。だが――回避した先に、もう一方のゴーレムが来ていた。


「っ!」


 挟み撃ち。連携で動いている。


「カイ!」


「引きつけてる!でもこっちも来てる!」


 ネオは歯を食いしばった。このままでは――じり貧だ。


 そのとき。ログが一行。


```

「ねえ。引っ張れないの?」

```


「……は?」


```

「ゴーレムを。こっちに引っ張ってきたら、ぶつかるじゃん」

```


 ネオの思考が、一瞬止まった。


「……なるほど」


 ぶつける。二体を、互いにぶつける。


 引っ張る――どうやって。


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