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AIが運営するVRMMO  作者: ケイ
8/19

職業スキル

AIオンライン バージョン1.0

・魔術師、弓使いの職業スキルの一部で本来攻撃できない場所を攻撃できてしまう不具合を修正。

・近日中に経験値大幅獲得イベントを開催予定しています。


――――――――――――――――――――――――――――――


「ところでシークのやってるヒールとかいう回復魔法どうやって覚えてるの?」


俺達は砂漠でひとしきり狩りを楽しんだ後シークが流石に回復魔法の使いすぎでMPが無くなったというので砂漠に生えたヤシの木っぽい木の下でダラダラと話をしていた。


シークの話ではHPもMPもじっとしていれば徐々に回復していくのだそうだ。


「あー日常スキルはそこらへんのクエストというかお使いをやれば使えるようになるんだけどヒールみたいな神官限定の職業スキルなんかはメニューのスキル欄から使えるように設定できるよ」


俺は言われた通りにメニュー画面からスキルの項目をタップした。


レベル10から取得可能と書かれたスキルアイコンとレベル20から取得可能と書かれたスキルアイコンが光っている。


レベル10スキルには《影走り》レベル20スキルには《影縫い》と書かれたアイコンがあり、それ以降のスキルは表示されていない。


おそらくレベル10刻みに職業スキルは使えるようになるのだろう。


4時間ほどがっつりサソリを狩りつくして今のレベルが27なことを考えるとシークのやつ一体どこで何時間狩りをしたのやら…

レベルを上げているうちに気付いた事だがこのゲームでのレベルはレベルアップする毎に必要経験値もどんどん増えていく方式のようで後半はサソリを何体倒しても経験値が貯まっている感じはしなかった。


「さてはシークさん妙なレベルの上げ方をしていますね?」


「何のことかな?」


シークの顔は真顔だがアホ毛はビクビクっとジグザグに曲がっていた。

なんだその無駄にプログラミングされた感情表現豊かなアホ毛は。


「4時間でレベル27しか上がらないのに見るからにサポート職業の神官がその早さでレベル上がるのはおかしいだろおい!」


俺はシークのアホ毛に短刀で狙いを定めるととジリジリとスリ足でにじり寄っていく。


「ま、待て!バカな真似はよせ!」


両手でアホ毛を庇うように隠すシーク。


「正直に白状すれば手荒な真似はしない。そうお前の態度次第だがな!」


くらいやがれ!暗殺者レベル10取得スキル影走り!


突如何もない自分の影に沈み込んでいく俺!


『影走りにより状態、隠密になりました。隠密中は移動速度が100%アップします。全ての攻撃によるダメージが1ダメージになります』


スキル使用に対して鳴り響くヘルプ欄!


「《リカバリー》」


『リカバリーによって隠密が解除されました』


中途半端に解除されたせいで下半身が砂に埋まる俺!


「あの、シークさん。大変申し上げにくいのですが上半身を引っ張っていただけると…」


「…あー砂漠で暑いしな。ちょいとスイカ割りがしたくなってきちまったよ」


「ごめん!嘘!冗談だって!杖を目の前でブンブンしないでおくれ!!」


人を茶化すのは良くないよね。うん。



――――――――――――――――――――――――――――――


シークに案内された先にあったのは一言で言えば広大な墓場だった。草木は枯れ、見渡す限り墓標で埋め尽くされている。

ここの空気を吸うだけでダメージをもらいそうな物々しい雰囲気に正直一刻も早く立ち去りたい気分だった。


「ここがヴァルハラから南にあるダンジョンでこの中にいるアンデッドタイプのモンスターが俺と相性がよかったんでレベルがホイホイ上がったということだよ」


「…ヴァルハラって?」


「この前俺達がログアウトした街だって!メニュー画面の設定で視界の端にミニマップを表示できるからそこで確認するといいよ」


この短時間でゲームシステムを把握するとは流石だな。詳細設定はまったく弄ってなかったので後で色々確認しておこう。


「んじゃ狩りをするけどコバトは攻撃を受けないでね?たぶん一撃だから」


それだけ言うとシークはこそこそと隠れるように墓地を進んでいくので後を同じように追う。


「あれだあれ。俺が一撃いれるからそれで死ななかったらモンスターの視界のから出るまで逃げるぞ」


ひょっこり木陰から顔を出してシークの指差す先を見ると5メートルはあろうかという骸骨が鎧を着て背丈ほどの大鎌を肩に担ぎ墓地を歩いていた。あれほどの重量が動いているにもかかわらず一切の足音がしないので恐怖感が半端じゃない。


「いや、あれは無理だべ」


明らかに相性とかそんなもんでなんとかなる相手じゃないだろう。


「いいからいいから。《ターンアンデッド》」


シークが魔法を唱えると骸骨の頭上に十字架のエフェクトが発生し、光が骸骨に降り注いだ。

ダメージが骸骨に入り、その頭上にあるHPゲージにダメージがはいった


だがHPゲージは少しも減っていない。


「よし、逃げろ!」


「よし!?」


骸骨がこちらに気付く前にシークと俺は一目散に逃げた。


「おいおいおい死ぬぞ俺ら!」


「そろそろ大丈夫かな。よしもう一回さっきのやつやるぞ!」


「話聞いたか!?」


そんなこんなで7往復ほどするとついに…


「―――――っ!!」


声にならないような叫び声をあげて骸骨が光になった。


「ふふーん。ターンアンデッドはアンデッド相手に特大ダメージがはいるけど副次効果に低確率でアンデッド系モンスター相手に即死。一撃必殺ダメージがはいるってのがあるんだよ。今のは割りと早い方だったね」


「絶対運営はこんな狩り方想定してないだろ!!」


今の一回でレベルが4つも上がってやがる!

副次効果とかもう飾りみたいなもんだろうになんちゅう狩り方してやがるんだこいつ。

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