3 スマホという名の聖剣と闇のミレディー
龍太さんの活動は、滑稽なほど泥臭く、そして最先端だった。
彼はロシナンテ号で街の路地裏を駆け巡り、年金生活に喘ぐ老婆の声、サービス残業で目を充血させた若者の愚痴、そして僕のような不登校の子供たちの呟きを、スマホで淡々とライブ配信する。
「坂本龍馬旋風の会、生中継ぜよ!」
当初、その配信はネット民たちの格好の「おもちゃ」だった。だが、彼が聞き役に徹して拾い上げる本音は、テレビのニュース番組が流す綺麗事よりも、ずっと深く、人々の乾いた心に染み込んでいった。
不登校になり、四畳半でネットの海を泳ぐことだけが唯一の救いだった僕は、いつの間にか彼の「軍師」になっていた。
僕は自分の部屋から、ハイスペックな自作PCを駆使して、龍太さんの配信をサポートする。
「龍太さん、右の路地へ! 工作員のアカウントがデマを拡散し始めてる。僕が今から、この『ミレディー』たちの正体を暴いてやる!」
「頼むぜ、カケル! あんたの指先は、どんな名刀よりも鋭いぜよ!」
巨悪——つまり「大先生」の組織は、手段を選ばなかった。彼らはIQの高い冷酷なエリートを使い、SNS上で「龍太は実は裏でカルトと繋がっている」といった卑劣な離間工作を仕掛けてくる。さらには、かつての親友の死を「龍太が見捨てたせいだ」と歪めて攻撃してきた。
ある雨の夜、僕たちの秘密の作戦会議室(近所の潰れたクリーニング店)の前に、黒塗りの車が三台止まった。中から出てきたのは、いかにも「ならず者」といった風貌の男たちだった。
「龍太さん、逃げて! あいつら、本当に殺しに来たんだ!」
僕が叫び、キーボードを叩く手が震える中、龍太さんは静かに、かつ確実にスマホの配信ボタンを押した。
「逃げんよ、カケル。逃げたら、あいつらの作った『恐怖』という指定範囲の中で、一生震えて暮らすことになる。見てろ。これが令和の、生きて勝つための戦い方だ」
龍太さんは画面に向かって、不敵に笑った。
「リシュリュー先生、見てるか? あんたが放ったならず者が、今、俺の目の前におる。百万人の視聴者が、この暴力の瞬間を待っちゅうぜ。暗殺? 時代遅れぜよ。俺を殺せば、あんたのシステムは一秒で崩壊する。俺は『生きて』、あんたの負けを世界中に実況してやるき!」
配信のコメント欄が、計算不能な速度で流れ出す。
《龍太さん、後ろだ!》《警察に通報した!》《俺たちが見てるぞ、手を出すな!》
その瞬間、暴力は無力化した。カメラのレンズという「一億の目」に晒されたならず者たちは、振り上げた拳をどこに下ろせばいいのか分からず、ただ滑稽に立ち尽くした。
この章も、プロローグの自作とアイデアを入力してすべてAIが書きました。




