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「フハハ! 防戦一方ではないか! デカい口を叩いておきながら、所詮こんなものか? 同胞殺しよ!」


 変異種からの攻撃を防ぐイッカク。攻撃の度、ダンジョンに轟音と衝撃が発生し、イッカクの足元は地面ごと沈んでいた。余裕の表情を見せながら一度距離を取った変異種は、イッカクへ話を続ける。


「防戦一方とはいえ、我の拳に耐えうる肉体。試しているが、精神干渉も出来ない。やはり貴様も、我と同じ唯一個体なのだな?」


「……」


「それに、下等生物の元にある鬼火。あれも貴様が操っているのだろう? ……どうだ、我と手を組まぬか? 我等ならば、地上を制圧することも容易い。祖の願いも叶う」


「断ル」


 イッカクは、変異種の誘いを端的に断った。


「フン……我が慈悲を無下にするか、まぁいい。貴様が防戦一方なのは、下等生物へ鬼火をつかっているからでだろう? あれほどの鬼火、下等生物にどれほどの価値があるというのだ? 見ろ、今にも同胞によって殺されそうではないか。助けなくて良いのか? ん?」


 ま、行かせんがなと変異種は告げる。カイルも防戦一方。こちらは、三体のオーガによる猛攻を、必死の形相で耐えているといったものだった。


「今ハ鍛エテイル最中ダ」


「なに?」


 イッカクが言ったことを、理解できない様子の変異種は眉間に皺を寄せる。


「オ前モ、モウ少シ動イテオケ。アッサリ倒サレテハ、訓練ニナラン」


「ほざけ! 何を訳が分からぬことを抜かしているのだ!!」


 変異種は鬼の形相で、イッカクへと猛攻を開始した。

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