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報告へ

「主様、中央都市に戻ってからの予定は?」


 セバンタートへ戻る途中、アニエスから声が掛かった。


「そうだな……ギルドに報告して、その後は特に無いと思うよ」


「そうか。それならばギルドの報告が終わってから、メンバーと一対一で話してみたいんだが、構わないかい?」


「俺達とってことだよね?」


「あぁ。私なりの親睦を深めたい、というやつだ」


 アニエスとイッカクが仲間になりました、と伝えても、リリがまた難癖をつけかねないか。アニエスは綺麗な女性だから尚更だ。当人同士で話したいことも出るだろうしな。


「良いんじゃないかな、ギルドに報告後はそれでいこう」


「助かるよ。それにしてもイッカク、お前……そのまま行くのかい?」


「何ガダ?」


 イッカクは、肌色こそ人に近いものだが、額には立派な角が。新しく従魔になったんですと伝えても、怯える住民も出るかもしれない。そういえば、森の入口にいた職員さんは驚いてたな。森に入った時と人数変わってない? と不思議そうにしてたし。


「お前……百鬼夜行の話をしたばかりだろう。主様に要らぬ気を遣わせるな、全く」


 そう言ってアニエスは、イッカクの角を握った。いきなりの行動にイッカクは珍しく驚いた様子を見せる。するとイッカクの身体に変化が。あれ……角が、消えた? あれだけ立派な角が、無くなっている。


「見えなくしただけだ、眼の良い奴には簡単に見破られる。都市内では大人しくしていろ」


「……分カッタ」


 お互いに従魔になってくれたとはいえ、まだまだアニエスの方が立場が上だった。イッカクが言うには、アニエスの方が実力も上らしいけど……。


 東の森から中央都市まで距離は短い。俺達は帰還し、その足でギルドまで向かった。



「ど、どういうこと?」


 ギルドでジェシカさんに報告すると、現状を受け入れられない様子で聞き返されてしまった。


「俺も色々有り過ぎちゃって、まだ実感が湧かないんですけど。東の森、その問題は解決したで大丈夫だと思います」


 これ、エルフの族長さんから頂いた手紙です、とジェシカさんに手渡す。受け取ったジェシカさんは、ゆっくりと手紙に眼を通していく。


「……うん。おかげさまで解決出来ました、って書いてあるわ」


「それなら良かったです」


 ウィッチが当日に出てきてくれたから良いものの、危うくエルフ領で何日も過ごす事になりそうだったしね。居心地は悪く無かったけど、身動きが取れなくなるのは嫌だったし。早期解決が出来て良かった。


「良いけど問題はそこじゃないの。どうして従魔が二体も増えているのよ! 希少種じゃないと従魔に出来ないかも、ってカイル君が報告してくれたのよ!?」


 ……そっちかぁ。確かに二、三日程度で希少種である従魔が増えれば、それは驚くのも無理ないか。その主となった俺も、実感なんて湧いていないもんな。


「で、でも今回はちゃんと従魔契約しましたし、ここの皆に危険がある訳じゃ」


「ホイホイ短期間で、希少種が出て来てるから驚いてるの! そんなのもう希少種じゃないじゃない!」


「そんな事言われてもですね……」


 本当に規格外よもうっ! と何故かジェシカさんは怒り始めていた。お、落ち着いて……。


「受付嬢よ、そう主様を困らせてくれるな」


 そう切り出したのは、アニエスだった。ジェシカさんはピタッと話していたのを止め、眼を丸くしてアニエスの方を見つめる。


「人語がとても流暢……カイル君、後に改めて報告を聞こうと思っていたんだけど。新しく従魔になった方よね。この魔物は? っていうか、魔物なの?」


 ジェシカさんには現状、東の森問題の解決、そして従魔が二体増えました、という事しか報告していなかった。


「えっと、ちょっと特殊な話になるんですが……どうやって説明すると分かりやすいかな」


「よい、主様。その辺りは私から言おう。受付嬢、【東の魔女】という言葉に覚えはあるかい?」


「はい。ギルドの資料では、東の森に住んでいる魔法使い、という記載となっています」


「勤勉だ、かなり前の事だがよく覚えていたね」


 恐縮ですというジェシカさんに、アニエスは頭をかきながら話を続けていく。


「自分から言うのもな、という所なんだが……私だ」


「……へ?」


「まぁ、エルフの方に確認を取ってくれれば分かるだろう。気がつけば、そんな二つ名を付けられてしまっていた。こそばゆいものだよ、全く」


 ジェシカさんは開いた口がふさがらないといった様子で、口を開けながらアニエスと俺を交互に見つめていた。


「カ、カイル君? 今の話……?」


「本人曰く、魔物になってしまった、という話です」


 人から魔物へ、通常ではありえない事象。故に変異種であり、希少種。


「ほ、本当に?」


 再度確認を取るジェシカさんに、俺が頷く。


「この方が、【東の魔女】……? う、嘘でしょおおおお!?」


 ジェシカさんは、外にも響きそうな声で叫びながら、盛大に後ろへ尻もちをついた。


 いつも読んで下さりありがとうございます。

 来週の投稿はお休みとなります、主に清書作業の関係です(下書きでの話は、まだ先まで進めれています)

 楽しみに待っていてくださる方は申し訳ありません。のんびりとお待ちください。

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