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中央広場で

「つまり、それが本来の姿、という事ですか?」


「あぁ、そうなるね」


 中央広場でどういう事かをアニエスさんに尋ねた。アニエスさんは、エルフの服を借りて着用している。それでも、露出している肌を見てしまうと顔が熱くなるのを感じた、だってさ……ねぇ? 事情を聞くと、とある魔法の研究をしていて、その魔法は成功したが代償として魔力回路が修復出来ない程になった、という。それを魔石を食べる事で補填していたと聞いて、今までの行動に合点がいった。


「一応、私を従魔として悪用されては困るからね。試すような真似をしてすまなかった」


「それは、気にしないで下さい」


 急に契約するのは、お互いに良いことは少ないしね。俺もアニエスさんの本質を垣間見れた気がして、どういう人なのかなんとなく分かってきたつもり。


「あと、敬語はよしておくれ。我が主となったんだ。これでは、どちらが上の立場か分からないじゃないか」


 そう言って、苦笑するアニエスさん。


「……分かった。アニエスも無理に気を使わないでくれよ?」


「無論。私は喋り方を変えるつもりはないよ。誰が相手だろうと、話し方はこのままだ」


 さて、とアニエスさんが視線を俺からペトリアークさんへ向ける。ペトリアークさんの顔は、真っ赤だった。もしかしなくてもあれ、怒ってるよな。


「アニエス、貴様っ! 力が戻ったのを良いことに森を破壊する気か! 火属性の範囲魔法なぞ使いおって!」


 避難したエルフ達にも響き渡る声で、ペトリアークさんは怒声をあげる。


「チマチマやるのは性分じゃない。それに、あそこまで数を増やさせてしまった責任の一端は、お前達にもある。お前達エルフの魔法でも、小娘程度なら通用するはずだ。森は傷ついても再生する、何をそんなに怯えているんだい?」


「ぐっ……!」


「勿論、契約に則り私にも責の一端はある。それはこれからの行動で果たそう、森を壊そうという気は毛頭ない」


「……分かっている。久方であろうが、お前の魔法を疑う気はない。ただ、周りの者も見ているのでな。体裁、というやつだ」


 段々、俺達にだけ聞こえる声で話し出すペトリアークさん。表情も、出会った時の穏やかな雰囲気に戻り苦笑していた。


「族長、というのも大変なものだな」


「歳は食いたくないわい」


 さ、脅威は去った。もう夜だ! 皆の者、身体を休め朝に備えよ! ペトリアークさんの号令で、広場に居たエルフ達も部屋へと戻ってった。



 こうして、迷いの森での調査はどちらも解決出来た事になる。思いがけない出会いもあった。【東の魔女】と呼ばれている、ギルドの古い文献に書かれていた本当に実在するかも分からない人物。そんな凄い人がまさか、仲間になるなんて思ってもいなかったしな。結果から言えば上々だろう。


 俺は再び部屋へ戻り、気分良く眠りへついた。

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