表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/28

エルフ領.2

「ようこそ、エルフの住まう領地へ。私は、ここのまとめ役を務めておりますペトリアーク、と申します」


 お見知りおきを、そう言ったエルフの族長であるペトリアークさん。エルフの中では年配の男性に見える。


 俺達は中央の広場で、ペトリアークさん、そして数名のエルフと挨拶を交わす。


「えっと、セバンタートより参りました。ウィズテーラスのリーダー、カイルです」


「アメルです」


 中央広場を囲む様にして、遠目からこちらを見ているエルフもいるな。


「ふむ、カイルさんにアメルさんですな。ご助力の程感謝いたします。手紙の内容通りとなりますが、現在ウィッチが森に被害を出しつつあります。本来ならば、そこの者が片付ける手筈となっている所なのですが……のう、アニエス?」


「回りくどいぞペトリアーク。私は忙しいんだ、被害が出てからでも遅くはないだろうに」


「姿は違うがやはりお前だったか、アニエス。それはそうとして、被害が出てからでは遅いのだ。未然に防いでもらわねば困るのだよ」


「相変わらず小心者め。族長がそんな様では、他のエルフ達に示しがつかんだろう? 顔に出すんじゃない」


「不安の種は早期に取り除くに限る。ただでさえ最近、鬼神様の機嫌が悪いのだ。酒が足りん! とな。これ以上損ねるわけにはいかん」


「あやつ……まだおるのか? はぁ、それはまた……律儀なものよ」


 ちょっ、話がどんどん知らない方向へ進んじゃってるけど。


 ついていけない俺は、申し訳ないと思いながらも割って入った。


「す、すみません。俺には話が見えてこなくて。一先ず、ウィッチの情報を教えてくれませんか?」


 二人はピタッと話を止め、ペトリアークさんがコホンと咳払いをした。


「すみません、客人を前に失礼いたしました。ではウィッチの話を。奴らは夜に活動が活発となります。周りを鑑みず、無意味に魔法を行使することもありまして……まるで、魔法の研究といわんばかりに。今は実害は出ておりませんが、遊び半分に森を破壊されたく無いのです」


「なるほど……」


 ……そこにいるイッカクは樹、へし折っちゃってるけど。俺も吹き飛ばされた時、樹をへこましちゃってるけど……。その辺りは大丈夫、かな? うん、きっと大丈夫!


「最近では、ウィッチの数も増えてきておりまして。我らだけでは対処が難しいと思っておりました。排除する時は、一網打尽にと思っております」


 取り逃がしたりして、森に被害が出ても嫌だって事だな。


「ありがとうございます、事情は分かりました。そしたら、一度ギルドへ報告して最適な人選をしてもらおうと思います」


 それを聞いたペトリアークさんは、一瞬動きを止め、何故か盛大に笑い始めた。


「え、えっと?」


「はっはっはっ! いや、失礼。カイルさんは面白い冗談を言われると思いましてな」


「いえ、冗談ではなくてですね……」


「【従魔士】である貴方を差し置いて、誰が務まりましょう。では、今日から解決まで宜しくお願いしますぞ。勿論、お仲間の分も部屋は用意させて頂きます故」


 え、なんて? 今日から、部屋? 俺の考えが纏まらない内に、アニエスさんが腰をポンと叩いた。


「カイル、こいつは一度言い始めたらきかない。事を終えるまで出ることは叶わないよ、諦めるんだね」


 アニエスさんは、どこか俺を憐れんでいるかの様な顔を、いや……これ、笑ってない?


「マジか……」


「さて、何にせよ【従魔士】であるカイルさん、そしてお仲間を歓迎しよう! 皆、馳走を用意せい!」


 エルフ達の歓迎ムードとは裏腹に、事を終えるまで帰れないという重圧が、俺にこれでもかとのしかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ