狂った構想曲
トコ…トコ…トコ…と、空間に響く足音の様な物。
〜〜〜♪
足音の他にも、クラシックの様な音楽が聞こえてきている。
キィイ…(扉が開く音)
謎の男
「…ヒィ…来たか、白童」
《〜〜♪!!》
白童
「…ん」
「狂った構想曲」
扉の向こう側には、縦長に置かれたテーブルに、豪華な装飾が施された4席ある客人用の椅子。先着がいる様で、上手にはパーマをかけた男が両手を椅子に掛け足を組んでいる。下手には、何やら妖艶な雰囲気を漂わせる謎の美女が座っている。
白童
「…遅れてしまい、申し訳ございません」
???
「いいや良い、まぁ座れ」
そして、中心には堂々としたガタイの良い男が、歯を剥き出しにして不敵な笑みを浮かべている。他にも、その者達の側近であろうか、一人一人の背後に待機している存在達。
白童が座ろうと椅子の前に立つと、カイが椅子を引く。
白童
「…」
白童が座ると、カイは一歩足を引いて待機する。
???
「それでは、友会を始めよう」
中心で指揮をとる金髪の男、この男こそ人狩りの元凶であり日本のトップに君臨する天心一族の長…。
【 天心 龍伍 】
天心
「それでは、各自近況報告をしてもらおうか?」
???
「では、天心様。私めが初めに」
天心
「よろしい」
???
「失礼致します」
手を挙げ申し出た謎の美女…この女は言わずとも知れた拷問を得意とする神玉一族が長…。
【 神玉 麗姪 】
神玉
「私は、宝石展示会を開催し、そこで他国の代表者と"アレ"を忍ばせた「玉龍石」の取引を行なっておりました。そして、取引材料を斡旋しようとした男の潜入捜査官を数日に渡り拷問しました。その結果、とある情報を入手致しました」
天心
「ほぉ?その情報とは…?」
神玉
「はい、その男曰く、現状…人守りは衰退しているのだとか」
???
「ハッハッハww」
神玉
「…っ!」
???
「そんな情報、とっくに知ってると思いますけど」
神玉
「…っ、な、何を?でしゃばるんじゃないよ、下等が」
???
「ありゃ〜、神玉様の気分を害してしまったのなら、誤ります」
天心
「ヒッ…」
不貞腐れた態度で神玉に頭を下げる謎の男…この男は、負・葊一族の長…。
【 負・葊 】
神玉
「何処までもムカつくやつだ」
負・葊
「申し訳ございません…フフ。私から発信できる情報では、どうやら、人身売買の平均年齢が19〜25から17〜28までになったそうですよ?」
天心
「フッ…他国の奴らもアホばっかだな〜ハッハッハッ!!!」
かかっているクラシックの音が徐々に大きくなっていく。
天心
「それでは、最後に…」
白童
「では…」
天心
「フッ…」
神玉
「ンッフフ…」
負・葊
「…」
白童が発言をすると、それを小馬鹿にする様に笑みを浮かべ始める一向。
白童
「私からは、2点ほど。つい最近、我が別荘にある空洞プログラムが一つ破壊されました。しかし、そこで特殊部隊のSBUと人守りの育成場出身のエリート二人を抹殺致しました。以上になります」
天心
「フッフッフッ…全くと言って良いほど、使い物にならんやつだな〜白童」
神玉
「ほんとですわ〜オッホッホッホ!」
白童
「申し訳ございません」
天心
「まぁいい。白童よ、お前が起こした失態、自分で片をつけろよ。それと、俺を失望させる様な真似は今後するんじゃねーぞ…フッフッフッフッ…ハッハッハッ!!!」
白童
「承知致しました」
天心
「今回はこれくらいで良いだろう、解散だ」
天心の言葉を聞き、白童が立ち上がる。扉の元へ体を向け、部屋を出ようとする。カイもその後ろを追う。すると、そんなカイを明らかに色目で見始める天心。
天心
「…フッ…相変わらず良い女だなぁ〜」
白童
「…ん」
天心の言葉に横目で見る白童。
天心
「今でも、俺のところに来る気はないか?カイよ」
カイ
「…」
天心
「いつでも、歓迎するぜぇ〜フッフッフッ」
白童
「…」
天心の言葉に無反応のカイ。
白童は、部屋を後にした。
天心
(カイ…いつか必ずこの手で奪い取る!何がなんでもなぁ…)
バタン!!(←扉が閉まる音)
白童
「ん…」
カイ
「…」
白童
「帰るぞ…」
カイ
「はい…」
あれから数ヶ月の時が経ち、谷村達は立派な人守りに昇格していた。
谷村
「今日の任務は」
門崎
「確か、私服で見回りだったよな」
早川
「うん、人狩りが好き勝手しない様に、しっかり警備しよう」
谷村
「おう!そうだな!」
人守りの通常任務は、主に見回りが多い。それも人狩りを好き勝手に暴れさせないためだ。時に、他の特殊任務にあてがわれる事もある。
谷村
「ん〜、今日は無いみたいだな」
門崎
「一分一秒でも油断するな」
谷村
「あいよ」
ふと、腕にしていた時計をみる早川。
早川
「あ…ヤバ、もうこんな時間」
門崎
「ん?どうした、早川」
早川
「ごめん!二人とも、私…帰んなきゃ」
谷村
「は?なんで、だってまだ20時半だぞ?」
人守りは、最低でも23時までの警護を言い渡されている。
早川
「本当にごめん!下の子らが、お腹空かせて待ってんだよね」
谷村&門崎
「…っ」「ん…」
谷村と門崎は顔を見合わせて相槌をとった。
谷村
「そりゃあ大変だ!直ぐにでも行ってやれ!」
早川
「…っ…ほんと、ありがとう」
門崎
「何言ってんだ。後の事は全部俺らに任せて、安心して行ってこい」
早川
「ありがとう…後でなんか奢るね!」
谷村
「ハハッ!おう!」
早川
「じゃあ!おつかれ〜!!」
谷村&門崎
「おつかれ〜」「ふっ…」
早川は、手を振った後二人を背に帰っていった。時刻は21時00分。小さいが外見がしっかりとしたマンション宅。
早川
「ただいま!!」
妹&弟
「あ〜おねーちゃん!!おかえり!」「おかえり!」
早川
「ごめんね〜、お腹空いたでしょ」
妹&弟
「うん!」
早川
「今、作ってあげるからね」
妹&弟
「うん!!」
早川
「んふ…」
早川は、キッチンで食材を並べ料理を始めた。数十分後…。
早川
「は〜い、お待たせ」
妹&弟
「わ〜い!!カレーだ!」
二人は、カレーにありつこうとする。
早川
「あ!こら、食べる前は?なんて言うんだっけ?」
妹
「いただきます!」
早川
「そう!加奈江は偉いね〜!良い子良い子」
加奈江
「えっへへ//」
早川
「あらら〜加奈斗君はできるかな〜?」
加奈斗
「で、できるもん!!」
早川
「じゃあ、さん…はいっ!」
加奈斗
「いただきます!!」
早川
「んふ…はい!どーぞ!」
加奈江&加奈斗
「えへっ!」
二人はご馳走を貪る様に食べる。
早川はそれをみて優しく微笑む。
加奈斗
「んん!美味しい!!」
早川
「あ、こら加奈斗?」
加奈斗
「ん?」
早川
「ん?じゃないでしょ?また胸元汚して、もう〜何度も言ってるのに」
早川は、弟の胸元についたカレーを拭き取る。弟の胸元には、カレーのシミがついた。
早川
「んふ…」
(この子達を幸せにする!長女として、絶対!!)
加奈江
「お姉ちゃん!」
早川
「ん?」
加奈江
「とっても美味しいよ!」
早川
「本当〜?ありがとう〜//」
(可愛い/////)
加奈斗
「お姉ちゃんいつもありがとう」
早川
「んふ…うん!加奈江と加奈斗も、ありがとね…」
加奈江&加奈斗
「え〜?」「何が?」
早川
「…元気でいてくれて」
加奈江&加奈斗
「あ…」「僕達が元気だと、お姉ちゃんは嬉しいの?」
早川
「うん!とっても」
加奈斗
「そっか!じゃあ僕、お姉ちゃんの為に、ず〜っと元気でいる!!」
加奈江
「加奈江もー!!」
加奈江と加奈斗の純粋な笑顔を見て安堵する早川。二人が美味しそうにカレーを食べるところを観察しながら、将来を考える。
早川
(加奈江は、どんな子になるんだろ〜。きっと、私に似て美人になるだろうから、直ぐ結婚しちゃったりして!ンフフ…加奈斗はそうだな〜、以外とアスリートとかになったりして!ンフフ…ww楽しみ!)




