REAL
畠山
「…そう…ですか。すみませんね、こんな質問をしてしまって」
門崎
「いえ…」
畠山
「…君の背景に何があったのか、少しでもいい…聞かせてくれませんか?」
門崎は、一度瞳を閉じる。そして、目を開けて畠山に言った。
門崎
「俺は、人狩りに両親を殺されました」
谷村
「…」
門崎
「…小学生の時です。家に帰ると、あたり一面血まみれで、玄関には父と母が二人重なる形で倒れていました。口は裂かれて、帰ってきた俺を嘲笑う様に死んでいたんです」
谷村
「…」
門崎
「…そこからですかね、人狩りに対し復讐心を抱いて、中学になってある組織に拾われてそこで実際に人狩りとどんぱちしました」
門崎が話しを続ける中で、畠山がそれを止めた。
畠山
「もう良いです…」
門崎
「…」
畠山は、自分に真実を語ってくれた門崎に対し優しく微笑む。
畠山
「色々と教えてくれてありがとうございます。それでは、お休みなさい」
畠山は、立ち上がり部屋を出て行った。
門崎
「ん…」
バタン!と言う音が鳴った後、左ベットで布団をする音が谷村の耳に聞こえた。
谷村
(門崎のやろうにそんな過去が…)
門崎の過去を聞いて、やるせない気持ちを抱いた。谷村は、この件を聞いてしまい眠れなかったのか校舎を一人歩いていた。
谷村
「ハァ〜」
(遂勢いで来ちまったけど…夜の校舎ってなんか不気味だな〜)
谷村は、暗くて道が見えなかったのかいつもとは違う方向へと歩いていく。すると、一つの教室から明かりが漏れていた。
谷村
「ん?」
(なんだ?)
谷村は、その教室に近づく。
谷村
(なになに…暗部隊教室?)
谷村は、その名前が気になりこっそりと中を覗いた。次の瞬間!扉が勢いよく開いた。
谷村
「おわっ!!」
驚き倒れた谷村。顔を上げると目の前には、金髪でカウボーイハットを被っていたスタイルのいい女性が立っていた。
カウボーイハットを被った女性
「お?なんだ少年、あ!もしかして、君ここに入りに来たの!?」
谷村は、驚きつつも中にいた黒髪の男を見つけた。年は自分よりも一つか二つ上だろう、体格が良い。顔つきは端正だが、冷酷な目つきをしている。その男は、サンドバックを容赦なく叩いていた。
カウボーイハットを被った女性
「おーい、君?」
谷村
(ゴクリ…)
谷村は、勢いよく立ち上がりその場を走り去っていった。そんな谷村の背中を、不思議そうに見つめるカウボーイハットを被った女性。
カウボーイハットを被った女性
「あ?行っちゃった」
校長室に一本の電話がなる。
校長
「…はい」
受話器をとり電話に出る校長。表情の雲行きがどんどんと怪しくなっていく…。
校長
「…分かった。今すぐ全隊員に伝える」
翌朝、寮から学校へと登校してくる生徒達。その中に、谷村と門崎の二人がいた。谷村は、前を歩く門崎を見つめながら昨日の事を思い返す。
谷村
(あいつ、今何考えてんだろ〜な〜。それにしても、昨日の事…嫌でも思い出しちまう)
谷村は、その事を思い出したくないのか頭を左右にふる。
谷村
(ええい!今は忘れろそんな事)
そう自分に言い聞かせた後、教室へと向かった。教室に着き、椅子に座る。徐々に教室内に生徒達が集まり始めた。そして数分後全員が着席をしながら担任を待っていた。そこへ、扉がガラガラと開く。担任の畠山が入ってきた。しかしいつもとは何か様子が違う。おかしい…畠山の表情が固い。そして次の瞬間、聞いた事もない畏まった声でこちらへと言葉を飛ばした。
畠山
「…全隊員に継ぐ」
生徒達
「…っ!」
谷村
(た、隊員?)
畠山
「只今、こちらにある情報が入った。それは人狩りに関すると言う事だけ伝えておく、以上だ」
たったこれだけの情報を伝えられ混乱する生徒一同、一体何があったと言うのか。
畠山
「隊員達は、速やかに外へ向かいその場にいる者の指示に従う事!いいか!」
生徒達
「…っ!」
谷村
「ちょ、せ、、先生流石に冗談きつ…」
畠山
「谷村守、今は発言を控えろ」
谷村
「…っ!」
やはり、いつもとは違う畠山の対応に驚く谷村。
谷村
(何なんだよ…一体)
畠山の指示にしたがい生徒達は廊下へと出始める。
谷村
「ハァ〜ったく、どうしちゃったんだよ先生」
早川
「仕方ないでしょ、きっと…何か重大な事件が起こったのよ」
門崎
「ふっ…とにかく、何かあった事には違いない」
廊下で話していた三人の元へ、天月と柄沢がやってきた。
天月
「あ、いた!谷村君、門崎君、早川さん!」
呼ばれた三人は、天月の方を振り向く。
門崎
「ん?」
谷村
「…っ!天月先輩」
天月
「お疲れ様、ちょうど貴方達を探していたところなのよ」
谷村
「え、俺達をですか?」
天月
「えぇ、貴方達三人に頼みたい事があってね」
早川
「頼みたい事…ですか?」
柄沢
「あぁ」
二人は、そこから何も言わずに正面玄関へと向かう。後ろから着いていく三人は、天月や柄沢に何か不信感を抱き始めていた。
谷村
(他の奴らとは違う頼みってなんだ?…てか朝から色々ありすぎて頭がこんがらがってきやがった)
正面玄関に着き外に出ると、三人の目の前には何台もの軍用車が待機していた。
門崎
「これは、本物の」
天月
「そう、流石は門崎君ね。その通りよ、これは特別部隊が使用する軍用車」
谷村
「でも、こんな大層な物がなんでこんな所に?」
すると、谷村達は何か気になったのか辺りを確認し出した。そこに一つの疑問点が生まれる。それは、自分達以外の生徒達は自分達とは違い警察車の方に乗っている事だった。
谷村
「あの…一体何故俺らはあっちじゃなくて、こっちの車に乗るんですか?」
柄沢
「…言ったろ?君達三人には頼みたい事があるって、今回君達は他の生徒達とは別行動を取ってもらうよ」
谷村&門崎&早川
「…っ」
天月
「取り敢えず、説明は乗ってからにさせてくれるかしら?」
谷村達は、一刻も早くこの状況を知る為、軍用車の二台に乗り込む。全員が乗ると、車のエンジンが掛かり発進した。ガタガタと揺れる車両内で天月と柄沢から今回起きた内容を聞かされた。
天月
「…いい?今私達が向かっているのは、一つの戦地とも言っていい「白童一族の第四基地」よ」
谷村
「…っ!!は、白童一族って…あの…」
柄沢
「そうだ、あの4大貴族の一柱を担う殺しの一族だ」
門崎
「先程言っていた、その「第四基地」とは」
天月
「第四基地は白童一族が所有する四つある軍事基地内の一つ」
谷村
「軍事基地が領土にあるんですか!?」
天月
「えぇ。白童一族は、元から城を四つ所有している。その中に基地があるのではと、我々の中で仮定された。それが今回ビンゴだったってわけね」
門崎
「それで、その基地に何があるんですか?」
天月
「それは着いてから説明するわ」
門崎
「…了解しました」
谷村
「でも、どうして俺ら見たいな使いっぱが行かされてるんですか?」
早川
「確かに、私達じゃなくても警察が対処すれば」
天月&柄沢
「…」
谷村と早川の質問に、天月は重い表情から苦笑いをする。
天月
「実は、この抗争…5日前に行われていたのだけれど…たった数日で関東の警察が殆どやられてしまって、今人手が足りない状況なの。使える物は何でも使う。警察が足りないのなら、その飼い犬である私達が出る…格差故の流れね」
天月からでた言葉に、三人は不安感を抱く。
早川
「そんな…私達まだ訓練兵の中でも、見習いの様な物なのに…」
門崎
「ですが、何故関東全域の警察だけでなく、特殊部隊も混じっていてこれほどまで押されているんですか?」
門崎の質問に天月は、全員から顔を逸らすように右斜め上を見た。
天月
「みくびり過ぎていたのかもね…人狩りを」
門崎&早川
「あ…」
谷村
「…」
谷村はその場で俯き、瞳を少し薄くさせた。




