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訓練校3

谷村

(ウッヒョォォォ!!)


淑女を見て興奮状態MAXの谷村。

無理もない、男は全員美人には弱いのだ。


早川

(はぁ〜あいつ)


そんな谷村を見て早川は呆れた。いつの間に早川が谷村を見る様になったかと言うと、この数ヶ月間の間で、谷村が早川にしつこく話しかけていたからである。


畠山

「みんなに紹介する。この人守り育成場で最上級生…つまり三年生の二人「天月(あまつき) 静波(しずな)さんと柄沢(からさわ) 勇猛(ゆうもう)君です」

柄沢

「ご紹介に預かりました、三年の柄沢勇猛です。よろしくお願いします」

天月

「同じく、三年の天月静波と言います。よろしくお願い致します」


二人の美貌と男らしさにメロメロの生徒達。


畠山

「この二人は、この育成場で一番実力のあるエリートクラスにいるんだぞ」

生徒達

「へぇ!?」

畠山

「それも、その中で一番の成績だ」

門崎

「…っ!!」

早川

「…っ!う、嘘…」

生徒達

「凄い!!」

谷村

「…っ」


生徒達が驚くのも無理はない。何せ、この学校のエリートクラスとはこの育成場内でも限られた者しか行く事のできないトップクラスだ。そこにいけば、人守りの上官として栄誉を確実に約束される。生徒達からしたら、夢の様で最も憧れる存在だ。その中でも、一番と言われる二人なのだから、騒がれるのも無理はない。


生徒達

「この学校で一番凄い二人…」

「しかももれなく美男美女だし…」

畠山

「自己紹介も済んだところで、何か二人に質問がある人はいるかな?」

谷村

「はい!!!」


速攻で手を上げる谷村。

畠山は、その勢いに押された。


畠山

「は、はい、、谷村君」

谷村

「天月先輩は、彼氏とかいますか!?」

天月

「へぇっ!?」

柄沢

「…お?」

期待を寄せる男子達

(…ゴクリ)

門崎

(はぁ…)


そんな谷村の質問にくだらんと言わんばかりにため息をつく門崎。


早川

(ハァ〜まったく…あんなに綺麗な人なんだから、いるに決まって)

天月

「んん…いないよ」


天月は、優しく微笑みながら質問に対する答えを返した。


谷村&早川

「えぇ!?」(えぇ!?)

男子達

「ウォォォ!!」


天月の答えを聞いて興奮状態MAXに到達する男子達。


谷村

「自己紹介が遅れました、このクラスで1番の成績を誇る谷村 守と言います。"以後"絶対にお見知り置きを!」


谷村の自己紹介で教室内に笑いが生まれた。


柄沢

「…うん」


柄沢は、何を思ったのか一人頷き微笑んだ。


畠山

「はいはい、静かに」

谷村

「あ、けど先生僕まだ天月先輩に伝えきれてない」

畠山

「こんどね」

谷村

「え〜」

天月

「あはは…」

畠山

「えぇ、本題に移ります。今日は、特別に天月さんと柄沢さんに実践訓練を順々に教えてもらいます。実践訓練は、銃の持ち方や撃ち方、戦場での立ち回りなどありとあらゆる事を学びます。良いですね?」

生徒達

「はい」


その後、教室を出た一行は全員グラウンドへと向かう。その際、上級生(二年生)と合流した。


上級生

「お、やぁやぁ青少年達!今日も一日ご苦労さん」

谷村

「ども」


谷村達と合流したのち、天月と柄沢の存在を確認した。


上級生

「…あっ…天月さんに柄沢さん」


一年生と二年生で列をなしグラウンドへと向かう。


谷村

「あの…」

上級生

「なんだい?」

谷村

「天月先輩って、本当に彼氏いないんですかね?」

上級生

「え?君知らないの?」

谷村

「何をですか?」

上級生

「確かに、我が校のマドンナ天月先輩は彼氏いないって自覚はしてると思うけど。実はね、もう付き合ってるみたいなもんなんだよね…隣にいる柄沢先輩と」

谷村

「えぇ!?」

上級生

「あら、本当に知らなかったんだ。この学校じゃもっぱらの噂なんだけどな〜」

谷村

「なんだ…そうだったのか…」


顔を俯かせ脱力する谷村の姿は、明らかに残念がっている様子だ。


上級生

「二人とも気づいてないだけで、お互い相思相愛なのに。デート姿だって何回目撃した事か!もう付き合ってる様なもんでしょあれ」

谷村

「じゃあ、二人とも言葉にはしていないだけで好き同士なんですね」

上級生

「そそ、まぁそんな落ち込むな少年!君には君の恋があるさ」

谷村

「…そうですかね〜」

上級生

「あぁ!」


そうこうしているうちに、グラウンドへと着く。着いた途端に、恒例の体操と準備運動を始める一向。それが終わると、広々とした室内に案内された。


谷村

「おわ〜ひれぇ〜」

柄沢

「ここは、いわば体育館みたいな物だね」

谷村

「へぇ〜」

天月

「それじゃあ今から、ここで射撃訓練を行ってもらいます」

生徒達

「はい!」

天月

「まず、今回使用する銃は、M1911です。これは、1985年までアメリカ軍が正式な拳銃として扱い、皆さんご存知の通り第一次世界大戦や第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争と言った数々の戦争で扱われてきた銃です。型は少し古いですが、現代でも十分な威力を発揮できる銃になっています」


天月は、その銃を両手で持ち構える。そして、目の前にある数字のついたマネキンめがけて発砲した。


バン!!


生徒達

(…っ!!)


見事、マネキンの頭を一発で仕留めた。


天月

「今、私が行なった様に、両肩を伸ばし、右手で重心を支え左手で持ち手に当てる。そして、人差し指のみを引き金に添える。簡単に言うと、動作はこれだけです。さぁ、皆さん実際にやってみてください」


天月の合図で全員が射撃を始める。

その中で、天月らが焦点をあてた人物が三名。


天月

「ん…」


続いて、フォームの訓練。


柄沢

「射撃に必要なポージングやフォームについて実際に行ってもらいます。ポージング(ポジション)やフォームは基本的に4つありますね、皆さは既に勉強していると思います」

谷村

「はい、確か…一つはニーリング(膝撃ち)次にツーニー(両膝撃ち)そしてニーリングポジション(脛打ち)最後にプローン(伏せ撃ち)ですよね」

柄沢

「素晴らしい、その通りです。この他にも、沢山の種類がありますが、今回はあくまでも、ハンドガンのみの練習となる為、この四つに絞らせてもらいます。それでは、実際にやっていきましょう」


柄沢が一つ一つの動作を始め、それを見習いついていく生徒達。


柄沢

「良いですよ〜、皆さん素晴らしい…」


ここでも柄沢達は、ある三名に目をつけていた。


柄沢

「ん…」

(やはり…)


そして、数々の実践練習を積んだ後、最後の種目「擬似任務」がやってきた。


天月

「それでは、今から三名ずつチームを組みこの建物内にあるUSBメモリーを取ってきてもらいます」

柄沢

「建物内には、いくつかのトラップやフィジカルが試される難所が存在します」

天月

「仲間と助け合いながら、無事に任務を達成してください、良いですね」

生徒達

「…はい!」


なれない緊張感が漂い始める。


天月

「それでは、今から三名ずつ呼んでいきます。まず第1ペア!「門崎司・早川加奈芽・谷村守」以上三名は場内へ」

門崎&早川

「…っ」

谷村

「へ…」

生徒達

「マジかよ…」「門崎君と早川さんはまだペアとして分かるけど…谷村って」


三人は、気乗りしないまま場内へと入る。


早川

(門崎君とペアになれたのは嬉しかったけど…なんでこいつと)

谷村

「やったね!加奈芽ちゃん!」

早川

「気安く下の名で呼ぶな!」

門崎

「…うるさいぞ二人とも、今は唯任務に集中しろ」

谷村

「…っ」


門崎に対し、谷村はつめ始める。


谷村

「なんだと!俺は、お前と組まされてるだけでも虫唾が走ってるんだぞ!」

門崎

「奇遇だな…」

谷村

「…なっ!」

門崎

「寮だけもむず痒いのに、ペアでもお前とか…」

谷村

「まだ正式になったわけじゃねーだろ!」

門崎

「当たり前だ、お前と正式にチームを組むなど死んでもお断りだ」

谷村

「…なっ…このやろう…」

早川

「はいはい、喧嘩しない」


三人は、場内に進みありとあらゆる難所を突破していく。その中で、谷村は足を引っ張る行動をとるが、それでも門崎と早川を見ては闘争心を露わにしなんとか必死に食らいつく。


数十分後、三人はなんとか目標であるUSBメモリーを入手できた。


谷村

「マジかよ」

門崎

「ハァ…ハァ…お前とペアを組んでまさかここまで来れるとはな」

谷村

「なんだと!?」

門崎

「ふっ…」

谷村

「あ!お前今鼻で笑いやがったなぁ!」

早川

「こら!ここまで来て喧嘩しない!もう」


門崎と谷村の間に割って入り喧嘩を止める早川。そして、三人は出口から現れた。


天月

「お疲れ様」

三人

「お疲れ様です」

柄沢

「うん、君達は申し分ないね」

門崎&谷村

「そんな事…「いや〜それほどでも〜」

「お前!」「なんだよ」

早川

「だからすぐそうやって喧嘩しない!」

門崎&谷村

「…チッ」


睨み合う二人を見て、ため息をつく早川。そんな三人を真剣な表情で見る天月と柄沢。

数時間後、全員の疑似任務が終了した。


天月

「これで、以上になります。お疲れ様でした」

生徒達

「お疲れ様でした!」


生徒達は、天月と柄沢に背を向けて雑談をしながら教室へと向かっていった。




その夜の事…校長室にて、天月と柄沢、そして畠山の姿があった。



校長

「それで、どうだったかね」

天月

「はい、既に即戦力とも言える物が約三名程います」

校長

「ほぉ〜それは」

天月

「まず一人目に、谷村守…彼は抜群の身体能力と果てしない闘争心を持ち合わせています。実践の光景を目にしても、即時の対応が可能かと」

校長

「なるほど…」

天月

「続いて、早川加奈芽…彼女は、なんと言ってもその医療技術。訓練時でも、谷村守に対し、即決な治療判断と完璧な医療対応を見せました。彼女はかなり医療に対する知識に長けています。もしかすれば、何処かで習っていたのかも知れません」

校長

「ふむ…」

天月

「そして最後に…」


ここで、柄沢が割って入った。


柄沢

「最後は私が」

天月

「あっ…」


柄沢は、天月に対して頷き相槌をうつ。


柄沢

「最後に、門崎司…彼の判断能力とずば抜けた洞察力、そしてこの学校でも稀に見る射撃能力の高さ」

校長

「…っ」


今まで冷静な反応を見せてきた校長が、肩を動かし興味を示した。


柄沢

「私は、彼にある疑問を抱いています」

校長

「と、言うと…?」

柄沢

「彼は、これが初めてじゃない」

校長

「…っ」

柄沢

「彼の動きを見て気付きました。彼は、既に何処かで実戦を積んでいる」

畠山

「…っ」


柄沢の言葉に驚く畠山。

柄沢は、畠山の方を向いた。


柄沢

「畠山先生、彼からその様な情報は聞いていませんか?」

畠山

「いえ…何も」

柄沢

「そうですか」

畠山

「ですが、私も気になります。彼に直接聞いてみましょう」

柄沢

「お願い致します」


柄沢は、畠山に一礼をした。


校長

「それで、他に目星をつけている生徒はいませんか?」


校長がそう質問をすると、先程とは違った空気が流れる。


天月

「…特におりません。今名をあげた三名以外は、ほぼ無能に近いと言えます。何処をとっても人並み以下、役目としてはおとりくらいでしょう」

柄沢

「私も同じ意見です」

天月

「谷村守、早川加奈芽、門崎司…以上三名以外は、全て見捨ててもらって構いません」

校長

「…そうですか、分かりました」


暗く、重い空気が校長室に流れる。




場面は移り、夜、7番の寮。

扉の前には、畠山が立っていた。


コンコン…(扉のノック音)


門崎

「はい、どうぞ」


起きていた門崎は、畠山を中へと入れる。

電気がついておらず暗い部屋、灯りは開いたドアからの廊下の明かりのみだ。ベットに座る門崎、畠山は門崎のところに行き、門崎と同じ目線にいたる為座る。


畠山

「門崎君、ちょっといいかな」

門崎

「はい」

畠山

「君に、色々と聞きたいことがあってね…」


畠山の表情を見て何かを察した門崎。


畠山

「ここじゃなんだから、別室へ行こうか」


畠山がそう言うと、門崎は少し体を起こす様に反応し、右ベットで包まりながら寝ていた谷村を見た。


門崎

「ここで大丈夫ですよ」

畠山

「しかし…」

門崎

「そいつなら爆睡してるんで、当分起きませんよ」

畠山

「分かった…君が良いと言うなら。それじゃあ本題に入ろう」

門崎

「はい」

畠山

「君は、この育成場に来る前…実際に戦いを経験してるね」


畠山の質問に耳を傾ける谷村。


門崎

「…」


門崎は、しばらくした後返事を返した。


門崎

「はい…」

谷村

(…っ!)


まさかの門崎の答えにベット内で驚く谷村。


畠山

「…そうか。じゃあ…人を実際に撃ったことは…?」

門崎

「あります、何度も」

谷村

(…っ!!)


門崎が発した言葉は、谷村を更に驚かせた。




        「訓練校」 END

いつの日かの昼休み、そこには天月や柄沢が男子女子に分かれなにやら楽しそうに話していた。



女子達

「いえ〜い!」

男子達

「卍!!」


カシャ!


ポーズをつけ、スマホで写真を撮る女子達に男子達。その光景は、とても学生らしい。


天月

「みんな、楽しそうね」

柄沢

「あぁ、俺らにもあったよな、ああいう時期」

天月

「えぇ?wあったっけ?」

柄沢

「静波が覚えてないだけだよ」

天月

「そうかな〜」


並んでその光景を見ていた二人のところに、男子女子達が集まりだし、二人を取り囲む。


早川

「天月先輩!私達と一緒に写真撮りましょう!!」

天月

「へぇ!?」

谷村

「柄沢先輩!俺らと写真撮りましょうよ!」

柄沢

「お、おい待て」


二人は、こう言った誘いに慣れていないのか、よそよそしい態度を見せる。


早川

「はい、天月先輩、チーズ!」

天月

「え、えっと…こ、こう?」


天月は、自信のないピースを見せる。


早川

「そうそう!」

山中

「先輩バリカワ〜!!」

天月

「ん…//」


天月は、緊張で体が固まった。


早川

「じゃあ撮るよ〜」

女子達

「は〜い!」

早川

「はい、チーズ!!」


カシャ!


撮った写真には、慣れない笑顔とピースをした天月が写っていた。この写真を見た女子達全員が思った。


女子達

(いや…天月先輩美人過ぎて、私ら霞んでね?)


一方、男子達は。


谷村

「行きますよ!柄沢先輩、はいチーズ!」

柄沢

「…//」


こちらも緊張で固まっていた様だ。

撮れた写真は、とても良い雰囲気に見える。


きっと、柄沢や天月にとってこの光景と経験はとても嬉しい事には違いない。



-----

第1話が終了になります。

ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます!

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