脅威2
場面は移りそこは超高層ビルの上。
壁には金色の輪っかの中に天と刻まれている。
そこは紛れもなく天心一族の所有する物だと一目で分かった。
ビルの最高階には東京都を一望できるほどの巨大な窓ガラスがありその景色を見ていた天心に背後には負・葊の姿があった。
天心
「何故財務省の倅を襲った」
負・葊
「襲ったのはエヴァンです」
天心
「裏でお前が関わっているのは分かってるんだぞ」
負・葊
「嫌だな〜財務省を狙う愚策なんて考えませんよ俺」
天心
「貴様、俺をバカだと思ってるのか?」
負・葊
「いいえとんでもない。
今回の騒動は白童エヴァンが"勝手に"やったこと」
天心
「…っ」
負・葊の発言に興味を持ち始める天心。
負・葊
「ましてや倅を殺したともなれば、白童一族の資金源はまぁ苦労することになるでしょうね。
となると…」
天心
「ふふふ…」
何かを察した天心。
負・葊
「ありゃまぁ、衰退しちゃうって感じです。
なので白童一族には我々(他3大貴族)からの
手厚い支援が必要かなと思います」
負・葊の口元だけが映る。
負・葊
「どうしますかねぇ?」
天心は分かりきった答えに笑みが止まらない。
天心
(このまま行けばカイは俺のものになる…)
窓越しに映る天心の表情を見てニヤける負・葊。
「うぁぁあ!!!」
霊安室に響き渡る嘆きの声。
「大久保様…」
大久保…と言うことは財務省のトップと言うことになる。
大久保
「私の、私の子が…何故だ!!」
自身の子の亡骸に顔を埋める大久保。
我が子を失う光景に周囲にいた人間は心を締め付けられるように感じていた。
コンコン…ガチャ…(扉を開ける音)
入ってきたのはスーツ姿の男である。
小型のマイクや懐が膨らんでいるところを見るとSPらしき人物だとわかる。
SPは大久保の元へと近づきなにやら耳打ちをしている。
SP
「この件に4大貴族が関わっているとの情報を掴みました」
その言葉に大久保は目を見開きながら顔を上げる。
大久保
「なんだと…」
しばらくすると病院の入口から大久保が出てきた。
そんな大久保の元へ意外な人物が顔を出す。
負・葊
「ども〜大久保さん」
手のひらを見せ陽気に現れたのは負・葊である。
大久保
「負・葊…貴様か!」
大久保は怒りに任せ負・葊に近寄る。
負・葊
「やめてくださいよ」
負・葊は両手を上げ敵意がないことを表す。
大久保
「とぼけても無駄だ、4大貴族がやったと言う情報は掴んでいるんだぞ!!」
大久保は人差し指に力を入れ負・葊へ向ける。
負・葊
「大久保さん…あんた、財務省のトップになるために俺がどんだけ力を貸してやったかお忘れで?」
大久保
「…っ」
返す言葉がないと言うことは、事実であると言うこと。
負・葊
「それに」
負・葊は今までの陽気な雰囲気を変え真顔になる。
負・葊
「俺とあんたにはしっかり信頼関係があるもんだとは思っている。だから4大貴族の情報提供もしたんですよ」
大久保
「なんだと」
あのSPは負・葊一族の差金であると読み取れる。
負・葊
「数ミリのズレもなく相手を撃ち殺す技術からしてしてもうお分かりでしょ、誰の仕業なのか」
大久保
「白童一族か…」
負・葊
「ご名答」
大久保
「だが何故」
負・葊
「さぁねぇ、気まぐれによるものかはたまた」
負・葊が大久保の耳元に顔を近づけ囁く。
負・葊
「意図的か…」
大久保
「…っ!?」
大久保の拳に力が入る。
負・葊
「俺は後者だと思ってますよ、貴方もですよね大久保さん」
大久保の表情からは殺意が滲み出ている。
大久保
「白童エヴァン…」
負・葊
「それでは後の判断は貴方に委ねます。
くれぐれもお互い良い方向に行く事を願ってますね」
負・葊は大久保から離れ車に乗り込む。
ノイズ
「大久保様は動きますかね」
負・葊
「間違いないでしょ、過去に財務省のトップを白童一族に依頼して暗殺した事は口封じしたいだろうし。まぁ助言したのは俺なんですけどw」
負・葊は笑いながら自身に指をさす。
負・葊
「行こっか」
ノイズ
「はい」
場面は白童一族の豪邸へ。
白童
「それは本当なのか」
ジィ
「はい、我々の財産差し押さえに加え、国内金融機関に対して一族名義口座の取引停止措置が出されたとのことです」
カイ
「他一族から…特に負・葊様からの補足はなかったのですか」
ジィ
「このご様子では無しと判断して良いかと」
しばし沈黙が訪れる。
白童
「全員ここから出ていってくれないか」
白童以外の人物達
「…っ」
白童
「しばらく一人にして欲しい」
ジィ
「承知いたしました」
ジィやカイは白童の部屋を後にする。
ジィ
「見事にはめられましたね」
カイ
「…っ」
ジィ
「それでは」
ジィはカイを背にさっていく。
カイは俯きながら歩きしばらくして壁に手を添えそのまま壁へもたれかかる。
カイ
(どうしていつも、エヴァン様だけが…。
まだ幼いというのに…)
カイの脳裏に浮かぶ情景。
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そこに見えるのは燃え盛る炎に包まれる家。
白童
「うぁぁ!!」
その光景を泣き崩れながら見ていた白童。
白童
「お父様!お母様!」
無駄とも言える救いの手を炎に包まれている家へと差し伸べる。
カイは白童に近づき優しく抱きしめる。
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カイ
(私が…私が守らないと)
カイの瞳が震えながらも紅く輝く。
場面は変わりそこは神玉一族の豪邸。
???
「どうかお考え直しくださいませ」
神玉
「モルネ、この私に口答えするつもりか?」
コードネームを667(モルネ)と呼ばれる男は、屈強な体つきに勇ましさが顔つきに現れている。
モルネ
「失言であることは承知の上です、とはいえ彼らを出すには慎重にならねばなりません」
神玉
「いいから5英団を出せと言っているのだ!」
モルネ
「…っ」
神玉の怒号と険相を見てモルネは圧倒される。
モルネ
「承知いたしました…」
モルネは神玉に背を向けさっていく。
神玉
(人守りどもめ…根絶やしにしてくれる!!)




