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邪宗教3

一方、まだ基地内部を探索していた四人。


門崎

「空洞プログラムはどこだ」

谷村

「広くてわかんねー」

白石

(いやそうじゃない…)


何かこの建物内には違和感がある。


白石

「止まれ」


白石の指示で立ち止まる3人。


谷村

「どうしたんっすか?」

白石

「やっぱりか」


白石は近くの壁に近づき触れる。


白石

「俺達は同じ道をひたすら回らされていたようだな」

谷村達

「…っ」

白石

「それにこの壁、おそらく背景を変えられる何かで出来てるみたいだ」

門崎

「それってまさか」

白石

「あぁ、ホログラムだ」

谷村

「ひぁ〜マジかよ。全然気づかなかった」

白石

「あらかじめここに傷を掘って置いた甲斐があった」

谷村

「いつのまに」

白石

「だがそれも上手いこと見えないようにされている。大分高度な技術だな」

谷村

「でもここから一本道しかないですけど

とはいえここを通ればループしてしまう。

どうしますかね」

白石

「考えがある。ついてこい」


白石に続く3人。


白石は壁を頼りに歩みを進める。


すると白石は先ほどまで見えなかった通路の存在に気づいた。


白石

「あったぞ」

門崎

「おぉ…」

谷村

「さっすが先輩!」

早川

「…っ」


早川の手に痺れが発症し始めていた。


白石

「行くぞ!」

谷村

「うっす!」


進み続ける四人、しかし奥に行くにつれ不穏な雰囲気が漂い始める。


それは道中にある物が関係していた。


早川

「なんなのよこれ…趣味悪すぎでしょ」

谷村

「ひっでぇ」


谷村達が見ていた物は、壁一面に地獄や人間をひたすら拷問する絵画のようなものが貼られていたのだ。


場面は移り負・葊の豪邸へ。


ノイズ

「負・葊様、お電話です」

負・葊

「はいは〜い、誰から?」

ノイズ

「ジン様からです」

負・葊

「お〜ジンくんか!」


スマホを負・葊に手渡すノイズ。


負・葊

「もしもし?」

ジン

「悪いがやつらをあんたの基地に入れちまった」

負・葊

「ふ〜ん、あらそうなの」

ジン

「報酬は減るんだよな」

負・葊

「まぁそれは仕方ないよねー」

ジン

「チッ!つうか、予定にないやつまで紛れてやがるがなんだあれは」

負・葊

「あ〜彼ね。まぁ〜ほらこの世界さ、予定外な事はつきものじゃん?我慢してよ〜」

ジン

「とにかく、後は知らねーからな」

負・葊

「はーい、ご苦労様〜」


ピーピーピー♪(通話が切れる音)


ノイズ

「第四基地に潜入されてしまったみたいですが大丈夫でしょうか」

負・葊

「え〜?あぁ大丈夫じゃない?ほらだってあそこはもう俺のもんってより"あの人達"が管理してるしさ。それより〜ハァ〜なーんか甘いもん食いたいなー」

ノイズ

「ハァ…」


ため息をつくノイズ。



場面は移り再び谷村達へ。


白石

「…っ」


白石はとある一文が目に入る。


【人の救いは殺しにあり】


白石

(なんだこれは…)


門崎達も他の一文が目に入る。


【偉大なる殺神(さつじん)様が人を殺せと命じた】


【世を正すのは人殺しにあり】


【人を殺め魂の犠牲を募れば天国への門が開かれり】


早川

「なによこのイカれた一言一言は」

谷村

「明らかにぶっ飛んだ集団だな」

門崎

「いや…これは一種の"宗教"だな」

谷村

「宗教だって?」

白石

「門崎の言う通り。これは宗教の類だ」


前へと進んでいく白石達。


早川

「あの」

白石

「ん?」

早川

「ここにくる前、他の部隊とも現地で合流との連絡があったんですが何故白石さんだけが?」

白石

「他に部隊が来ないのは、こちらの動きを負・葊に先読みされていたからだと思う。

だからこそバラバラにならざるを得なかったのかもな。と言うことで、ここに人守りや特殊部隊の応援が来ることはないぞ」

谷村&早川

「そんな〜」「またですか…」


分かりやすくテンションが下がる二人。


そんな白石達の前に開けた空間の明かりが見えてくる。


白石

「辿り着いたみたいだな」


白石達は明かりの先へと足を踏み入れた。


門崎

「ここが負・葊一族の所有する空洞プログラム空間か」


そこは白童一族が所持する空洞プログラムと形状(ドーム型)は一緒だが内部は水色に照らされつつ様々なコードがまるで泳ぐように壁や頭上を流れていく。


谷村

「なんじゃこりゃ」

早川

「見てるだけで吐きそう…」

谷村

「大丈夫か?」

早川

「えぇ」

谷村

「…っ」


谷村が早川の顔色を見た後少し違和感を覚えた。


全員が魅入っていたその時…何処からともなく低音のお経のような声が聞こえてきた。


『殺神様、人道救済』


『命を浄め、魂を還す』


『罪を刈り、血を捧げる』


『御身の刃は、救済の光』


『殺神様、人道救済』


早川

「な、なに?」

白石

「…っ」

門崎

「あ…」

谷村

「なんだ…」


四人は人数を活かし背を庇いつつ四方向に注意を払う。


すると白石の目線にある暗闇の入り口から…


シャリン〜♪シャリン〜♪


と鈴の音を鳴らしながら何かが向かってくる。


白石はその未知なる存在に眉を顰める。


その存在は明かりに照らされその姿を現した。


そこにいたのは、先頭の僧侶の格好をした物を中心に周りはお遍路の様な格好をしている。

顔は全員 菅笠(すげがさ)、竹笠(たけがさ)のような物を深く被っており顔がはっきり見えない。

特徴的なのは、全員の服が白と紫で統一されていることと数珠を持っていて先頭は鋭く尖った金の錫杖(しゃくじょう)に他は先端が半月の様に鋭く尖った棒を持っていた。


谷村

「門崎が言った通りこいつら宗教のやつらだな!」

門崎

「あぁ、だが見たところ一般的な宗教団体とは違いそうだな」

早川

「明らかに"邪宗教"よね」


早川の言葉に反応する様に錫杖を一度だけ強く地面に打ち付ける。


僧侶らしき男

「我々は人を殺す事で、偉大なる"殺神様"へ尊き命を捧げ皆が天国へと行くため日々崇め奉る"浄命会(じょうめいかい)"の者である。

断じて邪神を崇める宗教団体ではない」

早川

「そう言うのを世間一般では邪宗教っていうのよ」

谷村

「たく、負・葊ってのはこういうイカれたやつしか雇ってないのか」


門崎はガイドブックを巡り浄命会の名を探る。


門崎

「あったぞ!浄命会、負・葊一族に雇われている

宗教団体である。目的は主に殺人であり宗教の名を借りて人狩りをする凶悪な集団である…だとさ」

谷村

「おっかねーやつら」

門崎

「使用武器などは…見てわかる通りですね。

犯罪ランクは組織全体でA」

白石

「つまり、全員が凶悪犯と捉えていいという事だな」

門崎

「みたいですね」


門崎はガイドブックを閉じる。


相手のお遍路達が四人を囲む形で、円を作り回り始める。


谷村

「なんだ?」

僧侶らしき男

「今より殺神様に命を捧げん」


そういうと僧侶らしき男が両手を広げる。

次の瞬間眩いほどの光があたりを覆う。

その光にまともに目があてられず瞼を閉じる四人。


谷村

「うっ!」


数秒後パッと目を開けると先ほどまでとは比べ物にならないほどの人数が四方八方で片腕を前に添えお経を唱えている。


異様な光景に目を見開き冷汗をかく。


谷村

「なんだ…これ」

門崎

「ありえない!こんな人数…」

白石

(どういう事だ…)

僧侶らしき男

「さぁ…清めの時間だ」


僧侶らしき男がそういうと周りのお遍路達が一斉にこちらを向き武器を構える。


谷村

「…っ!?おいおい、これじゃあ蜂の巣だ!」

早川

「…っ」

(その例え今はやめてよね)

白石

「散れっ!」


白石の合図で全員が四方へと散らばる。


その道中でナイフを構え切り掛かる!


谷村

「おりゃ!」


スカッ…


谷村

「あれ」


しかしその攻撃は敵をすり抜けてしまった。


谷村

「どういう事だ」


それは他の者達も同様の事象にあっていた。


門崎

「攻撃が…あたらない?」

白石

「あ…あぁ…」


白石ですらこの状況に困惑する。


早川

「どう戦えってのよ」


しかし考えている暇はない!

敵がこちらへと槍を振るってきた。


谷村

「うわっ!」


咄嗟に防御するとカンッ!と音を立てつつ刃こぼれが起こる。


谷村

「え、えぇ?あたった?どういう事だ」


確かな感触が手に伝わってきた。


早川

「谷村ー!危ない!」

谷村

「おわっ!」


後ろからの攻撃を上手くよける。


白石

「くっ!」


白石も谷村同様攻撃をすかしつつ敵の防御を防ぐという奇妙な事態にあっていた。


白石

(なんなんだ一体)


その様子を見ていた門崎がある仮説を立てる。


門崎

「もしかして…白石さん!」

白石

「…っ」


門崎の方へ振り向く白石。


門崎

「銃を使ってみてください!」

白石

「…っ…そうか」


白石は銃を取り出し発砲する。


バン!


その弾は敵をすり抜けさらに後方の敵もすり抜け続ける。


白石

「…っ」

門崎

「やっぱりそうか」


これで門崎の疑問は確信へと至った。


門崎

「突然増えた敵のほとんどは、ホログラムで作り出されている偽物です!」

白石

「まてよ、ということは」

門崎

「はい、おそらくですが攻撃してきているのが実体である可能性が高いです」

谷村

「嘘だろ、そんなのどうやって見分ければ…」

早川

「くぅ…」


早川は震える手を隠すためポケットへ手を入れる。


僧侶らしき男

「おぉ…神よ、この者達に救いを。

殺神様、人道救済」

お遍路達

「殺神様、人道救済 殺神様、人道救済」


僧侶らしき男がお経を唱えると谷村達には目もくれず他の者達が復唱し始める。


谷村

「なんなんだよ気味わりぃな!」

白石

「ん…」

門崎

「チッ」

早川

「ハァ…ハァ…」


空洞プログラム空間に響くお経が谷村達の心をより暗闇へと引き摺り込む。



「邪宗教」END

第6話が終了になります。

ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます!

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