道化師からの刺客2
場面は移り綺麗なレストラン。
そこに二人の男女が豪華な食事にありついていた。
希望の光
「んん〜美味しい!」
白石
「うめー!」
希望の光はスマホを取り出し白石の顔にシャッターをきりその後自分とツーショットを撮る。
そんな時間も束の間だった。
バン!(扉の開く音)
勢いよく開いた扉からスーツ姿の薄水色の髪をした美男子が現れた。
美男子
「大変です!食べてる場合じゃないですよ!
もうすぐそこまで敵の大軍が迫ってきてます!」
美男子を見た二人は一瞬固まる。
その後顔を見合わす二人。
希望の光&白石
「ハムハム!!モグモグ!!ズゥー!!」
美男子
「だからくぅなっつってぇんだろぉ!!」
急いで車を走らせる美男子。
後部座席には二人が不貞腐れて座っている。
希望の光が振り返り状況を確認する。
希望の光
「もう〜お敵さんすぐそこまで来ちゃってるじゃーん。何してんの?」
白石
「仕事しろよな」
美男子
「あんたらがギリギリまで食うからだろうが」
白石
「んで、アイツらなに?」
美男子
「分かりません。ですが何故か我々の情報を掴んでいるみたいで。仲間が射殺されました」
希望の光
「ふ〜ん」
美男子
「ですがご安心を!この車は特製の防弾仕様ですしスピードもそこらのスポーツカーに引けをとりませんから。そう簡単に追いつかれることはありません!(もう少し出るのが早ければとっくに撒けてたんですけどね)」
希望の光
「ねぇ」
美男子
「はい!」
希望の光
「チョコ食べる?」
美男子
「え…」
後ろからは敵車両が10台ほど追ってきている。
この状況にも関わらず希望の光は平常心のようだ。
希望の光
「さっき食べたけどすっごく美味しいよ!
なーくん(无雲)も食べる?」
白石
「いらねーよ、つうかその呼び方もやめろ」
希望の光
「怒ってるんですけど超可愛い〜。
ねぇ、君も食べる?」
そう言いボール型の手のひらに収まるほどのチョコレートを差し出す。
美男子
「あ、あの…一応僕海迓って名前があるんですが…っ」
希望の光
「ん?(^。^)」
悪気のない笑みを浮かべる希望の光。
海迓
「覚える気ないですよね。あの、いただきます」
希望の光
「うんうん、食べな食べな」
海迓がチョコを口に運ぶと信じられない苦さと口にピリピリとした刺激にすぐに吐き出す。
海迓
「ブヘッ!何入ってるんですかそのチョコ!」
希望の光
「え?そんな不味かった?」
希望の光が裏に書いてある材料を確認する。
希望の光
「特段おかしな物入ってないと思うけど…」
白石
「んん?」
白石が袋の表紙を見ると。
白石
「アルコール度数96%のスピリタス入り。
大人向け期間限定チョコだってさ」
海迓
「なんてもの食べさせてるんですか!
僕運転手ですよ!?」
希望の光
「えー大丈夫じゃない?どうせアルコールなんて飛んでるって」
海迓
「もろに来たから吐き出したんです!!」
日常的な車内の会話と後ろから大軍が迫っているというカオスな状況。
希望の光は日常のような会話を続けつつも敵のナンバープレートを確認していた。
希望の光
(やっぱりか)
そして運転手の海迓に指示を出す。
希望の光
「この先を左に曲がってくれるかな」
海迓
「え?はい」
海迓は指示のあった場所でハンドルを切りそのまま道なりに進む。
希望の光
「できるだけ差を開けるためにスピード早めてくれる?」
海迓
「はい!」
指示通りスピードを上げ敵との距離を開けた。
進んでいくとそこは港の船着場であった。
到着すると海のすぐ近くに停車させた。
希望の光
「ここから先は外に一歩も出ないこと…いいね」
そう言うと希望の光は単身で待ち構えた。
海迓
「大丈夫ですかね」
白石
「心配いらないさ…むしろ敵が可哀想だろ」
ガチャ…キチッ!!
とは言いつつも白石は武器の安全確認を行う。
海迓
「…っ」
敵車両が前方で止まりそこから黒スーツを着た男達が数人出てくる。
敵は希望の光の姿を見ると足を車へと戻し始めた。
敵
「どう言うことだ!話と違うぞ」
「たしかガキ3人のはずじゃ…」
希望の光
「どうしたの〜迷子かな〜ん?」
希望の光は挑発的な態度で敵に手を振る。
希望の光
「それとも…」
希望の光の顔がハットに隠れ口角だけが上がってみえた。
希望の光
「負・葊のさしがねかな?」
敵
「なっ!?」
「くそっ!負・葊様の作戦が読まれてただと?」
「今すぐ報告しろ!」
プルルルル〜♪
そこは豪邸、屋敷の中はとても綺麗で物が少ない。一つ扉の奥に進むと大きな窓があり書斎に座っていた男を太陽が照らす。
その男は軽装でまるでやる気が感じられない。
だが不思議なことに常に笑顔だ。
そのすぐ側にもう一人男が立っていた。
その男は身長が高く眼鏡をかけており端正な顔立ちをしている。
男
「なんだ。……そうか、わかった。負・葊様」
そう、書斎に気だるげに座っていた男こそ
現負・葊当主である。
負・葊
「なーにーノイズちゃん」
側近のコードネームは113(ノイズ)と言うらしい。
ノイズ
「どうやら、大軍を差し向けた方がダミーだったようです」
負・葊
「へ〜あっそ」
ノイズ
「指示を送りますか?」
負・葊
「え〜良いよ。だって本命は今頃ぶつかってるだろうし」
ノイズ
「…っ」
場面は移りバックミラーを見ていた谷村へ。
谷村
(なんだ…)
眉を顰めよく目を凝らすと荒々しい運転をしている車が猛スピードで近づいてきた。
谷村
「後方から何か来る!」
早川&門崎
「…っ!?」
二人も谷村の声に反応し瞬時に振り向き状況を確認する。
門崎
「ん…」
荒々しい車はすぐそこまで迫ってきている。
各々銃を手に持ち武装をした。
門崎
「くるぞ!」
車内に乗っている恐らく敵である人物を確認する谷村達。
谷村
「どんな奴らだ!」
門崎が目を凝らして確認する。
敵車両
「もっとスピード上げろよ!」
「おいうるせーぞ!!」
「なんだと!お前から殺すよ!?」
「やってみろよ!!」
「お前ら黙って乗れねーのか!」
運転席にいるのは、黄緑色のセンターパート。
一見好青年だが言動などを見るとそうではないのが分かる。
助手席にいるのは、青髪の片目が隠れるほどの長髪で色白の陰気な雰囲気が纏う少年。
そして後部座席にいるのは、薄オレンジ色の坊ちゃんヘアーをしたこちらも少年のようだ。
車内状況を見て門崎は困惑する。
早川
「門崎どう?」
門崎
「あ、あぁ…なんというか全く統率が取れてなさそうだ」
谷村
「運転を見りゃ分かる!」
早川
「そうだ!ガイドブック!」
早川から門崎へガイドブックが手渡される。
ガイドブックのページを巡り目に映る男達を探す。
門崎
「あった!まず後部座席にいるオレンジ色の髪をしたやつは、名前を"ボト"、性別は男。
薬物中毒者の様な凶暴性があり特殊な返しのついたナイフと釘の銃?を用いた戦闘を得意とするらしい」
谷村
「とんでもねーなそいつ」
門崎
「次に助手席の青色の髪したやつだが、名前を"リク"、性別は男、味方でも容赦なく切り掛かる危険性をもつ。鋭い釘の様な短剣とトンカチを使用した戦闘が得意らしい。
ちなみに二人の犯罪ランクはAのようだ」
谷村
「凶悪犯か…」
犯罪ランクが伝えられた途端一気に緊張が走る。
門崎
「最後に運転手の黄緑色の髪をしたやつだが
名前は"ジン"性別は男で高い身長と長い手足を活かしナタを振るってくるらしい」
早川
「何よそいつ」
門崎
「犯罪ランクは…A〜S」
谷村&早川
「…っ」
この時点で相手全員が凶悪犯と言うことになる。
谷村はスピードを上げるが軽自動車では限界がある。
ついに相手の車が真隣へと来てしまった。
谷村
「ちっ!追いつかれたか!」
凶悪犯達
「へへへへww」
こちらへと不適な笑みを浮かべてくる。
それはこれから殺しを楽しもうとするまさに人狩り特有の顔つきだ。
すると高速にも関わらずボトが後部座席から体を乗り出し車の上へと登り始める。
谷村
「あいつ何考えてやがんだ!」
早川
「嘘でしょ…」
まさにイカれているという言葉その者だ。
ボト
「ヒィへへへへwwオラー!!」
そしてこちらの車の上へとダイブしてきた。
早川
「ひぃ!!」
ボト
「ウヒャー!!」
ガン!(車が叩かれる音)
門崎の頭上から返しが着いたナイフが差し込まれる。
門崎
「…っ!?」
門崎はなんとかかわす。
谷村はその状況を見てハンドルを左右に振ることで敵を振り落とそうとする。
ボト
「グアッ!」
左右に振られることでまともに立っていられなくなったボトはナイフを突き刺し体を安定させる。
そして腰からエアカッターのような物を取り出し車へと固定する。
ボト
「ヒヒ」
不適な笑みを浮かべた後引き金を引いた。
ポスン!ポスン!
音がなり門崎が足を広げて避けると股の間に釘が打ち込まれていた。
門崎
(これが釘の銃か)
その状況を見かねたジンが動く。
ジン
「何やってんだ早く仕留めろ!」
リク
「使えねーな!ハッハッハww」
ボト
「うるせーぞぉ!!お前から殺してやろーか」
ボトは釘の銃をリクに向ける。
ジンはハンドルを横に振り切り谷村の車へと当てる。
谷村
「おわっ!」
ハンドル操作がおぼつかなくなってしまう!
ここで早川は動いた。
早川
「谷村!ハンドガン!」
谷村
「おう!」
早川へハンドガンを手渡す谷村。
ガチャ!
ハンドガンの音を鳴らし敵へ向ける早川!
バンバン!!
発泡すると敵の窓ガラスが割れる。
敵もそれを防ぐように手で顔を庇う。
ジン
「チッ!!」
リク
「あぶねーだろーが!!」
ボト
「フッハハハwwなーにビビってんだよ」
リク
「はぁ…殺すよ!?」
誰が敵か味方か分からなくなる言動に困惑する谷村。
谷村
「むちゃくちゃだなこいつら」
すると谷村は何を思ったのか突然アクセルを踏み込む。
ジン
「…っ!?」
ジンもそれに気づいたのかボトへ言葉を投げる。
ジン
「ボト!戻れ!!」
ボト
「うるせーんだよ!!」
ジン
「前みろバカ!!」
ボト
「…っ」
前を見るとそこには看板があった。
ボト
「…っ!?」
このままでは吹き飛ばされてしまう!
ボトはすぐにナイフを抜き味方の車へと飛び乗った。
リク
「ハッハッハww看板にビビって戻ってきたのか」
ボト
「お前殺す!!」
ボトはリクに向けて釘の銃を撃ち込む。
ポスン!
その釘はエンジン内部に貫通してしまった。
ジン
「おいバカ!何やってんだ」
敵の車は制御不能になりそのまま横転した。
その様子を見た谷村は目の前に見えるトンネルへと姿を消した。
大破した車…他に走っていた車がエンジンを停止し降りてくる。
それは若い女性だった。
若い女性
「あの!大丈夫ですか?」
声をかけると車の扉がガシャんと倒れ中から血を垂れ流したジンが出てきた。
若い女性
「あ、あの…だだ、大丈夫…ですか?」
ジンの凶悪な目つきに腰が抜けそうになる。
ジン
「あれってあんたの車?」
指を刺す方向は自分が降りてきた車だった。
若い女性
「そ、そうですが…」
ジン
「そう」
女性が降りてきた車内には年端も行かない可愛い女の子が乗っていた。
トコトコ…と不穏な足音が聞こえてくる。
リク
「あ?まだ誰か乗ってるよ」
ジン
「あん?」
その小さくか弱い命が凶悪犯達にバレてしまった。
ボト
「なに?ガキじゃん?あぁそうだ良いこと思いついたよ」
嫌な予感しかしない…その予感は的中してしまった。
子供
「お母さん…?」
若い女性
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
トンネルに照らされる灯りの先には二人の親子が目隠しされ縛られていた。
リク
「アッハハww」
ボト
「ジン!ストライク頼むわ!!」
ジン
「俺ボーリングうめーからよ」
ジン達は親子から奪った車のエンジンをふかす。
ブンブン!!
そして…。
ボト
「いっちゃえジーン!!」
ジン
「フフッ」
リク
「ハッハッハww」
ブーン!!(車が走る音)
子供
「お母さん?なーにこれ?」
若い女性
「い、いやー!!せめて子供だけはお願いしまっ」
数分後トンネルから一台の車が抜けてくる。
車内は笑い声に包まれており車の正面は、血と引き裂かれた臓物などがこびりついており目も当てられない状況だった。




