道化師からの刺客
白童一族の空洞プログラムを破壊することができ白童一族の勢力をさらに削ぐことに成功した人守り陣営。
貢献した谷村、門崎、早川の3人には治安維持から前線への指示が下された。
谷村
「俺達も一人前ってことか」
早川
「この前散々な目にあったじゃない!な〜にが一人前よ」
門崎
「早川の言うとおりだ」
谷村
「ちー、お前らつめてー」
早川
「ねぇ、次の派遣先ってどこ?」
門崎
「どうやら負・葊一族の保有する
空洞プログラムが発見されたとのことだ。
俺達は今からこいつでそこへ向かう」
早川
「こいつって?」
門崎に誘導されながら工場のような場所へ着くとそこに2台の車があった。
一つは左にごく一般の軽自動車。
もう一つは右にベンツの高級車である。
それを見て谷村と早川は思った。
谷村&早川
「右だな」「右ね」
門崎
「左だ」
早川
「ていうーか!車で向かうの?」
門崎
「あぁ、かなり遠いらしいし今回他の部隊とは現地で合流するらしいからな」
早川
「誰が運転するわけ?私免許持ってないわよ?」
早川に見られた門崎は顔をそらす。
早川
「あんたもなのね…」
谷村
「フッフッフッ…」
谷村は軽自動車に体を預けながら二人に免許証を見せびらかす。
早川
「ねぇ…不安なの私だけ?」
門崎
「心配するな、俺もだ」
谷村
「さぁ!行くぞお前ら!」
谷村は率先して運転席に行きエンジンをかける。
早川は助手席、門崎は後部座席へと乗り込んだ。
谷村
「発進!!」
谷村が勢いよくアクセルを踏むと車は後方に発進した。
早川
「キャー!!」
谷村は焦ってハンドルを回しあらぬ方向へ走り続ける。
谷村
「わーわーわーわー!」
門崎
「ブレーキ踏めバカ!」
谷村
「あそっか!」
早川
「死ぬぅー!!」
キキー!!(ブレーキ音)
ガン…!
谷村
「フゥ〜間一髪だった」
しかし谷村以外のものは何か違和感を持っていた。
門崎
「なぁ…さっきなんか聞こえなかったか」
早川
「私も聞こえた」
谷村
「ブレーキ音だろ?」
門崎
「いや…それと一緒に鈍い音がしたよ・う・な…」
門崎が振り返るとそこには高級車がありドアが凹んでいた。
早川もサイドミラーでそれを確認する。
門崎&早川
「逃げるぞ」「そうね」
谷村
「なに!何事!?」
門崎
「いいから早く出せ!今なら間に合う」
谷村
「何がだよー!もういいや、今度こそいくぞ!」
谷村はDと書かれたマークまでギアを引き車はやっと前方へと走り出した。
門崎
「なぁ、谷村。言っておくが俺らこれから高速に乗るんだからな」
早川
「えっ…」
振り返り門崎を見る早川の顔から血の気が引く。
谷村
「大丈夫だろ、高速で運転したことねーけど」
その言葉の後車内は一瞬で静まり返った。
窓の外を眺め穏やかな笑みを浮かべる早川。
早川
(以外と早く会えるかもね…私の可愛い妹弟達)
車はそのまま高速道路へと向かっていった。
早川
「モグモグ…(グミを食す音)」
谷村
「俺にも一個くれよ」
早川
「はい」
早川はグミを手に持ったまま谷村の口へと運ぶ。
谷村
「サンキュー」
谷村もそれを口で受け取る。
早川
「門崎もいる?」
門崎
「いや、俺は大丈夫だ」
門崎は下を向きながらスマホをいじっている。
早川
「あんたよく酔わないわね」
車内は至って平常運転であり平和に現地へ向かっている。
谷村がバックミラーを確認する。
谷村
「なぁ」
谷村の言葉に早川と門崎が耳を貸す。
谷村
「今回の負・葊一族って言うのは、授業で習ってたけど実際どうなんだろうな」
門崎
「負・葊一族は、これはあくまで俺個人の見解でしかないが4大貴族の中でも一番危険だと思う」
谷村
「えぇ?俺的にはあのカイとか言う化け物がいる白童一族だと思ってたけど」
門崎
「白童一族も確かにカイだけを見れば非常に危険だ。だが、人狩りの人員として直接的な危険はさほどない」
早川
「確かに、白童一族が雇ってる人狩りって少ないらしいよね」
門崎
「やつらはあくまで、人狩りとしての殺し専門だからじゃないか。人を使うより本人達が動く方が合理的なんだろう」
早川
「なるほどね」
門崎
「だが負・葊はその逆だ。やつらは言葉巧みに人を操れば自分達の手は汚さずこちらに凶悪な敵を差し向けてくる。現に負・葊一族が抱えている人狩りの中には異常な凶悪犯が多いことでも有名だ。ガイドブックにもそう書いてある。
そして一番厄介なことに…負・葊一族の現当主は、切れ者としても知られている」
谷村
「頭良いってことか?」
門崎
「負・葊一族は、下の名を持たない一族だ。
幼い頃に己の心を殺し人を殺めるためには躊躇をしなくなる。そう、俺らが非常識として捉えている人殺しをやつはまるで常識のように平気でやる。だからこそ俺らみたいな普通の人間じゃ思いつかない思考を繰り広げてくる」
谷村
「それって天才とかよりも厄介なんじゃ」
門崎
「その通りだ。噂では、関西の天才と言われた男が負・葊と頭脳戦をした結果、惨敗したらしい」
谷村
「や、ヤバすぎだろ…」
早川
「そんなやつのところに行くの?」
門崎
「あぁ」
谷村
「なんか嫌な予感するな…」
谷村は再びバックミラーを見た。
すると後方で走っている車が何台も無理やり追い越しているのだ。
だがこれは高速道ではあまり珍しくもない光景である。




