枯れた幸せ2
仲間の心配などしている暇はない!
門崎が視線を谷村に移すと谷村の頭上ではカイが足を90°ほど上げヒールがついたブーツを今にも踵から落とそうとしている。
門崎
(ヤバイ!)
ショットガンを構え発泡するには到底間に合わない。
しかし次の瞬間…。
プシュン!
静かな銃声が鳴りカイへとあたった。
その影響でカイのブーツが少し傷ついている。
カイは目線を前方に移す。
するとそこには仕留めたと思っていた白石がこちらへと銃口を向けていた。
白石
「そう簡単にやられねーよ」
実はあの時体制こそ浮いていたが空中で体を最大限倒しなんとか弾を避けることができた。
白石
「よそ見するな!一回の瞬きでも命取りになるぞ!!」
その通り、既にターゲットは門崎へと向けられていた。
しかし門崎は冷静に対応する。
シャコッ…!
ショットガンの重いリロード音が鳴る。
門崎
「フゥ…」
門崎は冷静にカイへとショットガンの銃口を向けていた。
バァーン!!
ショットガンによる重い一撃が放たれた。
門崎がリロードすると残弾が銃から飛び出し床に落ちる。
だが門崎の隣には既にカイの紅い両目がギロりと
獲物を捉えていた。
門崎
「しまっ!」
言葉を発する前に門崎は銃を蹴られ首根っこを足で蹴られ吹っ飛ばされる。
門崎
「グワッ!!」
門崎はそのまま気絶してしまった。
早川
「おりゃあ!!」
ババババババ!!!
サブマシンガンの銃声が派手に鳴り響く!
しかしそんな当てずっぽうな弾はさして脅威ではなくカイは門崎のショットガンを頭上へ蹴り上げ狙いを定めた後その場で右回転をし右足を前へ出しきりショットガンを早川へと飛ばす。
豪速球が如く飛んでくるショットガンに早川はビビりサブマシンガンで防御してしまった事で手からはじかれてしまう。
早川
「キャッ!」
その時谷村と門崎が同時に目を覚ます。
立ち上がり3人は一つに集まる。
谷村達
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ」
常に死と隣り合わせのこの死線にいつも以上に体力を割かれる。
白石
「ん…」
(人じゃねーな)
目の前にいるカイの視線は下に向けられていた。
白石
(ここにいる誰一人とも脅威だと思っていない。
これでもまだ実力のほんの一部しか出してねーんだろうな)
白石がそう思うのはカイが全くと言って良いほど息切れをしていないからだ。
白石はポケットからフラッシュ弾を取り出して投げつける。
白石
「伏せろ!」
合図とともに物陰に隠れたりその場に伏せる。
カイだけはその場に堂々とたち静かに目を閉じる。
目を開けた時銃口は白石の頭にあった。
白石
(これで少しは時間稼げんだろ)
白石は谷村達を見る。
白石
(この先は頼んだぞ、後輩ども)
カイが引き金へ力を入れる。
白石もそれと合わせて目をつぶった。
???
「あれ?元気!?」
この場にふさわしくない明るい声が聞こえてきた。
カイもその奇妙な事態に反応し振り向く。
谷村
「え?」
顔を上げる谷村達の前にその者はいた。
だが白石だけがその存在を見て瞳を潤わせた。
金色の艶やかな長髪にカウボーイハットを被っているとてつもない美女がそこにはいた。
腰には二丁拳銃を差してある。
???
「あれ?元気ないな」
谷村達は場違いすぎる人間にポカンと口を開ける。
しかしここで谷村は気づいた。
谷村
「あー!!」
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谷村は、白石のいる教室を覗いていた時の事だった。
次の瞬間!扉が勢いよく開いた。
谷村
「おわっ!!」
驚き倒れた谷村。顔を上げると目の前には、金髪でカウボーイハットを被っていたスタイルのいい女性が立っていた。
カウボーイハットを被った女性
「お?なんだ少年、あ!もしかして、君ここに入りに来たの!?」
しかしこの時谷村は白石の方へ集中していたため強く覚えてはいなかった。
カウボーイハットを被った女性
「おーい、君?」
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早川
「先生!?」
???
「おっと、やっと気づいてくれた?私の可愛い生徒達」
門崎
「もしかしてあなたは…」
3人は立ち上がるが明らかにその者の方が身長が高い。
するとこちら側から続々とFBIの隊員達が現れた。
そしてその美女をみて驚く隊員達。
FBIの隊員
「あなたは…まさか!」
美女は微笑みながら着ていた金色のコートをひらりと靡かせカイの方を向く。
谷村
「まさか、アイツとやり合うのか!?やめた方が」
門崎
「いや…谷村、この状況だとこれ以上ない助っ人だぞ」
白石
(どうして…)
美女は堂々と歩きカイへと近づく。
カイも動じずにその者へ近づく。
何故であろう…その者からタダならぬ存在感を感じさせられる。
門崎
「谷村知ってるか?俺ら人守りには、
”最後の切り札”が存在する。どれだけ戦況が絶望的でも、その人が立てば人守りは負けないと言われている。そのことからつけられたコードネームは、希望の光」
谷村
「希望の光…まさか!」
門崎
「そう、あの人こそが…俺たち人守り最後の切り札である希望の光だ!!」
FBIの隊員
「実在していたなんて…」
谷村がその背中を見るとより一層光輝いて見えた。
谷村
「す、すげぇ…」
カイと希望の光が面と向かい合うだけで互いの存在感に周囲が圧倒されてしまう。
希望の光
「フッ…」
希望の光が口角を上げ挑発的な笑みを浮かべる。
カイがそれにワザと乗るようにナイフで切り掛かる。
しかし希望の光はサラッとかわす。
それはカイのブラフで本命は背後の踵での攻撃。
カイ
「…っ」
希望の光
「フフ…」
簡単に防ぐ希望の光。
カイが連続的な攻撃を仕掛けるが全て可憐に避ける。
希望の光はまるで子供かと言わんばかりにカイの攻撃を防ぎ避け続けた。
そんな異次元の戦いを見る部外者達はみな同じことを思う。
そう、入れる余地がないと。
カイの銃弾が至近距離で希望の光へと向かう。
希望の光
「ハッハ〜♪」
バレエ選手のように横回転しつつ余裕綽々で交わす。
カイは眉間に皺をよせる。
何せ向こうは焦るどころかこの状況を楽しんでいる。
ここまでカイの心を動かす者は誰一人としていなかった。
カイはすかさず手榴弾をお見舞いする。
希望の光
「フゥ〜↑♪」
それを逆さ立ちで受けとめ立ち上がり優しく手へと落とす。
片腕をポッケに入れもう片腕でお手玉のように扱いながらカイへ余裕を見せつける。
カイもその姿を見て再び眉を顰めた。
白石
「まったく…」
(やっぱりあの人もバケモノだな)
FBIの隊員達
「信じられん、あのカイを相手にここまで」
「なんなら遊んでるようにも見えるぞ」
希望の光は手榴弾を高く上げた後コートを捲り片腕で銃を縦回転させながら頭上で構え撃ち込む。
そして次は横回転で銃を回し何もない方向に撃った。
横に放たれた銃弾は角で跳ね返りカイの元へと寸分の狂いなく向かっていく。
門崎
「なんだあの軌道は」
常人では到底出来ない芸当に驚く谷村達。
それはカイも例外ではない。
カイ
「…っ」
(弾の軌道を意図的に狙ってる)
カイはその弾を華麗にかわした後この先何が起きるかいち早く気づき物陰に隠れる。
希望の光
「へぇ〜」
(大抵の奴はこれで死ぬはずだが…)
希望の光もその行動を見て力量を見定めた。
希望の光
「…っ」
ここで希望の光もカイの仕掛けた罠に気づく。
それは銃弾を利用した二重の手榴弾による爆発範囲の拡大であった。
気づいた希望の光はすぐさま白石の元へと向かい近くにあった小壁へと自分と白石の身を隠す。
バーン!!
爆音と共に強風が吹く!
皆床に防せたり障害物を利用する。
キン!カン!
金属音が鳴り響く。
まさかと全員が思ったそのまさかである。
爆発が終わった瞬間爆風関係無しに二人は既に
近接戦を始めていた。
希望の光
「アッハハw」
カイ
「…」
相変わらずこの状況を楽しんでいるようにしか見えない希望の光。
カイが回し蹴りを仕掛けるが目の前に希望の光の姿が見えない。
その一瞬の隙をカイは見抜かれ強烈な蹴りを腹部へ入れられた。
ドカ!(蹴りの音)
カイ
「くっ!」
腹部を押さえつつもカイは後ろへ一回転し体勢を立て直す。そしてまるで何事もなかったかのような表情を見せる。
希望の光
「フッ…」
希望の光の顔がハットで隠れ口元だけが映る。




