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狂った構想曲3

午後11時、任務終了時間。


谷村

「はぁ〜今日も一日疲れた〜」

門崎

「ふぅ…そうだな」

早川

「…」


二人とは違い、一人浮かない表情をしている早川。


谷村

「お…どうした?早川」

早川

「いや…私、今日家に帰れるかな…」

谷村

「え?なんで?」

門崎

「…っ、お前な!察してやれ」

谷村

「へっ?」

早川

「どっちかで良いから、今日…私の事、泊めて…くんない?」

谷村&門崎

「…っ//」「…」

早川

「別に、無理してとは言わないけど」

門崎

「じゃあ無理だ」

早川

「…っ」

谷村

「おい!即答すんなよ!」

門崎

「そう言うお前はどうなんだ?」

谷村

「俺は!!……俺んちは…汚いけど、良い?」

早川

「やっぱ家に帰るわ」

谷村&門崎

「…(ドヨーン)」「気をつけろよ」

早川

「うん…」


と、帰ろうとした矢先。



グッ…


谷村

「…っ」


服の裾を掴まれた谷村。振り向くと、早川がいた。


早川

「流石に、まだ一人はきついから…家に来てくんない?」

谷村

「…っ!…お、俺が?」

早川

「…うん…」

谷村

「…え、えぇ…まぁ、別に良いけど」

早川

「…ありがとう…」

谷村

「お、おう」


谷村と早川は、同じ方向に向かう。


谷村

「じゃあ、そう言うことだから門崎…って、電話してる」

早川

「…」


二人が門崎を見る。


門崎

「はい…分かってます。はい…」

早川

「門崎ってさ、いつも忙しそうだよね」

谷村

「ま、優秀だし、俺らよりは上官達に頼りにされてんだろ」

早川

「…そりゃそうよね…」

谷村

「ま、あいつの事だ。帰っても大丈夫だろ」

早川

「ふっ…ちょっと可哀想だけど、そうね」

谷村

「よし、行くか!」

早川

「ちょっと、あんたもう少し緊張したらどうなの?」

谷村

「え?なんで」

早川

「なんでって、レディーの部屋に行くんだから、緊張くらいしなさいよ!私がそこまでの女みたいじゃない…」

谷村

「あ〜、なんかごめん」

早川

「…っ、ムカつく」

谷村

「わりぃわりぃ」

早川

「…ったく」


二人は、その後も会話を続けながら帰って行った。


テロン♪


門崎

「…」


スマホを眺める門崎。


門崎のスマホには、顔が隠れている女性が映っていた。


門崎

「ふ…」


門崎はスマホの電源を切り、空を見上げる。


門崎

(俺は、まだ大丈夫だ…)





次の日、いつも通りに任務をこなしていた3人のところに一本の電話が入った。


門崎

「はい、はい、了解しました。すぐに向かいます」

谷村&早川

「おっ?」「…っ?」


顔を見合わせて不思議そうにする二人。


門崎

「お前達」

谷村&早川

「へい」「ん?」


二人の方を振り向く門崎。


門崎

「(相変わらずアホヅラなやつやらだ…)緊急依頼が入った」

谷村&早川

「…っ!」

門崎

「どうやら、日本の特殊部隊「FBI」が二個目の空洞プログラムを見つけたらしい。それも白童一族の第三基地で見つけた物だそうだ」

早川&谷村

「あっ…」「…」


早川は、谷村の方を見た。谷村は、目線を下に置き拳を強く握っていた。門崎もそれに気づいていた。


門崎

「行くだろ?谷村」

谷村

「…あったりめーだろ」

門崎&早川

「…っ…ふっ」「んふ…」

谷村

「あいつを、殺す!!」


バン!


谷村

「いっ…いたい…」

門崎

「バカが…」

早川

「ハァ〜」


3人は、目的の場所へと向かうため、一度本部へと戻る。そこで隊員達と合流をし、車で向かった。


目的地である第三基地に着く人守り達。


車から降りそれぞれ銃を装備する。


谷村はハンドガンと手榴弾、早川はサブマシンガン、門崎はショットガンを持つ。


カチャ…ガシャ!(銃の動作を確認する音)


すると背後から高級車が一台近づき止まる。


谷村

「ひぇ〜キャデラック エスカレードとは、どこかのお偉いさんかな?」


後部座席から一人降りてきた。


するとその人物を見て門崎が驚く。


門崎

「…っ!?无雲(なぐも)さん!」

谷村&早川

「え?誰?」「何?あのイケメンと知り合い?」


无雲…と呼ばれる男の容姿は整っていて身長も高く(推定175以上)その目つきの裏には冷酷さが伺える。


耳と眉毛にピアスが開いており髪型はセンターパート、手首にはミサンガらしき物や服装もブランド物を身につけており少しチャラい雰囲気がある。


早川

「なんか…遊んでそう」


早川はヒソヒソと谷村に言う。


谷村

「だな」


しかしここで谷村が気づく。


谷村

(ん?ってあれ?そういやどこかで見たことあるような?)


-----


それは、まだ人守り育成場にいた時。

門崎の件を聞いてしまい眠れずに校舎を歩いていた時だった。


谷村

「ハァ〜」

(遂勢いで来ちまったけど…夜の校舎ってなんか不気味だな〜)


谷村は、暗くて道が見えなかったのかいつもとは違う方向へと歩いていく。すると、一つの教室から明かりが漏れていた。


谷村

「ん?」

(なんだ?)


谷村は、その教室に近づく。


谷村

(なになに…暗部隊教室?)


谷村は、その名前が気になりこっそりと中を覗いた。次の瞬間!扉が勢いよく開いた。


谷村

「おわっ!!」


驚き倒れた谷村。顔を上げると目の前には、金髪でカウボーイハッドを被っていたスタイルのいい女性が立っていた。


カウボーイハッドを被った女性

「お?なんだ少年、あ!もしかして、君ここに入りに来たの!?」


谷村は、驚きつつも中にいた黒髪の男を見つけた。年は自分よりも一つか二つ上だろう、体格が良い。顔つきは端正だが、冷酷な目つきをしている。その男は、サンドバックを容赦なく、力強く叩いていた。


-----


谷村

「あー!!あの時の!」

門崎

「お久しぶりです、无雲さん」

早川

「ちょっと、私だけ置いてけぼりなんですけど」


无雲は目の前に来て尻あたりのポケットから二丁拳銃を取り出し整備しだす。


門崎

「こちら元人守り育成場出身で、今は暗部隊で活躍されている白石无雲(しらいしなぐも)さんだ」


紹介された後白石は口を開く。


白石

「天月と柄沢が白童にやられたって聞いてな。

仇をとりにきた」

門崎

「无雲さんほど頼もしい味方はいません。

応援に来ていただきありがとうございます」

早川

「あの門崎が頭を深々と下げてる…」

谷村

「何もんだよあの无雲って人」


入り口付近に着くと白石からある指示が出される。


白石

「俺が先に入ってクリアリングする。お前らは合図の後で来い。いいな」


というと白石は銃口にサプレッサーをつける。


FBIの団員

「え?ちょっと君!困るよ勝手に動かれt」


話も聞かず白石は入っていってしまった。


谷村

「あの人ほんと大丈夫なのか?」

門崎

「心配いらない、あの人は…」


するとものの数分で"パン!"っと特徴的な銃声が聞こえてきた。


門崎

「合図だ!行くぞ」

谷村

「え?今のが」


合図と共に全員が中に入る。


その道中少ないが敵の死体が転がっていた。


その死体を見て驚くFBIの団員達。


FBIの団員達

「す、すごいな…」

「的確に急所を射抜いている」

「白童一族は少数精鋭と聞いていたが…それをこうもあっさり」

谷村

「マジ何もんだよあの人」

門崎

「お前らは知らないだろうが…あの人も天月さんや柄沢さんの影に隠れてはいたが実力は二人に劣らず人守りのダークホースと言われた逸材だ。しかも暗部隊は隠密を得意とする人守りでも限られた部隊で、そこへ推薦も貰ってたらしい」


暗部隊とは、人守りを影で支える重要な存在であり常人よりも優れた才能が必要とされるまさに特殊部隊である。


谷村

「なんだよそれ、バケモンだな」

門崎

「まさにその通りだな」


谷村達が足を止めて前を見ると瀕死の敵の頭を踏みつけていた白石の姿があった。


そしてプシュン!とサプレッサーのついた銃声と共に首元を撃ち相手を絶命させた。


その後白石はこちらを見ずに左手を上げ

こっちへ来いとジェスチャーをだす。


谷村

「確かに、頼もしい味方だな」


武装した兵士達は空洞プログラム空間を目指す。


道中も敵の気配はなくスムーズに進めることができた。


早川

「二人とも!」

谷村&門崎

「…っ」

早川

「見えてきたわよ!空洞プログラム空間が」


光に覆われた道を潜り抜けるとドーム型に開けた場所へとやってきた。


FBIの団員

「間違いないここだ」

谷村

「っしゃあ!」


同行していたFBIの団員が無線機に手をかける。


FBIの団員

「こちら〇〇、空洞プログラム空間を発見した。至急応援を!繰り返す…」

門崎

「ちょっとまて!」

谷村

「ん?なんだよ」


門崎が何かを発見し冷汗をかく。


門崎

「聞こえないか…」

谷村

「え?」

早川

「何が…」


よく耳を澄ますと…コツコツ…と足音が聞こえてきた。


谷村達

「…っ」


全員が一気に緊張状態へと陥りツバをゴクリと飲みこむ。


向こう側の暗闇から"何か"くる。


コツコツ…と足音がすごそこまで。


暗闇から姿を現したのは…。


谷村達

「…っ!?」


足音が止まりその容姿が光に照らされた。


それは紛れもなく白童一族が側近

コードネーム「91(カイ)」であった。


蘇る記憶に谷村は殺意が高まっていた。




     「狂った構想曲」 END

第3話が終了になります。

ここまで追って読んでくださった皆様ありがとうございます!

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