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第八話 絆結びて

土煙が晴れ、視界が開ける

シャモアは未だ健在であった

「なっ…」

全員が驚愕した

(ハンマーシャークヘッド…だったか?あの大技を喰らって生きているなんて)

シャモアは森で最も強い吸血獣である

厳密にはその強さは力量や単純なパワーやスピードを指すものではない

カモシカは通常、群れない 

一定の縄張りを家族などの小さい単位で過ごす

だが吸血獣である森のシャモアは違う

森全てを縄張りと判断し大から小までさまざまな生き物に喧嘩を売る

そしてその中で生き残り、巨大な「群れ」を形成した

「ウオオオオオオオン!!!!」

そのシャモアが吠えた

吠えは森中へと伝わり…

「ちょっと待ってこれって…」

森に潜んでいた吸血獣たちを呼び起こした

(いつの間に囲まれた!?30…いや40はいるか!?)

事前に教えられた数を超えた吸血獣の群れに対し、こちら側の戦力は大技を使えないブラッドスコーピオンと偵察のビタ 怪力のバルボラのみ

テイロスは動けないしレキンは大技を使って大きく消耗している

(何か策を考えろ…!この局面を打開する策を…!)

その時だった

「5人とも無事か!?」

そう叫びながら、男は地面に剣を突き刺し、衝撃波を放った

『ギュュオアアアアアア』

森の獣たちが一気に吹き飛ばされ、形勢は逆転した

「隊長!」

「これほど強い吸血獣が潜んでいたとは 当分はこの森では修行できないな」

「ウオオオオオオオン!!!」

群れを吹き飛ばされ、怒り狂って突進してくるシャモア

「…………そこだ!」

アイザックの一閃でシャモアが真っ二つになる

「グオオオオオ…」

シャモアは塵となって消えて行った

「遅れてすまなかった! 修行は切り上げて、一旦キャンプに戻ろうか」

アイザックのその声でレキンを除いた4人は緊張の糸が途切れたように座り込んだ

「よ、良かった〜」

そう言ってヘニャヘニャになるバルボラ

その筋肉は弛緩しきっていた

------------------

6人は無事基地に戻り、テイロスの治療をしたのちにミーティングが始まった

「みんな本当にすまなかった!あのシャモアと群れは完全に想定外だ」

「やっぱそうなんですね…」

「本当によく耐え抜いてくれた チームワークもまだ上手くいかないうちから当たる相手じゃない ここを生き延びられたのは間違いなく君たちの実力だ」

「…俺の力が通用しなかったのに実力もクソもあるかよ…」

「レキン 決してそんなことはないぞ 少しでも延命すれば他のチームが助けに来られる 俺たち防衛隊はそうやって国を守ってきたんだ」

「チームワークでいえば、スピルとレキンの連携すごかったよね!シャモアをあそこまで追い詰めるなんて」

「そうなのか?二人ともすごいじゃないか!即席のコンビネーションで息を合わせた戦闘ができるのは褒められるべきことだぞ」

「ありがとうございます 正直なんでできたかわからないんですけど、レキンが合わせてくれたのかなって」

「ふん、スピルが合わせろって言ったから合わせたまでだ こっちこそ、お前が思ったより動けるのがわかった …ボンクラって言って悪かったな」

「レキン…!」

感動も束の間

「これからはもっと俺に合わせて上手く立ち回れよ!そうすればもっともっと多くの吸血獣を狩れるからなぁ」

「もう!すぐ調子に乗る!」

騒ぐ5人を見てアイザックは確信した

(この5人は本当に今後の防衛隊の柱になっていくかもしれないな…!)

「よし!明日からはコンビネーション訓練第二弾だ!俺を相手にして5人でかかってきてもらおう!ビシバシいくから覚悟しろよ!」

「上等だ!返り討ちにしてやんよ!」

「ひぇぇ…」

(怪我、早めに治さなきゃな…)

そうしてコンスタンツァでの修行の日々は過ぎていった

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