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第五話 大技放つ

「クッ…」

テイロスは困惑していた

(これが本当に低級の吸血獣なのか…?あまりにも強さが違いすぎる)

目の前にいるネズミ型の吸血獣を前にテイロスとビタはかなり傷を負わされていた。

「まずいね…このままだと押し切られるよ スピルたち呼ぶ?」

「彼らの担当してるエリアは直線でもかなりの距離がある ビタ 君の能力に特定の音波で吸血獣に悟られない音で仲間に助けを呼ぶような技があるのか?」

「現状確認のつもり?嫌な言い方 ……まあ、ないけど」

「すまない。嫌味のつもりはなかった。 仮に素の声量で届いたとしても声に反応して他の吸血獣が集まってくる可能性だってある そうなれば未熟者の集まりの我々では手に負えず全滅だ」

「じゃあ…どうするの?」

「…………これしかないか」

その瞬間 空気が変わった

「蛇とネズミ 本来の相性であれば私の方が強いのだ それなのに劣勢なのは私自身の力量不足 しかし未熟ゆえに使える奥義もあるのだ」

「テイロス…あなたまさか」

「下がっていてくれ この技を使って巻き込まない自信がない」

腕をゆっくりと前に構え蛇の口のような形を作る

「スペシエ・ビダレスター!」

その時赤色の蛇の頭が虚空から現れ、ネズミの吸血獣に噛み付いた

「ぐっ…!」

しかし同時に、テイロスの顔もどんどん青くなっていく

「ちょっと…!この技やばいんじゃ…!」

ビタがそう口にした直後、テイロスがバタンと倒れた

(まずい…倒しきれたのか…?)

血の煙が晴れネズミ型の吸血獣の姿が見えてきた しかし

「ヂュュアアアアアアアア‼︎」

深傷を負ったものの、健在であった

(スペシエ・ビダレスターが効かないとは)

テイロスの放った技、スペシエ・ビダレスターは蛇の頭を血で形造り敵を噛みちぎる今彼が使える技の中で最も強く、最も血の消費量が多い技だった

(相性にかまけて…力量を見誤った私のミスか…だが)

「ビタ、すまない失敗だ 君だけでも飛んで上に逃げろ」

「何言ってんの!このぐらいで怯むようなビタ様じゃないわよ!」

(とはいえ…)

劣勢も劣勢だ テイロスはもう戦えない それどころかこの状態では命すら危ない ビタには奥の手もない

(切れる手札は…)

ビタは背中に羽を生やし砂埃を巻き上げ、スピラッシュを担いだ

(少しでも逃げなきゃ…!)

ビタの作戦は決して悪いものではなかった

ネズミ型の吸血獣はスペシエ・ビダレスターで死にはしなかったものの、かなり深手を追っていた

それでも吠えたのは、強くみせる野生の本能でもあった

しかし同時にその“吠え”がサメの肌に触れた

「ずいぶんデケーネズミだな」

レキンの攻撃により、ネズミは真っ二つになった

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