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第三十九話 吸血怪人の夜

スラニクでの警備は到着した初日の夜から早速始まった

「ロール&ストライク!」

スピルの攻撃によって吸血獣が倒された

「えーっとこれで8体か?」

「そうだな… しかし本当に数が多いな カラパッサ隊長はいつもこんな数をこなしているのか?」

警備が始まって3時間で8体

特別警戒状態でもないのに吸血獣が大量発生していることにスピルとテイロスは驚いていた

「そうですね…隊長は単独討伐数も凄いのですが…それにしても今日は多い気がします ボベ、前のシフトの時は何体倒したっけ?」

「先輩チームとの合同で…8時間の間に16体…」

「そうなると今日は明らかに多いというわけか」

「異能も小出しにしていかないといけないかもな 血を使いすぎると後々が大変になる」

「おいおい随分弱気だなぁ さては血装甲の時間は大して伸びてねえのか?」

調子の良さそうな感じでレキンが軽口を叩く

「ま、俺様はもう8時間装甲を保ってられるようになったし任せてくれたっていいぜ!」

「そんなこと言って前の任務の時はバテバテだったじゃないっすか!」

「カルモうっせえ!…そういやテイロス、お前の異能が変わったって話は風の噂で聞いたぜ」

「ああ、そうだな 今まで俺は自分の異能を蛇だと思っていたが、ティロサウルスという海棲爬虫類の異能だ」

「かいせー…なんだって?」

「こういうものだ」

テイロスは異能を召喚してみせる

巨大なティロサウルスの姿にレキンは驚く

「うおでっけぇ…恐竜みたいな感じか」

「厳密には違うがまあ君はその方が理解しやすいだろうな」

少し呆れたような口調のテイロス そんなテイロスをボベが憧れの目で見ていた

「ティロサウルス…すごい…!」

「ボベでっかい異能好きだもんなぁ 俺はスピルさんの異能の方も気になりますけどね! ブラッドスコーピオンって生まれ持った異能じゃないって聞いたんですけど本当なんですか?」

「ああ 本当だよ

ある日防衛任務をしていたらサソリの吸血獣にでくわして、戦闘してたら力を取り込んだんだ それから異能が使えるようになったんだ」

「すげー!俺みたいに異能使えないやつからすると二重に夢のある話っす!」

スピルをキラキラした目で見つめるカルモを見ながら、レキンとテイロスは同じことを考えていた

((こいつ…後輩の前で話を盛ったな))

2人はコンスタンツァの合宿で詳細な経緯を聞いている なのでスピルがサソリの吸血獣に負けてることも知っているのだが、あまり見栄を張らないタイプのスピルが珍しく見栄を張ったことと、カルモをがっかりさせたくないという思いが一致して、苦い笑いをするしかなかった

「…?2人とも顔がひきつってる」

ボベだけがそんな2人の表情を見ていた

そんな和やかな空気を街に鳴り響いたサイレンが破壊する

「警報!?」

「このサイレンの音だと…吸血怪人が30体以上きます!」

「30!?」

「丘の方から降りてくるぞ!」

レキンの声を聞いて4人が丘の方を振り向く

すでに数体の吸血怪人がこちらに忍び寄ってきていた

「出し惜しみ…なんて言ってられないか 血装甲!」

スピルがブラッドスコーピオンを守り臨戦体制に入る

だが、現れた吸血怪人の姿に思わず装甲が溶けてしまう

「父さん…!?」

スピルの前に現れたのは死んだはずの父親だった

続く

今まで少しずつしか明かされてこなかった吸血怪人に衝撃の情報が入ってきました

果たしてスピルは実の父親?に立ち向かえるのか ご期待ください

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