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第三十八話 チームスコルピウス

スピルとテイロスは列車に揺られ目的地であるスラニクに着いた

駅に降り立つとサングラスをかけたガラの悪そうな男が近づいてきた

拳を目の前に突き出そうとする男 スピルはそれをしっかり受け止めた

「よお 元気そうじゃねえか」

サングラスをずらし、男がレキンだとわかった

「まったく ずいぶんな挨拶だな」

レキンは歩きながら状況を説明し始めた

「このなんの変哲もねえ街から特殊な鉱石が掘り出されたのは半年前 どうも異能の力を増幅させる効果があるっぽいって判明したのが3ヶ月前 そして最近になって吸血獣や吸血怪人が街にたかりはじめた もともとカラパッサのおっさんの隊がこの地域の防衛を任されていたが、最近は手こずるようになってきておっさん本人もよく来るようになった 今は隊長会議と国会対応で不在だけどな」

「それで俺たちも警備に回されるようになったのか」

「お前らデーバで相当強くなったって聞いたぜ ま、俺様ほどにじゃないだろうけど期待しとくぜ」

ニヤリと笑うレキン スピルは彼の言動を見ていて言葉や態度が丸くなったなと感じた

「そうだ カラパッサのおっさんから伝言だ 俺たちは5人一組でチーム組めってよ」

「5人?1、2、3…あと2人は?」

「まあ着いたら紹介してやるよ…っとここだぜ」

3人の目の前には3階建ての集合住宅があった

近くには平屋で大きめな建物もあり、玄関の前にはカラパッサ隊宿舎と書かれている

「あ、レキンさん!お疲れ様です!」

宿舎の方から2人組が出てきた

「お、ちょうどいいや スピル、テイロスこいつらがさっき言ってたボベとカルモだ ボベ、カルモ スピルとテイロスだ」

「始めまして!カルモです!こっちがボベです」

「…よろしくお願いします」

元気に挨拶してきたカルモと少し人見知りな感じのボベ 2人の印象はスピルとテイロスにバッチリと認識された

スピルは握手のために手を差し出す

「よろしく」

カルモのしっかりとした握り返しとボベの頼りなさも感じる弱々しい握り返しのあと、カルモが改めて話し始める

「スピルさんってブラッドスコーピオンの継承者なんですよね!皆さん迎賓館での活躍はこっちの方にも届いてましたよ!チームスコルピウスは俺たち世代の憧れっす!」

「チームスコルピウス?」

「あ、お前それやめろって言っただろうが!」

レキンが口を挟む

「えーかっこいいじゃないっすか こういう呼び名があった方が絶対いいっすよ!」

「蠍座か…たしかに異能には星座に関連した力を持つものも多い…星座のモチーフを考えたらどちらが先か という話ではあるがな」

「蠍座、水瓶座、牡牛座もそうなのかな あと射手座と…」

「何より俺たちの隊長、カラパッサさんが蟹座ですからね!俺らもチームカラパッサとしての誇りで団結して士気を高めているんです!」

カルモが隊服を引っ張り、肩にぬいつけられたカラパッサ隊のエンブレムワッペンを見せる

「こんな感じで暑苦しい奴らなんだよ 俺様は爽やかな男だってのにな」

いや、レキンはカラパッサ隊の隊風に合ってるんじゃないか…とスピルは思ったが口に出すのをやめた

----------

荷物を置き一息ついたあと、早速警備体制の話に移った

「カラパッサ隊長は国会対応でしばらくこっちに戻ってこれません その間俺たちで隊長の防衛範囲を担当することになってます」

そう言われて提示された範囲はそれなりの広さだった

「こんな広い範囲をカラパッサ隊長は1人でこなしているのか…」

驚くテイロスとスピル

「もちろん隊長の強さによるところも大きいですが、この鉱石に助けられてる部分も大きいです ボベ、鞄からあれ出して」

そういってカルモはボベの鞄から鉱石を出してもらった

「ミネルブラッド 異能の効果を高める特殊な鉱石です ボベは隊の中で一番几帳面なので管理を任されてるんです」

「すごいなボベさん 相当希少な鉱石だろうに」

「…俺これくらいしか役に立てないから、頑張ってる…ます」

慣れない敬語を使おうとするボベ この5人の中でも最年少で、弟感の強いボベはなんだかんだ打ち解けていた

「ミネルブラッドの力はやべえ 今噂されてる地下組織や、俺たちが戦った昆虫の異能連中がこぞって欲しがるのは間違いねえ」

「だからこそ防衛が重要なのか」

「はい ですが最近は吸血獣被害も増えていて、今もし異能持ちが現れたら結構ピンチなんです」

「影の異能…俺たちも聞いてる…ます あいつがきてたらやばかった」

アンブラの異能であれば、小さい鉱床であれば鉱床ごと影の世界にひきずりこむことも可能だ それを阻止できたのは大きなアドバンテージだった

「影の異能は一応サジェスターが保持している 利用できるかわからないが警戒はしておいた方がいいな」

「そうか…なら戦ったことがある俺たちは尚更責任重大だな よし!頑張って鉱石を守るぞ!」

『おー!』「お、おー!」

5人の微妙に揃ってるようで揃わない掛け声で話はお開きになった

(期待も責任もかなり重くなってきた…ここで頑張らないと!)

やる気満々のスピル だが街には不穏な気配が近づいていた

続く

なんとか間に合った…祝日挟んでだったのでできるだけ更新しておきたかったのですが意外と時間がかかりました

ここから新章チームスコルピウス編が始まります 吸血怪人や異能に対する掘り下げも行っていきたいですね

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