第二十九話 巨大ウツボと毒
スピルは急いで街を駆け抜け、フィダイルたちのところに向かう
到着した頃には戦闘が始まっていた
「スピル現着しました!」
「きたかい!足元に気を付けな!影に吸い込まれるよ!」
影?と思ったのも束の間、フィダイルが言った通りにスピルは吸い込まれてしまった
「これか…!」
咄嗟に剣を伸ばし地面を掴んだが飲み込む力の方が強かった
スピルは影に落とされていく
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影の世界
(デーバの街のようで色が変だ これがさっき言ってた影の正体なんだろうか)
落ちてしまって妙に冷静になりあたりを見回すスピル
その時地面が揺れ、巨大なウツボが現れた
「グオアアアアアアアアアア!!!」
「吸血獣か!?にしてもこんな巨大な個体がありえるのかよ!」
ウツボは泥のようなものを吐き出して攻撃してきた
「これを生身で受けるのはきついな…血装甲!」
(装甲が持ってる間に倒せるのか…?わからんがやるだけやるしかないか)
スピルは大きく飛び上がり口元に目掛けて落下を始めた
ウツボは待ってましたと言わんばかりに口を大きく開けてスピルを飲み込もうとする
(よし!計画通り!)
「スプレッド!」
口の中に目掛けて毒を撒き散らす 強烈な痛み渋み苦みに襲われたウツボはたじろぎ始める
しっぽをのばし綺麗に着地したスピルは続けて剣を抜いて斬りつける
しかし…
(全然刃が通らない!)
ウツボの皮膚は硬く、刃では全く歯が立たない状態だった
(皮膚を溶かさなきゃダメか…ならあれをやってみるか)
スピルはノートに書かれた作戦を実行する
「オトゥラバサーベル!」
剣の表面にさそりの毒を塗り皮膚を溶かす技に出た
毒自体のダメージと侵食される痛みでかなりの激痛を相手に与える凶悪な技である
毒の剣で斬りつけると今度は確実にダメージが入ったのか、ウツボは倒れ込む
「ほとんど毒で倒したようなもんだな…」
スピルは1人呟く
だがこの空間は決して1人ではなかった
「テメェー!よくも俺様のアンジェラを酷い目に遭わせてくれたな!」
後ろからする声にスピルは振り向き剣を構える
「お前がこのウツボの主か!?」
「ああそうさ!アンジェラのかたき!」
男は銃を構え発砲してきた
しかし放たれた三発の弾丸を、スピルは剣技だけで払い落とした
「嘘だろ!剣で防ぐなんて…」
言い終わる前に男は締め上げられてしまった
「あ、しまった 気絶させたら脱出方法聞き出せないじゃん」
アンジェラと呼ばれたウツボが消える最中、スピルは結局ここからどうやって脱出すればいいのか方策を失った




