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第二十八話 ジェニスと影

突如影に飲み込まれた隊員たち

目の前でその様を目撃したフィダイルは、咄嗟に影に一体のワニを送り込んだ

(間に合ったのはジェニスだけか…まあこれでこっちからは向こうの状況が把握できるし引っ張り上げられるならそうするかね…)

ーーーーーーーーーーーーーーーー

影の世界

『ここは一体…!?』

『今俺たちは攻撃を受けたのか…!?』

ざわめく隊員たちに近づく謎の影

『あ、あれはなんだ…?』

どんどん距離が近くなりおののく隊員

『く、くるな!』

『それ以上近づくと撃つぞ!』

隊員の言葉も無視して影は近付いてくる

『うわー!』

叫び声をあげる隊員たち

影は立ち上がり姿を見せる

『……あれ?これフィダイル隊長のワニじゃないか?』

『あ、ほんとだ…ごめんな大きな声出しちゃって』

ジェニス(フィダイル隊長のワニ)に謝る隊員たち、ジェニスは言葉を全て理解できるわけではないが、感情は伝わってくる

ジェニスは謝る隊員たちにいいよといった感じのジェスチャーをする

続けて「尻尾に掴まれ 浮上する」とジェスチャーで合図をする

『浮上…ってことは地面に引きずり込まれたのか?』

『なるほどな…それにしても街並みはデーバそのものだがどういう空間なんだろうな これも引きずり込んだやつの異能なのか?』

『まあまずはフィダイル隊長と合流してから考えよう』

隊員たちは順番に並び前の隊員の足にしがみつく 一番前の隊員がジェニスの尻尾にしがみついた

点呼を取り合図を送ると、ジェニスは猛スピードで空に向かって泳ぎ出した

『みんな!振り落とされるなよ!』

必死にしがみつく隊員たち 相当に鍛えられた警察隊員であってもかなりの勢いで振り落とされそうになっている

『もうだめだ…』

一番後ろの隊員が落ちそうになったその時 ザパン!と音を立てて影の世界から抜け出した

「お、戻ってこれたかい それはそれで相手の目的がわからなくて怖いね」

『フィダイル隊長!』

隊員たちが感動の涙を流した

「よくやったねジェニス あんたたちもよくしがみつけたね」

ジェニスの頭を撫でるフィダイル ジェニスは溶けてフィダイルの剣に戻っていった

「さて…向こうからの動きはあったね どう解釈すればいいかわからないけど、ここ最近の吸血獣の増加には少なくとも異能持ちが関わってそうだね」

『どう対策しますか?突然影に落とされて、今回はフィダイル隊長のワニのおかげで助かりましたがもし一人の時にあれをやられたら…』

「そうだねぇ…真っ向から戦ってくるタイプならねじ伏せればいいんだけど、もし空間を作るだけの異能だったら面倒だね」

『そういえばあの空間やたら作りがしっかりしてましたよね』

『ああ デーバの街並みが見事に再現されていたな』

「…へえ それはかなり有益な情報だね 街並みを再現するほどの異能なら血の消費が激しい

中で戦闘することが目的ではなく、隔離や警告の意図が強い そして連発もできない 

吸血獣を操ってるかどうかはさておき、そんな能力で警察隊に喧嘩売るくらいだ 単独犯の線も薄い

よし、仕切り直しだ 今日は一旦休んで相手の出方を見るよ スピルにも朝イチで連絡を入れて動けるようにして』

フィダイルはスピルが泊まっているであろうゲオルゲの家の電話番号をメモして隊員に渡した

「総力戦になる 動員できるだけかき集めるよ」

フィダイルの目は燃えていた

続く

かなり引きの展開にしておいて申し訳ないのですが、リアル多忙のため来週は更新できるか不明瞭です

8月は更新回数も増やしたいと思っていますので、ご容赦のほどよろしくお願いします

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