第二話 その鎧纏いて
見まわりをするスピル
回想 ピンテアの諫言を思い出す
「君のブラッドスコーピオンの力はとにかく血を使いすぎる ある程度は私も治療したけど回復するまでは血を使った戦闘は極力避けるように!」
(とはいっても、ブラッドスコーピオンの力を使わないで俺は勝てるんだろうか…)
あの時の感触を思い出すスピル
(いや…弱気になってちゃダメだ あの感覚を忘れずにいればきっと)
街の治安維持に東奔西走するスピル その中には警察隊の仕事か微妙なものもある
迷子を探したり、市民の喧嘩を仲裁したりしてあっという間に夜を回っていた
(今日はやたら事件が多いな… おかげでクタクタだ でもまあ吸血獣が出てこないのは良いことか…ん?)
空を見上げるスピル 視線の先には夜でも視認できる赤色の煙が昇る
(あれは…重大事案発生の煙!? 急がなきゃ!)
現場に着いたスピル
そこには負傷した警察隊のメンバーと一体の吸血獣
「こ、これは…」
スピルに気づく吸血獣 襲いかかってくる
(銃じゃ間に合わない 剣だ!)
剣で防御の構えを作るスピル 初撃は防いだが衝撃は激しい
(一撃がこんなに重い吸血獣は初めてだ!こんな個体がまだ都市部に残っていたなんて)
間をおかず吸血獣はニ撃目を加える
壁に激突するスピル
「ガッ!」
(警察隊を見ても逃げずに立ち向かってくるこいつは相当強い!今ブラッドスコーピオンを使わないと死ぬ!)
だがスピルは同時にピンテアの言葉も思い出していた
『君のブラッドスコーピオンの力はとにかく血を使いすぎる ある程度は私も治療したけど回復するまでは血を使った戦闘は極力避けるように!』
(ブラッドスコーピオンは血を使いすぎる…待てよ?あれはあくまで全身に鎧を展開した時の話だ なら一部分だけを鎧にすれば…?)
剣を持ち替える
血が溢れ、右腕に鎧が顕現する
「できた!ブラッドスコーピオン ジュモースバーテ(半分の鎧)!」
吸血獣の攻撃が来る
強化した右腕で受けるスピル
「これならいける!」
左腕で剣をふるい、切り掛かる
「ギュアアアアアアアア!!!!」
効果はてきめんで、敵にダメージを負わせる事ができた
しかしそのことが帰って吸血獣の動きを加速させた
(鎧を出していてもこれ以上は持たない 次で決める!)
剣を再び握りしめた が、その時
パシュン
(鎧が解けた!?)
ブラッドスコーピオンによって強化された鎧が消え力が抜けていくのを感じる
(ここまでか…!)
せめて一矢報いようとスピルが吸血獣の方を向き直したその時
「よく頑張った 君たちは俺が守る」
マントをはためかせた男が現れ、一瞬で吸血獣を切り裂いた
(あれ…は…)
スピルの意識が途切れる
しばらくして
「とりあえず応急処置は済んだよ しかしこれだけ倒れてて誰も致命傷じゃないのは奇跡的だね」
「ありがとうピンテア どうやら彼の献身のようだね」
「スピルくんか…一番ダメージが酷かった 多分ブラッドスコーピオンを部分的に使ったりしたんだろうね 昔の君みたいに」
ジトーとした目を男に向けるピンテア
男の名前はアイザック
警察隊の隊長の1人である
「ハハハ その節はどうも…」
「彼、多分言っても聞かないから死ぬ前に君が鍛えてあげなよ」
「そうだな 党の権力争いで使い潰されるには惜しい人材だ 久々に強化訓練を始めるか」
次回に続く




