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美少女に告白されてしまった!でもこのままだと百合なんですけど!?  作者: くじょーさん


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50/61

50 振り返ってしまった!


 ここで一つ状況を整理してみようか。


 まず高校入学初日、高校でもトップクラスの美少女に一目惚れされ、その日に告白された。一応最初は躊躇ったが、彼女の真っ直ぐさに押されて一ヶ月間お試しで付き合うことにした。それからデートして手を繋いだり間接キスをしたりして、徐々に関係性を築いていった。最後のデートも終わり、いよいよこちらからも気持ちを打ち明けようとしていた時、転機が訪れる。


 そう、幼馴染の心花(ここな)からの告白だ。彼女も(あおい)に引けを取らないぐらいのビジュアルで、さらに性格も明るくて完全に陽キャな存在だ。普段は素っ気なくて全然興味無さそうだったくせに、なんか気づけば好きになっていたらしい。本来なら断るべきなのだろうが、今までお世話になったこともあってすぐに断ることは出来ず、またしても一ヶ月間お試しで付き合うことになった。


 で、それを葵に話して正式にOKをもらったのが今日までの話だ。おさらい終了。


 あ、二股とか言わないでね?


「はぁ…どうしてこうなった…?」


 とりあえず葵から許可を貰って家に帰った百合(ゆり)は、ベッドで一人ため息を吐いていた。


「私は普通の高校生活を送りたいだけだったのに…」


 今までの陰キャな自分を変えて普通の女子高生らしい青春を送ってみたいと思っていただけなのに、気づいた時には女の子二人から告白されてしまっていた。しかも二人とも絶世の美少女。流石に何かの詐欺を疑ってしまうよ。


「なんで二人とも私のこと好きになっちゃうかなぁ…」


 葵は一目惚れだし、心花は気づいたらという感じだったし。本当に、こんな陰キャの何が良いんだろう?


「しかもこのままだと百合だし…」


 そう、これが一番の問題点だ。


 まだ男の子に告白されるのなら自分の努力が認められた気がして素直に嬉しいし、良さそうな人なら喜んでOKしたのに。


 しかしそんな少女漫画みたいな恋愛ではなく、なぜか百合漫画展開になってしまっている。一回も読んだことないのに!


 だからこちらとしてもどう対処したら良いかわからず、色々と判断を遅らせてしまっている。


「でも、そろそろ受け入れるしかないよね…」


 美少女二人に告白されている時点で、正直もう高校でまともな恋愛は出来ないのは確定しているようなものだ。ならもう覚悟を決めて二人のどちらかを選んで付き合っていくしかないんだろうけど…


「葵と心花かぁ…。う〜ん…難しすぎる…」


 今のところ、葵のことは恋愛対象として好きだ。それは今までのお試しでのお付き合いで自覚した百合の本心だ。


 しかしそこで現れたのが心花だ。正直今のところ彼女に対して恋愛感情はほとんど抱いていないのだが、親友として大好きなことには変わりない。巷では友人への好きが自然と恋愛の好きになることもあるらしいし、試してみたいという好奇心が百合の中で大きくなった。


まあその結果が今のキープという状況なのだが。いい


 加減優柔不断を引退したいところだけど、これは大切なことだからしっかり悩んで決断したいところだ。


「やっぱ二股するしかないか…!?」


 で、結局最低な結論に辿り着くと。


「だってどっちも振りたくないんだもん〜!!」


 誰いないのに一人で言い訳を述べる変な人。しかしこの発言が百合の本音で、恋愛の難しいところが全て詰まっている。


 葵は好きな女の子だから普通に付き合いたいし、心花は今まで一緒にいてくれた大事な親友だから悲しませたくない。そんな百合の心の奥底の底の底にある優しさに似た何かがどちらかを選択することを拒んでいる。


「二人を同時に幸せにすることってできないのかなぁ…?」


 てかそもそもどうして人は一人のパートナーとしか結ばれちゃダメなんだろう?別に好きなら何人でも良くない?


「…なんかクズ女みたいな考え方になってきちゃったかも…」


 ようやく自分の本性に気づいたらしい。多分もっと早く気づくべきだったね。もう割と手遅れなところまで来てるよ。


 しかしまだ諦めるには早すぎる。今からでも普通の人間らしい倫理観を身につけることは可能かもしれないから。


「いや私はどこにでもいる普通の女の子だからね!?」


 普通の女の子は美女二人をキープしたりしないよ。多分。


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