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美少女に告白されてしまった!でもこのままだと百合なんですけど!?  作者: くじょーさん


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21 影響されてしまった!


 その後甘々な展開で百合映画は終了し、百合(ゆり)(あおい)は手を繋いだまま映画館をあとにした。


「ど、どうでしたか…?」


 映画館を出るなり不安そうな顔を浮かべる葵。それに対し、百合は飾らない感想を述べた。


「面白かったです…。主人公が周りの目を気にせず愛を叫ぶところとか、とってもカッコよかったです…!!」

「!!__ですよね!!あのシーンはとても良かったですよね!?」

「はい…!!感動して泣いちゃいそうでした…!!」


 本当は葵に見惚れてドキドキしていたんだけど、それを言うとなんか負けな気がするから黙っておく。


 というかそんなことよりもこの明らかにカップルにしか見えない状況をどうにかしたい。


 手を繋いだ女の子二人が頬を赤らめながら歩いているなんて、周りからすれば百合カップルにしか見えないじゃん!?いやまあ間違いではないんだけど。でもお試し期間中にそう思われるのはなんかむず痒い…!!


 というわけでまずは彼女から手を離そうと考えたわけだが、思いの外葵の手の力が強くて離れることはできなかった。


「これでその、少しは私の気持ちを理解していただけましたか…?」

「へ…?」


 胸に手を当て、恥ずかしそうに胸の内を明かしてきた。


「私はあの主人公と同じような気持ちなんです…。恋塚(こいづか)さんのことが好きで好きで仕方ないんです…!!」

「え゛!!??」


 確かに映画を見たあとだから気持ちはわからなくもないけど、それを今言われてもどうしようもない。


「いやあのそれはわかるんですけどここは公共の場ですしそういう発言は控えた方が__」

「私はもう迷いません…!!あなたと結ばれるためなら他人の目なんて気にしません…!!」


(めっちゃ悪い方に影響受けちゃってる!?そっちに行かれるとこっちの心がもたなくなるんですけど!?)


 こっちの気も知らないで愛を叫ぶのはやめていただきたい。映画と現実を一緒にするのは危険すぎるよ!!


「恋塚さん…いや百合さん…!!私と正式にお付き合いしていただけませんか…!?」


 顔を真っ赤にする恋人に、期待の眼差しを向けられる。それは百合の心臓をドキドキさせて判断を鈍らせるが、そう簡単に彼女の防御を解くことはできない。


「だ、ダメですよ…!!まだお試し期間が終わってないですし…」

「愛し合っている二人にお試しなんて必要ないと思うんです…!!」

「全然愛し合ってないですけどね!!??」

「え???」

「へ?」


 何か勘違いしているみたいだ。


「もしかして百合さんは…イヤイヤ私と付き合って__!?」

「それは違いますから!!七瀬(ななせ)さんの気持ちに向き合うためにお試しで付き合ってるんです!!私だってその…ちゃんと好きですから!!友達として!!」

「え…」


 あ、この顔。また誤解してるやつだ。


「そそそそんなに私のことを思ってくれていたんですか…!?百合さん!!今すぐ式を挙げましょう!!」

「流石に気が早すぎませんかね!!??もっと段階を踏みましょうよ!?」

「じゃあまずは新婚旅行ですね!!私ハワイに行ってみたいです!!」

「段階とは!!??もう百段ぐらい飛ばしちゃってますよ!?」

「大丈夫です!!既に二十段は飛ばしているので!!」

「自覚あるんだ!?」


 一応普通ではないことをしているのには気づいてるんだ。まあそれなら自分なりに対処してほしいところだけどね。


 でもそれは映画に影響を受けまくっている葵には不可能なことで、この流れはこの後も続いた。


 しかし一旦冷静になった時、彼女は心の底から後悔で包まれるのであった。


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