19 見てしまった…
「…ねぇ、あれどう思う?」
「友達には見えないわね」
「やっぱりそうだよね!?あたしだけそう思ってるわけじゃないよね!?」
百合が家族と心花以外の人と遊びに行くと聞いて百合の姉と妹と心花でその様子を覗き見しに来たわけだけど。
なんかいい感じの雰囲気になってる!
「一応確認だけれど、友達…なのよね…?」
「さぁ…?この前確認したけど本人も分かってなかったよ」
「そもそも百合姉と友達になってくれる人なんているの?」
「どうだろう…まあ少なくともあんな綺麗な子は友達になってくれそうにないけど」
「だよね〜」
本人がいないからと好き放題言う三人。しかしこれは今までの経験をもとにした事実なので、仮に本人がいたとしても特に否定はできないのだが。
「あ、水あげてる」
「へ〜、意外と気遣えるんだ」
「女の子の扱い方をわかってる…これは女たらしの予感がする…!!」
「「え??」」
女友達すらいたことがない百合に女の子の扱い方なんてわかってるわけないでしょ。
そんな感じの目線が心花に向けられる。
「いやいや、百合姉に限ってそれはないでしょ!?」
「天動説が証明されるぐらいあり得ないわ」
「百合の扱いがひどい…まあ言いたいことはわかるけど」
結局心花もひどい。
「あ、飲んでる」
「あの子顔が赤いわね」
「熱でもあるのかな?」
「いやそれなら遊んでるのマズくない?」
「あるいは、間接キスで照れているとか」
「「!!??」」
恋雪の衝撃発言に絶句する二人。しかし直後、それを完全に否定する。
「いやいやいや!!百合に限って飲みかけを渡す勇気ないでしょ!!」
「そうだよ!!そんな度胸あったら今頃友達いるって!!」
「…それもそうね」
二人の勢いに圧倒される恋雪。しかし事実だからと一瞬で認め、考えを改め__
「…いやなんかめっちゃイチャイチャしてない?」
「ホントだ…」
「ウソでしょ…」
心花が信じられないことに気づいてしまい、恋雪も莉々恋も衝撃を受ける。
「え、これもしかして本当にデキてる感じ…??」
「そ、そんなわけ__!…あるかも」
同じ女の子だからわかる。あれは好きな人にしか向けない目だ。
それに気づいてしまった三人は急に顔を赤くし、彼女たちの関係について考察し始めた。
「でもさ、女の子同士だよ!?そんな素振り一切なかったくない?」
「いっつも少女漫画読んでたもんね」
「まあ多様性の時代だし…急に目覚めたのかもしれないわね…」
「多様性スゲェ…」
この場にいる三人は女の子同士の恋愛の知識は皆無で、正直興味津々に二人のことを見ている。まあでもそれは周りから見ればかなり怪しくて、気づけば冷たい視線を向けられるようになっていた。
「…なんかあたしたちすごく見られてない?」
「どうしてかしら?」
「いやどう見ても怪しすぎるからでしょ…。あたしたちも映画行く?」
「う〜ん…それは二人が何を見に行くか次第かな〜」
「確かにそれを確認してからの方がいいわね…」
百合は大のホラー映画好きだ。この三人は百合に連れられてとんでもない恐怖を味わった事があるため、それ以降は基本彼女と映画に行かないようにしている。
なのに今このまま百合について行ったらどうなる?もし葵が何か提案していなかったらほぼ確実にホラー映画に連れて行かれるだろう。
「七瀬さん、頼むよ〜…っ!!」
「私たちの運命はあなたにかかっているわ」
「どうか百合姉を止めてください…!!」
三人が見守る中、葵はとある映画のポスターを指差した。
「え??アレってもしかして…」
「ん?何なの?」
「映画好きの友達から聞いたことあるんだけど…今百合映画やってるらしくて…」
「「え??」」
確認してみると、確かにポスターの中には女の子しか写っていない。ら
これはもしかして、本当にもしかして…
「いや、まさか百合姉に限ってそれは…」
「まだ向こうから告白された可能性もあるよ?提案したのは七瀬さんの方みたいだし…」
「ウソ…百合のどこがいいというの…?」
「それは本人に訊いてみないとわからないね…」
「マジか百合姉…男の子に相手されないからってそっちに手出しちゃったか…」
「ま、まあ受け入れてあげるのも私たちの役目よ…!!あの子にはあの子なりの考えがあるのだから…!!」
「百合の考えなんて当てにするだけ無駄だと思うけど…まああたし優しいし、しゃーなしで認めてあげなくもない」
「(心花ちゃんが優しい…??)」
「リコリコ何か言ったかな〜???」
「いえ!!何も言ってないです!!それよりも早く二人について行きましょう!!」
「そうだね〜。じゃあ行こっか」
「え、ええ…」
というわけで三人は百合と葵について行った。




