13 信用が足りなかった!
入学二日目の学校も終了し、昨日同様心花と帰宅していた時のこと。
「今週の日曜日空いてる?」
「え?」
「まあ空いてるか。行きたいカフェあるから付き合って」
「え、あの…」
さも当然かのように暇人認定されてしまったが、今までがそうだったので仕方ない。
でもそれはあくまで今までの話だ。今回の百合にはデートというれっきとした予定が存在するのだ!
まあ葵他の関係性は秘密だからあまり詳しく話すわけにはいかないが、とりあえず予定があることだけは伝えておく。
「今週は予定があって…」
「え!!??あ、ああ…お、面白い冗談だね…!!あはは…!!」
わざとらしい苦笑い。
いやなんか勝手に面白くない人認定されてしまってるんだけど!?
流石の百合でもそれは侵害なので訂正はしておく。
「冗談じゃないよ!?本当に予定があるの!!」
「ヨテイ…?知らない日本語だ…」
「も〜っ!!私も家に引きこもってばかりの頃とは違うの!!」
「そうなんだ…??」
長い付き合いだからこそ余計に衝撃が大きいのかもしれない。本当に余計だけど。
かなり不名誉ではあるけど、それは今までがそうだったから仕方ない。ならもうそこは諦めてこれからの巻き返しを謀るしかない。
そんな感じで一度吹っ切れることに成功するのだが、そこで心花から生温かい目を向けられてしまう。
「で???一体誰とデートするの???」
「デート__!!??」
あ。めっちゃ反応しちゃった。
「え、もしかしてマジでデートなん…?」
「そ、それは…」
こういう時にポーカーフェイスが使えたらと思うが、万年ボッチの百合にそんな技術あるはずがない。
「ウッソマジ…?あんた意外とやるじゃん…」
「い、いや違くて…」
「で!?相手は!?誰々!?クラスメイト!?それとも先輩!?」
「えっとあのぉ…」
今までで一番目を輝かせている。
恋バナになると嬉しそうに駆け寄ってくるのって、女子高校生としては普通のことなのかな?私にはわからない感情だ。
でも現に恋愛しているのは事実だし、一概に興味がないとも言えない。かなり難しいところだ。
てか今はそんなのはどうでも良い。とりあえず男の子とのデートだと勘違いしている彼女の考えを正さないと。
というわけで百合は心花に対してしっかりと訂正の言葉をかける。
「一応クラスメイト…」
「マジ!?誰!?」
「えっと…七瀬さんなんだけど…」
「………は??」
期待の目が一瞬で困惑に変わった。ポカンと口を開ける彼女に、百合が言葉を付け足していく。
「一応言っとくけどデートじゃないからね!?ただ普通に遊びに行こうって話になってるだけだから!!」
「七瀬さんってあの七瀬さんだよね…??どうして百合なんかと…?」
「それは私も思う…」
「あの子意外と変わり者なんだね…」
「まあ否定はしない」
こんなボッチに告白してくるぐらいだし。かなり変わった人ではある。
まあ百合と心花という変わり者二人がそれを言うのかという感じではあるが、やはり葵は想像以上に変人みたいだった。
「じゃあ結局百合は七瀬さんと友達になった感じ?」
「まあ、そんな感じ…?」
「うわぁ…どんな弱み握ったん?」
「そんなことしてないって!?私に対する信用無さすぎでしょ!?」
「そうでもしないとあんたと七瀬さんが友達になるわけないじゃん…」
「それはそうだけどっ!!」
え私たち本当に幼馴染だよね?普通幼馴染ってこんな酷いこと言わないよね!?
「まあなんか…頑張ってね…?」
「それは…うん。頑張る…」
「本性がバレないように」
「本性がバレたら嫌われるみたいな言い方やめて!?」
「ホントのことじゃん」
「もぉぉぉっ!!!!私だってやれば出来るのにぃぃぃぃ!!!!」
結局どう足掻いても心花からの評価は変わらないようだが、とりあえず葵との関係が露呈しなかったのでよしとしよう。




