14 漁られてしまった!
あの後ある程度のことを心花に話した結果、彼女は百合の部屋に押しかけた。
「で??当日はどの服着ていくの?」
「え?」
クラスのアイドル的存在の葵のと遊びに行くと知るや否や、心花は疑いの目を向けながらベッドに鎮座し始めた。
「え?じゃなくて、あんたまともな服持ってんの?」
「まともな服?う〜ん…」
クローゼットの中にある服を漁ってみる。
「アニメTシャツに、二年ぐらい前にお母さんに買ってもらった服…。あ!これこの前買ったやつだ!」
自信満々に心花に見せる。しかしその瞬間、彼女がドン引きの目を向けてくる。
「も、もしかしてそれが一番自信ある服…??」
「うんっ!!これ海外で有名なホラー映画のグッズで__」
「ぢがぁぁぁぁぁう!!!!」
「へ!?」
何が違うの!?真ん中に死んだはずの友人が写っててめちゃくちゃ格好いいのに!!
そんな滅茶苦茶な百合の価値観が陽キャに受け入れられるはずもなく、心花は服のセンスを完全否定してくる。
「なんでそれが良いって思えるの!?」
「え??心花と遊ぶ時はいっつもこれだよ??」
「それはあたしだからだよ!!普通のJKは友達と遊ぶ時でももっとオシャレするもんなの!!」
「でもこれが一番オシャレだと思うんだけど…??」
「…はぁ…こりゃダメだ…」
いつも部屋着で遊んでいたのかと思えば、まさかそれがオシャレのつもりだったなんて。流石の心花もかなり呆れてしまっている。
「仕方ないか…もうユッキーに服借りるしかないね」
「お姉ちゃんに!?」
「嫌なの?」
「そういうわけじゃないけど…」
そう言った瞬間、心花は早速恋雪を呼びに行った。
「何か用かしら?」
「あ、えとその…」
「百合が服貸してほしいんだってさ」
「服?私のを?」
「そうそう♪」
心花は百合の姉妹とも仲が良くて、こうやって三人で遊ぶ事もあるぐらいだ。まあ今回の要件はそうではないので恋雪も少し困惑している様子だった。
「別に自分のを着れば良いじゃない?」
「いやいや…コイツまともな服持ってないんだよ?」
「え…?この前買ってあげたじゃない」
「ん?どういう事?」
恋雪がクローゼットを漁り始めた。
そして現れる割とオシャレな服たち。
「ほらこれ。この前百合に相談されて買ってあげたのよ」
「百合??どういう事??」
「あ、えっと…」
心臓をバクバクにしつつ、とりあえず言い訳を放ってみる。
「だってそれ動きにくいんだもん…」
「「……は??」」
同時にジト目を向けられると流石に恐怖を感じてしまう。
そして直後、二人からの呆れの声が部屋に響いた。
「いやいやオシャレってそういうもんでしょ!?動きやすさとか普通考えないって!?」
「これだからあなたは…もう少し女子高生としての自覚を持ったらどうなの?」
「そこまで言う普通!?私だって色々勉強中なんだもん!!」
「勉強中でこれは酷いわね」
「そんなぁぁ!!」
酷い言われようだが、一概に否定できないのが苦しい。
まあでもここは自分のセンスの無さを受け入れて無様に物乞いをするのが最善策か。かなりプライドが傷つくが、仕方なく恋雪に頭を下げることにした。
「じゃあその…私にファッションを教えてください!」
「まあそれは構わないけれど…ちゃんとついて来れるのかしら?」
「はい!絶対ついて行きます!!」
「よろしい。なら早速あなたのクローゼットをひっくり返すわ」
「へ?」
「心花、手伝って」
「あいよ〜」
そうして二人が百合の服を漁り始めた。
しかし中々まともな服が出てこなくて、二人はかなり苦戦を強いられるのだった。




