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美少女に告白されてしまった!でもこのままだと百合なんですけど!?  作者: くじょーさん


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101/123

101 美少女に告白されてしまった…


「七瀬葵(ななせあおい)さん。あなたのことが好きです。友達でもお試しの恋人でもなく。一人の女の子として、あなたのことを好きになりました」


 ずっと欲していた言葉が、好きな人の口から発される。それは葵にとって涙が溢れそうになるほど嬉しいことで、そして衝撃的なことでもあった。つい口が開いてしまってそのまま喋れなくなるけど、彼女はは堂々とした立ち振る舞いで。


「だからもしよかったら、私と付き合ってください。お試しではなく、本当の恋人として」


 本当に嬉しい。心から喜びの気持ちが溢れてきて、今すぐにでも踊り狂ってしまいたいほどに。


 でもなぜか身体が言うことを聞かず、その場で呼吸することしかできなくなる。ずっと待ち望んでいた告白のはずなのに。


 結局気づけば涙が出ていて、それが目の横を伝ってベッドに染み込み始めた。


「だ、大丈夫…?ハンカチいる…?」


 そんな不甲斐ない自分のことを、本気で心配してくれる。やはり彼女は心の底から優しい人だ。だから今も彼女の温かさにドキドキさせられているんだろう。


「大丈夫…ですっ…。ただ嬉しくて…つい」

「そっかぁ…。それならまぁ、良かった」


 袖で軽く涙を拭い、彼女の可愛らしい表情を見つめる。すると自然に胸が熱くなってきて、つい手をにぎにぎしたくなってしまう。


「あの、百合(ゆり)さん」

「なに…?」

「私、前からしてみたいことがあったんです」


 昂る感情を抑えることができず、ついわがままを言ってしまう。


「その…キス…してみたいです…」


 今まではお試しのお付き合いだからと唇同士は断られてきたけど、今なら大丈夫なはず。そう考えてわがままを言ってみたのだが、彼女の反応は予想外のものだった。


「それは本当にお付き合いし始めてからね」

「え…?私たちもう晴れて恋人同士になったのでは…?」

「まだお返事もらってないけど」

「あ…」


 そこで完全に先走ってしまっていたことを理解し、顔が真っ赤になってしまう。


(うぅ…どうして私はいつもこう…っ!)


 恋愛のことになると冷静に考えることができず、考えるよりも先に行動してしまう癖がある。それのせいで今回も早とちりしてしまって、いつもみたいに顔を真っ赤にしてしまっている。


 しかしそれは彼女にとって嬉しいことのようで、百合は嬉しそうに笑みを浮かべている。


「ふふ、やっぱ葵のその顔は何度見ても癒されるなぁ」

「そ、そんなことで癒されないでくださいよぉ…」

「だって仕方ないじゃん。葵が可愛すぎるんだから」「〜〜っ!!」


 どうしてそんな恥ずかしげもなく言えるんだろう。恋愛は初めてって言ってたのに、どこか恋愛慣れしている気がする。


 まさか心花(ここな)さんとの関係のせい…!?二人はもうそこまで進んでいるの!?


「…百合さんのばか…」

「え!?なんで!?」


 流石にいきなり怒りすぎたかもしれない。でもこれは彼女が女たらしなのが悪いから別に仕方ないことだ。


 まあでも、ずっとこんなことを言うわけにもいかない。そろそろこちらが慣れて逆に揶揄うぐらいにならないと。じゃないと本当に心がもたない…!


「まあ良いです。そういうところも百合さんの魅力ですから」

「…??話が見えないんだけど??」

「見えなくていいんですっ。ただの独り言ですから」

「そう…??」


 困惑する彼女に、突然愛を囁いてみたらどうなるんだろう。顔を真っ赤にして恥ずかしがる?それとも嬉しそうに笑ってくれる?


「ふふっ♪」

「??なんかずいぶんご機嫌だね」

「あら、顔に出てましたか?」

「うん。めちゃくちゃ楽しそうに笑ってるよ」

「そうですか…。じゃあもう隠す必要もないですね」


 好きな人がどんな反応をするのか確かめたくなって、葵はちょっとした悪戯心を胸に告白の返事をし始めた。


「百合さん。私も、あなたのことが好きです。初めて出会ったあの日から、ずっとあなたが大本命でした」

「…そっか。うん、そうだよね。葵はずっと私のこと追いかけてくれてたもんね」


 彼女は思いの外大きな反応は見せず、ただ少しだけ笑みを浮かべているだけだった。


 しかしその表情からは今までに無いほどの愛が溢れていて、葵はその表情にとても満足した。


「はい。ですから百合さん。これからも、末永くよろしくお願いしますねっ!」

「うんっ!」


 互いに満面の笑みを向け合い、ようやく二人は運命によって結ばれた。


 その印に、二人は唇同士で誓い合ったのだった。


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