第50話 : 否定しようのない証拠
セラフィーナは、大勢の貴族や兵士、そして深刻な表情で集まった宮廷の臣下たちに囲まれた部屋の中央に立っていた。
近衛騎士団長が分厚い書類の束を抱えて歩み寄り、彼女の正面に立つ。
「セラフィーナ」
彼は大きな声で告げた。
「お前は幼少期から現在に至るまで、王族および罪のない者たちに対する危害を、計画的かつ継続的に企てていたとして告発されている」
「どういうことですか?」
セラフィーナは激しい驚きを浮かべて尋ねた。
証拠その一――セラエルの日記
近衛騎士団長は書類の束を開き、中から古びた一冊の日記を取り出した。
セラフィーナには、それが何なのかすぐに分かった。
「これはセラエルの日記だ。お前が離宮の物置に隠されていたものを見つけ、八歳の頃に読んだものだ」
彼はそう言って続ける。
「だが、そこには新たに現れた記述がある」
彼は、かつて存在していた文章のページを開いた。
そこには、セラフィーナがはっきりと覚えている文章があった。
「今日、医師からこの子を産むべきではないと言われた……でも、私はもう決めたと医師に伝えた」
それこそが、セラフィーナが八歳のときに初めて読んだ一行目だった。
しかし今、その文章のすぐ下には、以前には存在しなかった文章が続いていた。
「もしこの子が成長し、愛してくれるはずの者たちから不当な扱いを受けることになったのなら、覚えておきなさい。奪われたすべてを取り戻す権利は、この子にある」
「こんなの、お母様が書いたものじゃありません!」
セラフィーナは叫んだ。
「私は八歳の頃からこの日記を読んでいます! 内容は、お母様が出産前の気持ちを書いたところで終わっていました! こんな文章は、絶対にありませんでした!」
証拠その二――離宮の警備兵と皇子イセキエル
「七歳の年の十二月」
近衛騎士団長は続けて言いながら、別のページをめくった。
「離宮に配属されていた兵士たちからの報告によれば、当時の少女は兵士たちに、何を記録しているのかと頻繁に尋ねていた。監視体制について情報を探っていたようにも見える」
さらに、別の記録を示す。
「そして皇子イセキエルの証言によれば、セラフィーナは皇子に地図や王宮での役割について尋ねたこともある」
セラフィーナはすぐに思い出した。
それはまだ幼かった自分が、ただ純粋な好奇心から尋ねていただけのことだった。
決して、情報を探るためではない。
「それは、ただ……」
彼女は説明しようとした。
しかし、その声は部屋中に広がるざわめきにかき消された。
証拠その三――魔力検査の儀式
「では、つい最近行われた魔力検査の儀式はどうだ?」
一人の貴族が口を挟んだ。
「結晶が破裂し、赤いエネルギーが大勢の人間を傷つけた。あれも本当に偶然だったのか?」
近衛騎士団長は司祭たちの報告書を取り出した。
「記録によれば、あのとき発生したエネルギーには異常なほど古い性質が確認されている。まるで長年にわたって憎悪を蓄積していた力に近い」
彼は冷静に続けた。
「これは、少女が生まれた直後から捨てられていた期間とも一致している」
「私は、あの力をまったく制御できませんでした!」
「あるいは、十四年間にわたって蓄積された憎しみを解放したということではないのか?」
別の者が口を挟んだ。
証拠その四――腕輪
近衛騎士団長は古びた腕輪を取り出した。
「これは離宮の物置で発見された。セラエルの日記が見つかった場所と同じだ。そこには暗号が刻まれており、解読したところ、長期的な計画を示す内容だと判明した」
「私は、こんな腕輪を見たことなんて一度もありません!」
証拠その五――誕生日の出来事
「十四歳の誕生日を祝った宴」
近衛騎士団長は続けた。
「そこで起きた数々の事故。テーブルクロスが外れ、茶が自分の手にこぼれ、床が滑って転びかけた。これらすべてが、セラフィーナの周囲でのみ発生している」
「本当に事故だったんです! 私自身も怪我をしたんですよ!」
「あるいは、自分自身を被害者に見せかけ、本当の計画から目を逸らさせるための偽装だったのでは?」
別の貴族が疑うように言った。
証拠その六――証人たちの証言
「さらに、王宮の複数の使用人から証言を得ている」
近衛騎士団長は別の書類を取り出した。
「彼らは皆、少女が皇帝に対する不満を口にしていたのを聞いたと証言している。特に十歳頃には、次のような発言があったという」
彼は記録を読み上げた。
「いつか、みんなが私がただ忘れられた存在じゃないって知ることになる」
セラフィーナは必死に過去を思い返した。
しかし、そんな言葉を口にした覚えはない。
「私は、そんなこと言っていません!」
証拠その七――雨の午後に起きた出来事
「では、ドルクとピタが初めて互いに心を開いた日のことは?」
別の貴族が、なぜそんなことまで持ち出すのかと驚いた様子で尋ねた。
「その場所にも、不自然な油が塗られていたという報告がある。発見された謎の本に記されていた犯行の手口とも一致している」
セラフィーナは聞けば聞くほど混乱していった。
「それは私とは何の関係もありません!」
その場に集まった人々の中に、リゼロットも立っていた。
その顔には、偽りのない驚愕が浮かんでいる。
「いったい何が起きているの? 私はこんなこと、何一つ計画していない。私自身が仕組んだ、あの床を滑りやすくした件まで、今ではすべて別の意味に解釈されている」
彼女は心の中でそう考え、しばらく黙って状況を見守ることにした。
そんな彼女の視線が、ふと誰にも気づかれていない暗い隅へ向けられる。
そこに、セネステアが立っていた。
彼女は人差し指を唇に軽く当て、静かにするよう合図している。
リゼロットはすぐに理解した。
「これも、あなたの仕業なのね。私が過去にやったことまで利用して、私自身が考えていたよりも、ずっと完璧な一つの絵に仕上げたというわけ」
部屋のざわめきは、次第に大きくなっていった。
「まさか、この子がこんなことをしていたなんて……」
「あんな異常な環境で育ったんだ。長年、恨みを溜め込んでいたとしても不思議じゃない」
セラフィーナは部屋の中央に立ったまま、身体を震わせていた。
「私は何もしていません……お願いです……」
混乱が広がる中、突然、部屋の入口から走る足音が聞こえてきた。
セネステアが息を切らしながら駆け込んでくる。
「待ってください!」
彼女が叫ぶと、全員が一斉に振り返った。
「セネステア皇女殿下」
近衛騎士団長が声をかける。
「何か申し上げたいことでも?」
セネステアはしばらく荒い息を整えてから、口を開いた。
「ええと……先ほどお伝えした通り、昨夜セラちゃんがどこかへ出ていくところを見たのは本当です。でも、私はセラちゃんがそんなことをするなんて思っていません。絶対に誰かに陥れられています!」
セラフィーナは希望に満ちた眼差しで彼女を見る。
「セネステア……」
近衛騎士団長は、さらに一冊の本を取り出した。
少し新しく見える、濃い色の革表紙だった。
「セネステア皇女殿下。お話の前に、これをご覧ください」
彼は言った。
「この本は、セラフィーナの部屋にある机の隠し引き出しから発見されました。筆跡鑑定の専門家によれば、本全体がセラフィーナ本人の筆跡と一致しています」
彼は最初のページを開き、読み上げた。
「私的記録――私のものになるべきすべてを取り戻すための計画。まず王宮の全員から信頼を得ることから始め、その後、一人ずつ破滅させていく……」
セラフィーナは呆然と立ち尽くした。
「私は、そんなものを書いたことなんてありません! それに、その筆跡だって私のものじゃありません!」
セネステアはしばらくその場に立ち尽くした。
そして、その表情を完璧な驚愕へと変える。
「これは……私も、こんな本を見たことはありません」
「当然ですわ。わたくし自身がすべて新しく作り上げたものなのですから……実際に起きた出来事をすべて参考にして、そこへ悪意だけを付け加えたのです」
セネステアは心の中でそう考えながら、外面では完璧な驚きを演じ続けていた。
「この本に書かれている内容は」
近衛騎士団長は続けながら、何ページもめくっていく。
「これまで何年にもわたって起きた出来事と、すべて一致している。七歳のときに離宮の兵士たちへ近づいたこと。儀式で謎の力を得たこと。十歳のときに不満を示す発言をしたこと。すべてが、この本の中であらかじめ計画されていた」
セネステアは、その本を驚きと困惑の入り混じった表情で見つめる。
「そんな……どうして? 全部、あまりにも一致しすぎている……」
「私は、こんな本を書いたことなんてありません!」
セラフィーナは絶望に満ちた声で叫んだ。
「お母様の日記だって、私は最初から最後まで読んでいます! あとの部分は、絶対に後から付け加えられたものです! この本だって同じです! 私は生まれて一度も見たことがありません!」
「このことを証明できる者はいるのか?」
一人の貴族が尋ねた。
「ヘレンです! 私の乳母です! 彼女は私が母の日記を最初から読んでいたところを見ています! 本当の内容がどうだったのかも、彼女なら知っています!」
しかし、セラフィーナの証言はほとんど信じてもらえなかった。
部屋中から囁き声が広がっていく。
「そりゃあ、身近な人間なら庇うに決まっている」
「これだけ証拠が揃っているんだ。筆跡も一致しているし、起きた出来事もすべて一致している。どうしてまだ否定する必要がある?」
「皇帝陛下がお気の毒だ。本当にこんなことに巻き込まれるとは……」
セラフィーナは部屋の中央に立っていた。
周囲から向けられる視線が変わっていくのを感じる。
以前まで向けられていた同情が、疑念と嫌悪へと変わっていた。
そんな混乱の中で、ただ一つ、確かな声が響いた。
「お嬢様がそんなことをするはずがありません!」
群衆の後ろからヘレンが叫び、必死に人々の間を掻き分けて進もうとする。
「私は、この場にいる誰よりも長くお嬢様を知っています! お嬢様は、そんな人ではありません!」
「今すぐ殿下のところへ行かせろ!」
ピタも叫びながら、人の群れを掻き分けようとした。
ドルクはその後ろに立っていた。
表情は険しく、ほとんど何も口にしなかったが、ただ不安そうに状況を見つめていた。
しかし、彼ら数人の声だけでは、部屋中を覆い尽くした疑念の流れを止めることはできなかった。
近衛騎士団長は手を上げ、静粛を求めた。
「これまでに提示されたすべての証拠を総合した結果、日記、計画書、腕輪、証人の証言、そして長年にわたって一致している一連の出来事から、セラフィーナは正式な審理が行われるまで、身柄を拘束するものとする」
「嫌です!」
セラフィーナは恐怖に満ちた声で叫んだ。
「私は何も悪いことなんてしていません!」
二人の兵士が近づき、彼女の両腕を掴んだ。
セラフィーナは必死に抵抗する。
しかし、自分よりはるかに強い兵士たちの力には抗えなかった。
「お父様!」
セラフィーナは、離れた場所に立つ皇帝へ向かって叫んだ。
その顔には、読み取ることのできないほど複雑な感情が浮かんでいる。
皇帝はその場に立ち尽くしていた。
すぐには何も答えなかった。
その瞳には、困惑と苦痛が浮かんでいる。
それでも、進行している手続きを止めるために前へ出ることはなかった。
セラフィーナは兵士たちに引きずられるようにして、部屋から連れ出されていった。
助けを求める彼女の叫び声は、遠ざかるにつれて少しずつ小さくなっていった。
ヘレンはその場に膝から崩れ落ち、頬を涙で濡らした。
ピタは悲しみに暮れる彼女を強く抱き締める。
セラフィーナは、暗く冷え切った小さな牢獄へと閉じ込められていた。
硬い石の床に座り、両手には鉄の鎖が掛けられている。
彼女は周囲を取り囲む石壁を見つめた。
頬を伝う涙は、どうしても止めることができない。
「全部が繋がっている……私がまだ子供だった頃から、今までずっと。まるで誰かが私の人生をずっと見張っていて、すべてを集めて私を壊すための時を待っていたみたい……」
セラフィーナは自分の膝を強く抱き締めた。
涙は、それでも止まらなかった。
「お母様……私は、どうすればいいの……?」




