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第22章:黄金の空が輝く時

リゼロットがまだ鏡の前で勝ち誇った笑みを浮かべていたその時だった。


突如として、すべてを切り裂くような凄まじい雷鳴が轟いた。部屋の窓ガラスが粉々に砕け散り、鋭い破片が室内に飛び散る。


リゼロットは驚愕して飛び上がり、心臓が破裂しそうなほどの速さで鼓動を打った。


薄暗い部屋の中、ちらつく稲妻の光を背にして、一人の少女の影がゆっくりと浮かび上がってきた。その髪はまるで空気に残るわずかな静電気に引かれるように、ふわりと浮遊している。顔立ちは闇に包まれてはっきりと見えない。


「リゼロット・ヴェレンコート……」


闇の中から響いたその声は、ゾッとするほど冷徹で静かだった。


「想像以上に厄介な手口ね。私たちの情報網をそこまでかき乱すなんて」


リゼロットは後ずさるうちにドレッサーの角に体をぶつけた。恐怖で握りしめた拳の指先が白く血の気を失っている。


「……お姉様たちより先に、君の正体にたどり着けたのはアイリン私たちの仲間である先輩のアイリンのおかげよ」


「アイリン、だと……?」


リゼロットは震える声を絞り出し、必死に理性を保とうとした。「どういうこと……まさか……」


ごくりと喉が鳴る。「まさか、あの……『色欲のエリイン』と呼ばれる、『リノセロンテ』の……」


再び、外で稲妻が閃いた。その強烈な光が、少女の手に握られた異様な武器を照らし出す。


それは幅広で重厚な、銀色の長刀――大太刀だった。雪のように白い革が巻かれた長めの柄は、柔らかな見た目とは裏腹に圧倒的な殺気を放っている。


リゼロットはさらに一歩下がり、コントロールを失った体が激しく震え始めた。


そして、間髪入れずに次の稲妻が落ちた。その瞬間、閃光が少女の顔立ちを鮮明に暴き出した。


リゼロットは恐怖のあまり絶叫すら忘れ、血の気が完全に引いた顔で青ざめた。


「そんな……嘘でしょう……」


かろうじて出た声は、すっかり擦れて震えていた。


「宝石のような青い瞳、黄金の輝きを放つ髪、幼さの残る姿に、その銀の長刀……。まさか、あなたが……」


少女は静かに佇んだまま、その唇に一切の温もりを含まない薄い笑みを浮かべていた。


「『黄金の空が輝く時』」


少女は朗々と、まるで古い詩の一節を詠むかのように告げた。


「続きを言ってみなさい」


リゼロットは全身を震わせながら、凍りついたように立ち尽くした。やがて、絞り出すような、かろうじて聞き取れる声でその言葉を続けた。


「……人民こそが、この国の主なり」


言い終えると、彼女は絶望に染まった目でその少女を見上げた。「間違いない……あなたは、『白藍の竜』レナ……!」


青い宝石の瞳をまっすぐに向けたまま、レナは微動だにせずそこに立っていた。


「正解よ」


その一言が発せられた瞬間だった。


瞬きをするほどのわずかな時間の間に、リゼロットの体は音もなく細分化され、視覚が追いつかないほどの速さで切り刻まれていた。苦痛を感じる暇すらなく、その表情が歪むことすらなかった。


静寂が戻った部屋の中で、レナはただ静かに佇んでいた。足元に広がる光景を見下ろしても、その顔には何の感情も浮かんでいない。


彼女はゆっくりと、長刀を鞘へと収めた。カチリと響く金属の澄んだ音が、静まり返った室内に小さくこだまする。


そして、レナの姿はまるで最初からその場になかったかのように、夜の空気の中に霧散するようにすっと消えていった。

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