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第四部『時空の神界反逆と、絶対女王の輪舞曲』第76話:記憶の残響(ルビ:ラスト・ログ)と、何度でも君に恋をする誓い、

第四部『時空の神界反逆と、絶対女王の輪舞曲』


第76話:記憶の残響(ルビ:ラスト・ログ)と、何度でも君に恋をする誓い


世界の法律すら愛の暴走エネルギーでへし折り、私たちが辿り着いた絶対神界の最深部――そこは、全多元世界の歴史と因果のすべてが、巨大な光の繭のように蠢く世界の心臓部『|システムコア《・ ・ ・ ・ ・ ・》』だった。


そのコアの前に立ちはだかる、残された二柱の女神たちの顔に、かつての神々しいまでの余裕はどこにもなかった。


その瞳には、私たちの理不尽なまでの愛の重さへの、明確な恐怖が宿っている。


『――愚かなるバグどもよ。絶対神界のシステムをこれ以上破壊するならば……お前たちの「最も大切なもの」を、この場で完全に消去(デリート)する』


女神が冷酷な音声を響かせ、システムコアを強く発光させた瞬間、空間全体に、私たちが前世の地球で過ごした『旭(アサヒ)(・ ・ ・)』としての記憶、アレンと出会った異世界の記憶、そしてソルや夕日、クロノやシオンと紡いできた旅のすべての『絆のデータ(・ ・ ・ ・ ・)』が、無数の淡い光の硝子細工のようになって浮かび上がった。


『このコアにあるデータが消えれば、お前たちは前世の記憶も、互いを愛していた記憶もすべて失い、ただの赤の他人へと還る。それでもまだ、神に刃を向けるというのか』


「な……っ!? 記憶を……私たちの絆を人質にするなんて……っ!」


私の息が止まり、銀色に染まっていた瞳が激しく揺れた。


お母さまユウコが遺してくれた、私の大好きな前世の記憶。


アレンたちに深く愛され、狂おしいほどの執着で護られてきた、あの世界で一番温かかったすべての思い出が、女神の指先ひとつで永遠に消し去られようとしている。


「チッ、卑劣なアルゴリズムだ。お嬢さんの大切なデータを人質に取るなんてな……っ!」

電脳情報長官のシオンが、空中キーボードを叩く指を悔しそうに止め、冷や汗を流す。


神界のコアシステムそのものを人質に取られては、シオンのハッキングでも強制消去を止める前にデータが壊れてしまう。


絶体絶命の静寂。


私が恐怖に震え、涙を零しそうになった、その刹那だった。


「――フッ、なんだ、そんなことかい。神の脅し文句としては、あまりにも退屈だよ」


私の真後ろから、最高魔導宰相であるアレンが、何のためらいもなく私の腰を両腕で強く、きつく抱きしめた。


彼の広い胸の温もりが背中に伝わり、耳元で囁かれる琥珀色の瞳の大人の微笑みには、一片の迷いも、恐怖も宿っていなかった。


「アサヒ。例えこの世界から俺たちの記憶が消え去ろうとも、俺の魂の深淵は、一瞬で目の前にいる君を見つけ出す。記憶なんて何度でも俺が作り直してあげる。何度でも君に出会い、何度でも君を溺愛し、何度でも君を俺だけのものにするだけさ」


「そうだよ、アサヒ!」


最高騎士団長のソルが、黄金の髪を揺らしながら私の正面へと回り込み、私の両手を自分の胸に力強く引き寄せた。


太陽の瞳に宿る、本能の愛。


「僕の魂は、地球にいた時からずっとアサヒの奴隷なんだ! 脳の記憶が消えたって、僕の細胞が、僕のソウルが、アサヒを愛することを絶対に忘れない! 記憶なんて関係ない、僕たちは絶対に離れたりしないよ!」


「ふふ……あははははッ! アサヒちゃん……。もしアサヒちゃんが夕日のことを忘れちゃったら、今度は夕日がアサヒちゃんを最高に素敵な秘密の部屋に監禁して、夕日だけを愛するように、ゼロからじっくり調教してあげるからね……?」


最高暗殺部隊長の夕地が、完全にハイライトの消えた瞳に底なしの純愛の悦びを爛々と輝かせ、私の背中から細い腕を回して固く、固く抱きすくめてくる。


「調律のやり甲斐がある。アサヒ、記憶の針なんて、俺がいつでもお前のために巻き戻してやるよ」


「おうよ! 忘れた分の甘い思い出は、これからいくらでも俺たちが上書き保存(セーブ)してやるさ、お嬢さん!」


時空調律官のクロノが黒い歯車を強く握りしめ、シオンが不敵に笑って私の隣に並んだ。


記憶が消える恐怖すら笑い飛ばし、「何度でもアサヒに恋をして、何度でもアサヒを奪いに行く」と誓い合う、愛の重すぎる5人の最強の男たち。


彼らの限界突破した独占欲と執着心が、私の心の中の絶望を、一瞬で完全消去(デリート)していった。


「みんな……。ありがとう。私も……みんなのことが、何回生まれ変わっても大好きよ!」


私の叫びに呼応するように、胸元の銀の懐中時計と右腕の七色の刻印が、多元世界の全タイムラインを完全に融解させるほどの、まばゆい『|至高の五重絆の創世光《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』を放って大爆発した。


バササササササササササササッ!!!


私の背中から、5人の魂の誓いを乗せて最大進化した、漆黒と黄金、そして紫電と深紅に激しく燃え盛る『|巨大な時計仕掛けの三十翼《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』がバサリと出現した。


私の瞳は完全な虹色へと染まり、全身から世界のシステムそのものを初期化(リセット)して再構築するほどの、圧倒的な絶対女王の威圧感が解き放たれる。「私たちの絆は、神様のシステムなんかじゃ、絶対に消せないわ!!」


私の右腕の刻印から、5人の愛の誓いの魔力が一本の束となり、世界のすべての法律と記憶を永遠に固定する『|創世因果の七色聖槍《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』が、私の手の中に具現化した。


『馬鹿な……!? 記憶を失うことを、世界の理が消えることを恐れないというのか……っ!?』


残された二柱の女神たちが、ガチガチと恐怖に震えながら絶叫する。


私は三十翼を力強く羽ばたかせ、システムコア、そして神々の本体めがけて、その創世の聖槍を真っ直ぐに、全力で投げ放った。


「はああああああああああああああああああッ!!!」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!全時空、全多元世界、そして歴史のすべてがひっくり返るほどの、凄まじい光輝の完全大爆発が絶対神界の最深部を完全に埋め尽くした。


私たちの記憶を人質に取っていたシステムコア、そして絶対運命三女神の本体は、私たちの『何度でも恋をする誓い』を乗せた一撃の前に、ただの一秒も持ちこたえられず、プログラムの根底から文字通りド派手に完全粉砕(デリート)されて消滅していった。


――まばゆい純白の光。


システムコアが粉砕されたことで、私たちの記憶の硝子細工が眩しく砕け散り、光の雨となって私たちの身体へと降り注ぐ。


消えなかった。


消えるどころか、私たちの魂の奥底に、前世の地球からの、そしてこれまでの全ての旅路の記憶が、二度と引き剥がせないほどにガッチリと、完璧に融けて焼き付いていく。


気がつくと、私たちは、すべての並行世界が美しく調和して融合した、新帝国の煌びやかな玉座の間へと帰還していた。


「あ……みんな……?」


私が目を開けた瞬間、5人の男たちが物凄い勢いで一斉に飛び込んできて、私の身体をガッチリと、涙が出るほど過保護に強く抱きとめた。


「アサヒ……! よかった、君のすべてを覚えているよ。さあ、もう君を縛る神も、記憶を脅かすシステムもどこにもいない。これからは俺の腕の中で、永遠に甘やかされておくれ」


アレンが私の身体をきつく抱き締め、愛おしそうに私の頬を撫でる。


「アサヒ、大好きだよ! 僕たちの絆は神様に勝ったんだ! これからは毎日、僕が一番にアサヒをハグして愛してあげるからね!」


ソルが私の手を握り、太陽の瞳を輝かせる。


「ふふ……アサヒちゃん。記憶が消えなくてよかった……。お城の地下に作った夕日だけの特等席で、ずーっとぎゅーってしてあげるね……?」


夕日のヤンデレな呟きが耳元で弾け、クロノとシオンも満足そうに微笑んだ。


世界のシステムそのものを打ち破り、完璧な絆を守り抜いた私たち。


これからはじまるのは、融合した新帝国『クロノス・アルカディア』での、5人の愛の重すぎる男たちに全方向から囲まれた、最高に甘々で幸せな女王様としての日常――。


しかし、世界のシステムをハッキングして書き換えた私たちの元に、シオンの電脳端末がピピピと新たな、けれどどこかワクワクするような通知を鳴り響かせた。


「ハハッ、お嬢さん、猛犬共! システムを書き換えたせいで、まだ見ぬ未知の世界(新たな次元)へのゲートが、世界中に新しく開きまくってやがるぜ!」


「ふふ、面白いじゃない。みんな、私たちの時計の針は、まだまだ止まらないわよ!」


私は右腕の七色の刻印を強く握りしめ、愛する5人の最強の男たちと共に、終わらない大冒険と、一生終わらない甘々な逆ハーレムの日常に向けて、新帝国の絶対女王として、力強く未来への一歩を踏み出した――!


(第四部『絶対神界反逆編』・完。第五部『ルミナス令嬢の逆ハーレム新世界開拓と、絶対女王の輪舞曲』へ続く)

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