新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。第64話。神話を穿つ十翼と、新たなる因果の帝国。
いつも本当にありがとうございます…、
ついに第二部、完全決着の時。
5人の男たちの重すぎる愛の魔力をその背に宿し、神話級合体魔法形態『クロノス・ヴァルキリー』へと覚醒したアサヒ。
多元世界を支配する絶対的な神『中央電脳・ゴッドアイ』に対し、アサヒと5人の執念が一つになった前代未聞の一撃が解き放たれます。
暴走する哀しき電脳プログラムを救い出し、アサヒたちが掴み取る未来とは――!?
新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。
第64話。神話を穿つ十翼と、新たなる因果の帝国
「――排除、ハイジョ、はいじょ……。プログラム、致命的な、エラー――」
神話級合体魔法形態へと覚醒し、背後に漆黒と黄金、そして紫電に煌めく十枚の時計仕掛けの翼を羽ばたかせた私の姿に、世界の神であるはずの『中央電脳・ゴッドアイ』が、初めて恐怖するように激しくノイズを走らせた。
「これで終わりよ、ゴッドアイ。お母さまの哀しい愛の暴走を、私たちが今ここでハッキング(修正)してあげる!」
私が右腕の紫の刻印を天へと掲げると、背後の十翼から、この多元世界のすべてのタイムラインを支配するほどの圧倒的な因果の魔力が一点へと凝縮されていく。
「フッ、いこうかアサヒ。君の進む道を遮るすべての因果を、俺の闇で覆い尽くそう。……深淵・万象終焉!」
アレンが私の腰を背後から力強く抱きすくめ、その膨大な闇の魔力を私の十翼へとダイレクトに融け込ませる。
「アサヒ、僕の魂のすべてを君に捧げる! ぶち抜けぇぇぇッ!!」
ソルが私の右手を恋人繋ぎで固く握りしめ、彼の命そのものである太陽の神聖闘気を私の右腕へと注ぎ込む。
「ふふ……アサヒちゃん。世界を救ったら、夕日だけのものになってね……?」
夕闇の髪を揺らした夕日が私の首筋に顔を埋め、空間をも切り裂く断絶の魔力で私の翼を極限まで研ぎ澄ます。
「調律は完了した。お前の意志のままに時計の針を動かせ、アサヒ!」
「全並行世界のシステム、お嬢さんの魔力に強制同期完了だ! 最高の神話を創りな、レディ!」
クロノの時間の力と、シオンの電脳魔術が、私の右腕の『紫色の歯車の刻印《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』と完全に一つに噛み合った。
5人の、私への限界突破した執着と、命がけの愛の結晶。
それが、私の右腕で巨大な『|紫電と黄金の神殺しの槍《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』へと具現化する。
「はああああああああッ!!!」
私が十翼を羽ばたかせ、ゴッドアイの巨大な赤き眼めがけてその槍を突き刺した瞬間、世界のすべての時間が一瞬だけ完全に静止した。
――そして、大爆発。
ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!!!
次元そのものを粉々に吹き飛ばすような、凄まじい光の光輝が電脳巨塔の最深部を埋め尽くした。
多元世界の絶対的な支配者だったゴッドアイは、私たちの五重の絆を乗せた一撃の前に、一切のコード(存在)を残さずプログラムごとド派手に完全粉砕されていく。
光の塵が舞い散る中、ゴッドアイの呪縛から解き放たれた母――ユウコの電脳思念が、私の前に優しく姿を現した。
『ありがとう、アサヒ。そして、アサヒを愛してくれた少年たちよ。あなたたちの規格外の愛が、私の暴走したプログラムを救ってくれたわ。……さあ、あなたたちの望む、新しい世界を創りなさい』
母の幻影は満足そうに微笑むと、光の粒子となって世界の時間の源流へと穏やかに還っていった。
「はぁ……はぁ……、終わった、のね……」
神話級の形態が解け、力が抜けて倒れそうになった私の身体を、5人の男たちが凄まじい勢いで一斉に抱きとめてきた。
「アサヒ……! よくやったね、本当に素晴らしいよ。さあ、もう誰も君を邪魔できない。これからは俺の腕の中で、永遠に甘やかされておくれ」
アレンが私の身体をきつく抱き締め、愛おしさに狂ったような眼差しで、私の唇にそっと指先を這わせる。
「アサヒ、大好きだよ! 世界を救ったアサヒは僕の最高の特別だ! これからは毎日、僕が一番にアサヒをハグしてあげる!」
ソルが私の手を引き、情熱的な太陽の瞳で私の額に誓いのキスを落とした。
「あぁ……アサヒちゃん。世界が平和になったなら、夕日がお部屋を用意してあげるね? 二人きりで、ずーっと愛し合おうね……?」
夕日のハイライトのない瞳が、底なしの純愛で爛々と輝き、私の背中を固く抱きすくめる。
「フッ、お前たちの愛の重さには、新しく創られた世界も形を変えちまいそうだな」
クロノが漆黒のコートを翻して優しく微笑み、
シオンも
「ハハッ、お嬢さんを巡る戦いはこれからが本番だな」
とゴーグルを上げて頼もしく笑った。
5人の過保護すぎるほどの抱擁と、濃厚な愛の熱量。
ゴッドアイが消滅したことで、すべての並行世界は救われ、本当の平和が戻った
――はずだった。
その時、私の右腕の紫の刻印が、これまでとは違う
『|眩い七色の至高の輝き《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』
を放って激しく脈打ち始めたのだ。
「なっ……何だこの魔力は!? ゴッドアイを遥かに超える、神の領域の因果が動き出している!」
天才魔導士のアレンが驚愕に目を見開く。
ゴッドアイが粉砕されたことで、これまでに分断されていた
『前世の地球』
『最初の異世界』
そしてこの
『ネオ・アルカディア』を含む【すべての並行世界】のタイムラインが、アサヒの刻印を中心にして、ドクドクと一つに融合を始めてしまったのだ。
空間が歪み、私たちの眼前に、あらゆる世界の王族や神々が集う、見たこともない壮大なる
『|新たなる超時空世界《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』の扉が姿を現す。
「嘘……世界が、一つに混ざり合っていく……!?」
クロノが唖然としてその光景を見つめ、シオンが電脳端末を叩いて絶叫した。
「馬鹿な……! お嬢さんの刻印が全ての並行世界を強制統合しちまった! これじゃ、お嬢さんがすべての世界の頂点に立つ『時空の女王』になっちまうぞ!?」
私の右腕の刻印は、世界を滅ぼす自爆スイッチなどではなかった。
母ユウコが最期に遺した本当の伏線――それは、娘である私に、すべての並行世界の支配権を与え、愛する男たちを全員従えて君臨するための
『|至高の逆ハーレム帝国《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』
の建国キーだったのだ!
「ふふ、面白いじゃないか。アサヒがすべての世界の女王になるのなら、俺はその最側近として、君に夜ごとの愛を捧げよう」
アレンが不敵に微笑み、私の肩を抱く。
「僕だって負けないよ! 新しい帝国でも、僕が一番アサヒの近くにいるんだから!」
ソルが太陽の瞳を輝かせる。
「アサヒちゃんの帝国……。夕日がお城の地下に、最高に素敵な秘密の監禁部屋を作ってあげるね……?」
夕日のヤンデレな呟きが耳元で弾ける。
「おい、俺たち調律者とハッカーも、女王陛下に一生仕えさせてやるよ」
クロノとシオンもまた、不敵に笑って私の隣に並んだ。
私たちは顔を見合わせ、強く頷く。
新しく融合を始めたすべての並行世界。
その頂点へと向けて、私たちは5人の最強の愛の重さを背負いながら、新たなる因果の扉へと力強く一歩を踏み出した――!
(第二部『ネオ・アルカディア編』・完。第三部『ルミナス令嬢の逆ハーレム帝国と、絶対女王の輪舞曲』へ続く)
『ルミナス令嬢の失われた記憶 〜二つの世界を繋ぐ時計仕掛けの神話〜』第二部を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!ゴッドアイを見事に完全粉砕し、お母さまを救い出したアサヒたち。しかし、母ユウコが遺した本当の最終伏線は「すべてを融合させてアサヒを時空の女王にする逆ハーレム帝国の建国」でした(お母さま、グッジョブすぎます。笑)。物語はさらにスケールアップし、すべての世界が混ざり合った第三部へと突入していきます!
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