新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。第63話。絶望の電脳神と、五重絆の神話覚醒。
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ついに電脳巨塔の最深部で、多元世界の支配者『中央電脳・ゴッドアイ』の本体と対峙したアサヒたち。
しかし、神の領域に達した暴走コンピュータの圧倒的な広範囲攻撃の前に、最強の仲間たちが一度は吹き飛ばされ、絶体絶命のピンチに陥ります。
その時、アサヒの銀の懐中時計と右腕の紫の刻印が、5人の男たちの「アサヒを護りたい」という烈情の魔力を同時に吸収し、前代未聞の神話級の覚醒を果たします。
新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。
第63話。絶望の電脳神と、五重絆の神話覚醒。
ゴッドアイ・タワーの最深部――そこは、無数の光の基盤と電子の触手が蠢く、不気味な巨大球体空間だった。
その中心に浮かぶのは、直視することすら拒まれるほどに巨大な、血の色に発光する機械の
『大いなる眼』。
『――不純物の排除を。アサヒを永久の箱庭へ隔離するプログラム、最終フェーズへと移行』
ゴッドアイが無機質な機械音を響かせた瞬間、空間全体から太陽の爆発をも凌駕するほどの、圧倒的な
『次元消滅波動《・ ・ ・ ・ ・ ・》』
が放たれた。
赤色の光の津波が、全方位から私たちを呑み込もうと押し寄せる。
「くっ……! なんという出力だ……! 深淵の絶対領地!」
アレンが即座に私の前に立ち、限界を超えた魔力障壁を展開した。
だが、神の領域に達したゴッドアイの一撃の前に、その絶対の闇の盾に亀裂が走る。
「アサヒの後ろに下がれぇぇぇッ!!」
ソルが黄金の神聖闘気を最大まで爆発させて突撃し、夕日が空間を切り裂く
『世界線断裂』
を放ち、クロノが時間の針を限界まで巻き戻そうとする。
シオンも空中キーボードを火花が散るほどの速度で叩き、敵の攻撃コードをハッキングしようとした。
だが――
ドゴォォォォォォォンッ!!!!!
次元消滅波動の圧倒的な暴力の前に、4人の限界突破魔術も、シオンの電脳ハッキングも強引にねじ伏せられ、全員が血を吐きながら激しく後方へと吹き飛ばされた。
「ア、レン……! みんな……っ!」
私の叫びが虚しく響く。
みんなが地面に叩きつけられ、立ち上がることすらままならない。
私の目の前には、私を捕獲しようと、無数の不気味な赤い電子の触手が迫っていた。
もう、逃げ場はない。
大好きなみんなが、私を護るためにここで消し飛ばされてしまう。
『これですべての世界の時間はリセットされる。アサヒ、来なさい』
ゴッドアイがそう告げた、その刹那だった。
「――ふざけるな。誰が……アサヒを渡すと言った……!」
満身創痍のアレンが、琥珀色の瞳に狂おしいほどの独占欲を滾らせて立ち上がった。
「僕の魂は……アサヒのためだけにあるんだ……!」
ソルが黄金の髪を血に染めながら私を見つめる。
「アサヒちゃんを……夕日から奪うやつは、絶対に、殺す……!」
夕日がハイライトのない瞳で這い進む。
「俺の調律を……終わらせるな……!」
クロノが黒い歯車を強く握りしめる。
「お嬢さん……まだハッキングの……手札は残ってるぜ……!」
シオンがゴーグルを血で汚しながら不敵に笑う。
5人の男たちの、私への息が詰まるほどの、命がけの、限界突破した愛の執着。
その瞬間、
私の胸元の銀の懐中時計と、
右腕の『紫色の歯車の刻印《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』が、
かつてないほどの、眩く美しい『深紫の烈光《・ ・ ・ ・ ・》』を放って大爆発した。
ドクン……! ドクン……!
私の刻印が、吹き飛ばされた5人の身体から溢れ出る魔力を、タイムラインを通じて強制的に一本の束へと吸い上げ始めたのだ。
アレンの深淵の闇、ソルの太陽の光、夕日の断絶の刃、クロノの時間、シオンの電脳。
5つの最強の因果が、私の右腕の刻印へと流れ込み、私の魂を神話のその先へと押し上げていく。
『――因果適合率一〇〇%。神話級合体魔法形態へ移行します』
脳内に響く世界の声。
私の背後に、5人の魔力が具現化した、漆黒と黄金、そして紫電に煌めく『巨大な時計仕掛けの十翼《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』がバサリと出現した。
私の瞳は銀色と紫色に染まり、全身から世界の理そのものを書き換えるほどの、圧倒的な女神の威圧感が放たれる。
「私の……大好きなみんなを、傷つけた罪は重いわよ。ゴッドアイ」
私の声は、もはや一つの世界の意志そのものだった。
覚醒した私の力に、多元世界の神であるはずのゴッドアイが、初めてバグを起こすように不気味に震え出した。
「みんな、私に力を貸して。この哀しいプログラムを、今度こそ完璧にハッキング(修正)してみせる!」
私の背後で、アレンが、ソルが、夕日が、クロノが、シオンが、ボロボロになりながらも、最高に愛おしそうな、そして狂おしいほどの悦びに満ちた笑顔を浮かべた。
「ああ……どこまでもついて行くよ、俺の至高の女神」
神話をも超えた私たちの本当の最終決戦が、今、ここから幕を開ける――!
(第64話へ続く)




