新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。第62話。電脳巨塔の電撃作戦と、五重因果の突破口近未来都市。
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第61話で暴かれた、中央電脳・ゴッドアイの正体と多元世界崩壊の真実。
アサヒ一人を閉じ込めるための箱庭を作ろうとする暴走コンピュータに対し、愛の重すぎる男たちの答えはひとつ――「システムごと叩き潰す」。
ついにゴッドアイの鎮座する電脳巨塔への突入作戦がスタート!
シオンの電脳ハッキングと4人の限界突破魔術が、幾重もの罠をド派手に粉砕していく最強の反逆アクションが幕を開けます!
新章・第二部『ルミナス令嬢の刻印と、崩壊する多元世界の輪舞曲』。
第62話。電脳巨塔の電撃作戦と、五重因果の突破口近未来都市
『ネオ・アルカディア』の中心に聳え立つ、天を突くような超巨大電脳都市の心臓――電脳巨塔『ゴッドアイ・タワー』。
タワー全体が血のような赤色のレーザー防壁で覆われ、空間そのものが数億の暗号コードによってガッチリと隔離されていた。
「よし、お嬢さん、猛犬共。作戦開始だ。俺の電脳魔術でお前たちのタイムライン(存在)をタワーのシステムに無理やりねじ込んでやる。……ついて来な!」
シオンがゴーグルを叩くと、彼の周囲に展開された無数の空中キーボードが、目にも留まらぬ速度でタイピングされ始めた。
「多層次元偽装《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》――ハッキング・スタート!」
シオンの指先から放たれた青いコードの奔流が、タワーの赤いレーザー防壁に触れた瞬間、そこだけがカチリと青い『許可領域《・ ・ ・ ・》』へと書き換えられていく。
「フッ、上出来だ。では、道を開けようか」
アレンが私の腰を力強く引き寄せ、不敵に笑った。
天才魔導士である彼の琥珀色の瞳には、アサヒの未来を邪魔するシステムへの絶対的な冷徹さが宿っている。
「アサヒ、俺から離れてはいけないよ。……深淵の黒雷!」
アレンが片手を突き出した瞬間、タワーの防衛ドローン数千機が配置されていた空間そのものが、常夜の闇を凝縮した漆黒の雷撃によって一瞬で消滅させられた。
セキュリティがバグを起こし、火花を散らして爆発していく。
「アサヒの道を塞ぐゴミは、僕が全部、光のチリにしてあげるッ!」
ソルの黄金の髪がプラズマを放ち、アレンの闇を追い越すように前線へと飛び出した。
タワーの壁面から出現した、世界を消滅させるほどの威力を持つ
『時空消滅砲《・ ・ ・ ・ ・》』
の銃口が私たちに照準を合わせる。
しかし、それよりもソルの本能の怒りの方が遥かに速かった。
「限界突破――極星太陽神威烈波!」
ソルの両手から解き放たれた純度一〇〇%の黄金の神聖光線が、タワーの装甲ごと、数キロメートルに及ぶ防衛兵器のラインをまとめて融解・蒸発させていく。
「ふふ……アサヒちゃん。夕日の後ろにいれば、悪い機械の破片も当たらないからね……?」
影から滑り出た夕日が、私の背中を守るようにぴったりと寄り添いながら、完全にハイライトの消えたヤンデレの瞳で漆黒の双剣を交差させた。
タワーのセキュリティシステムが、私たちの足元の空間を強制排除しようと
『空間削除プログラム《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』を発動させる。
だが、夕日の刃がキィィンと鳴った瞬間――。
「断絶・因果両断《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》!」
空間が削除される前に、そのプログラムの数式そのものが夕日の歪んだ狂愛の刃によって千切りに切り刻まれ、無効化されて霧散していった。
「調律の時間を稼いだぜ。クロノ、合わせろ!」
シオンの叫びと同時に、タワーの最深部へと続く
『絶対防衛システム《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』の巨大なシャッターが出現する。
それはあらゆる物理・魔法を遮断する、ゴッドアイの最後の盾。
「言われるまでもない。世界の針を――ここで進める!」
漆黒のコートを翻したクロノが、黒い歯車をそのシャッターへと叩きつけた。
カチリ。
クロノが時空のタイムラインを強引に数秒先へと「スキップ」させる。
すると、絶対に破れないはずのシャッターが、まだ閉まる前の『過去の座標』へと強制的に調律され、無防備な空白を作り出した。
「そこだ、猛犬共! 最大出力でぶち抜けぇッ!」
シオンの電脳ハッキングが、敵のコアの防御コードを完全にリセット(剥ぎ取り)する。
アレンの深淵の闇、ソルの太陽の光、夕日の断絶の刃、そしてクロノの時間の調律。
5人の天才たちの魔力と技術が、私の右腕の
『紫色の歯車の刻印《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』
の輝きと完全にシンクロし、一条の巨大な反逆の光柱となってタワーの心臓部へと突き刺さった。
ドゴォォォォォォォォンッ!!!!!
タワーの全階層が連鎖爆発を起こし、張り巡らされたサイバーセキュリティや罠は、私たちの圧倒的な連携の前に、一枚の紙のようにド派手に粉砕されていく。
「ははっ、マジで規格外の奴らだぜ。セキュリティが全滅していやがる!」
シオンが冷や汗を流しながらも、最高に楽しそうに笑う。
爆煙と硝煙が立ち込める中、タワーの最深部へと続くリフトの上で、4人がすぐさま私の全方位をガッチリと、そして過保護すぎるほどに抱きとめてきた。
「アサヒ、怖くなかったかい? よく頑張ったね。君のその勇敢な姿も、俺の心を狂わせるよ」
アレンが私の腰を強く引き寄せ、その唇を私の額へと優しく落とす。
「アサヒ、怪我はない!? ほら、僕がぎゅーってしてあげるから、元気出して!」
ソルが私の両手を自分の胸に引き寄せ、熱い太陽の瞳で私を見つめる。
「あぁ……アサヒちゃんの覚醒した紫の魔力、すっごくゾクゾクしちゃう……。早くゴッドアイを壊して、夕日だけの箱庭に行こうね……?」
夕日の細い指先が、私の服の裾を固く、決して離さないという執着で握りしめていた。
「フッ、お前たちの愛の重さにはゴッドアイも計算が追いつかないだろうな」
クロノもまた、漆黒のコートの下で不敵に微笑んでいる。
5人の限界突破した力と、息の詰まるほどの密度の愛。
タワーの最深部の扉が、ガガガと重厚な音を立てて開き始める。
その向こうで待っているのは、多元世界の支配者
『中央電脳・ゴッドアイ』。
「ええ……! お母さまの遺した悲しいプログラムを、今度こそ終わらせましょう!」
私は右腕の紫の刻印を強く握りしめ、愛する彼らと共に、神話を書き換える最後の戦場へと足を踏み入れた――。
(第63話へ続く)
第62話をお読みいただき、本当にありがとうございました…シオンのハッキングサポートを受け、アレンたちの限界突破魔術がゴッドアイ・タワーの罠をド派手に粉砕していく突入バトル回、いかがでしたでしょうか?アサヒを絶対に護るという男たちの執着と愛が、戦闘の中で最強の五重奏となって爆発いたしました(戦闘中なのにハグを忘れないアレンたちや、安定のヤンデレ夕日ちゃんも絶好調です。笑)。ついに扉の向こうには、最終ボスである『中央電脳・ゴッドアイ』が待ち受けます。
面白いと思ってくださると嬉しいです…。




