第19話:西部地区からの便り
その後の数週間で、巨大王都【ロシャン】での生活リズムはそれなりに「日常」と呼べる絶対の一定周期へと収束していった。――ギルド掲示板から受注した細々とした白磁クラスの依頼、真夜中のセーブタイムを費やしておこなうエリスへの魔力精密制御の反復特訓、そしてエースのやつが「俺、完全に肉のクオリティをミリ単位で見分けられるプロ(専門家)だからさ」と言わんばかりの最高に不敵なポーカーフェイスを全開にして、何故か普通の大型犬サイズ(シュリンク状態)のまま俺の市場の買い出しミッション(買い出し)へ常時マーク(並走)して付いてくる、そんなのんきな朝一のタイムライン。
(てめえ、自炊ミッション(調理)の操縦桿(担当)を握ってるの俺なんだからさ、料理スキル未実装のてめえがそこまでオタク的に数値を査定するメリットなんて一文字もねえだろ)
≪――不服。だがな、主。その食材を実際に胃袋のキャパシティへインポート(完食)してクリア報酬を享受するのはね、他ならぬこの俺のアカウントなのですよ。その事象ログ(現実)を考慮すればね、俺は立派な当事者としてシステム登録される権利(資格)があるがね≫
エースのやつはね、脳内直接通信回線【魂回路】から、その戦術ロジック(論理の飛躍)に対する矛盾エラー(バグ)なんてこれっぽっちも気に留めてねえ完全フラットなトーンで、アンサーを弾き返しやがった。
当事者、ねぇ。はいはい、了解、了解。
俺たちのパーティー(三人)はね、その段階までにギルドの内部システムにおけるクラス称号を【黒鉄・ブロンズ】から【白磁・アイアン】の併記ステータス( Bronze-plus-Iron )へと順調にビルドアップさせていた。おかげさまで、あの受付嬢マルタのほうがね、こちらから特定のプロンプト(開示要求)を出さずともさ、通常運転よりもほんの少しだけ高位のクリア報酬(上等な仕事)をカウンター越しにスッと一括ダウンロード(受注)させてくれるようになっていやがったんだわ。――大半が商人馬車の護衛ミッション(エスコートタスク)、あるいは、羊皮紙に刻まれた「害獣駆除」なんていう可愛い文字スペックを天地がひっくり返るレベルでぶち抜いて、実際には最高に最悪なデスマーチ(危険な化物戦)を強いられる、そんなお約束のバグ交じりの通常契約の数々。
だがな。あの最初の一週間の街道でエンカウントしたあの盗賊の一個師団の時みたく、俺たちの最大全開スペックの引き出し(力)をミリ単位でも解放させるほどの特級の修羅場なんて、最初から一文字だって発生しなかったさ。そして当然の如く、あの闇の元凶【大司教セルウィン】やあの宗教首都【オルデンリーチ】への確定ルートにアクセス(肉薄)できるような重要機密フラグだって、塵一つとしてフォルダには追加されなかったけれどな。
忍耐。俺はね、自らの脳内メインプロセッサ(理性)に向かって、常時常時「――絶対の忍耐( patience )をホールドし続けろ」と警報アラート(言い聞かせる)をランさせ続けていたさ。
だからって、何の大層な進展もない空白のタイムライン(ただの待機期間)に対してさ、魂のプロセッサがキリキリと不快な緊迫デバフ(フラストレーション)を起こしてオーバーヒートしそうになるのを、100%完全シャットダウン(リセット)できるわけじゃねえんだけどな、マジで。
◇
俺たちの第ニ章の歯車(本物の重要フラグ)を、そのフォルダへと一括インポート(お持ち帰り)しやがったのはね、他ならぬエリスの側の知覚レーダーだったんだわ。
ある日の午後のタイムライン(午後)、市場のフィールドから買い出しミッションを終えて我が家(宿屋の部屋)へと帰還してきたあいつの顔面グラフィック(表情)をスキャンした瞬間、俺のプロセッサはね、あいつ生の口(音声データ)から文字列が出力されるよりもずっと前の段階から、最悪な新規イベントの勃発を一発看破していたさ。
「……西側地区のグリッドでさ、深刻なバグ(トラブル)がサージを起こして明滅してるわよ」エリスは、調達してきた物資の入ったバッグをテーブルの上にコトリと置きながら、声を潜めて言い放った。
「【エルフ(エルフ)】の一一個師団(小さなグループ)よ。奴らがね、どこぞの深層サーバーから逃れてきた難民(難民)なのか、あるいはただの通常街道をランしてる放浪の旅人なのかはね、街の有象無象の知覚レーダーじゃあ100%の正確性で判別しきれてない状態なんだけどさ。……地元の衛兵隊のクソ野郎どもがさ、ここ丸二日間(二日間)もの長いスパン、執拗にあいつらのテリトリーへ突撃して、最高レベルのハラスメント(嫌がらせデバフ)を常時連打(常時マーク)し続けてやがるのよ。噂の情報ログをスキャンするにね……ここからのタイムライン、そのバグの数値(惨状)はさらに最悪な強制戦闘イベント(悪化)へと上書き更新されようとしてるわ、マジで」
エルフ、か。
今度の新しい人生にログインして以来ね、そんな種族カテゴリー(属性)の個体とは、まだただの一度だってまともにエンカウントしたこと無かったな。
「嫌がらせ、ねぇ……。具体的に、どんな種類のハラスメント(デバフ)を喰らわせてやがるんだ、おい」俺は尋ねてやった。
「宿泊施設へのログイン拒禁(アクセス拒否)。市場の露店の、優に半分以上のカウンターデスクでの交易コマンド(取引)の完全完全シャットダウン。おまけに昨日(昨日)のタイムラインじゃさ……あいつらのうちの一匹が、衛兵の物理ブレード(暴力)によって、完全に肉体スペック(からだ)をへし折られて(痛めつけられて)終了したらしいわ、街の露店店主どもの音声ログ(噂話)によるとね。――まぁ、HPの最大上限値が永久消去(死亡)するほどの深刻なロストなんかじゃねえがさ、あいつらのプロセッサに『てめえらここに居座る権利なんて一文字もねえよ(分からせ)』って絶対のヘイト(デバフ)を叩き込むにはさ、十分すぎる出力スペックだったろうね、マジで」
(チッ、最高に聞き覚えのあるお約束のクソマニュアル(ストーリーの形)じゃねえか。あのフェンリックのやつの過去ログ(境遇)とさ……そのシステム構造が何から何まで完璧に完全同期してやがるだろ。ただ、細かいグラフィック(ディテール)を違う服に着飾って偽装してるだけだわな、おい)
俺はね、その過去のロストログ(身内の思い出)との不気味な一致を感知した瞬間、自らの心臓のコア(最深部)の領域が、ギリギリと不快な緊迫デバフ(保護本能)を起こして強張るのを全霊で思い知らされていたんだ。魂の最深部にある古い古傷(悲しみの過負荷)と、あの失った仲間をマークする防衛システム(プロテクティブ)の二つのエナジーがね、一気全開で全画面で大爆発しやがったんだわ。
(――おい、てめえ。魂のシステム音声【反意識】。お前の高度なアナライズ(索敵知覚)で、今のシステムバグ(嫌がらせ)の本当の内部構造(動機)を検索しやがれ。これ、この王都ロシャンにおけるただの通常運転のマニュアル(差別の仕様)なのか? それともさ、裏のバックグラウンドで何か特定の起爆コマンド(原因)がランされて、そのフラグ(現実)を駆動させてるのか、おいッ!)俺は生の口(音声データ)を駆動させて、脳内回線へとプロンプトを叩きつけてやった。
『――世界通知。解答。対象の提示した重要質問に対し、奴らの本当のメインミッション(動機)を100%の確定データ(確信)を以て算出するにはね、現時点におけるフォルダの保有データ量が圧倒的にキャパシティ不足(不十分)です。
――だがな、個体名:カイ。人間どものテリトリー(国家領域)においてさ、高位のエルフ種族が理不尽な排斥デバフ(迫害イベント)を喰らう際、そのバグ発生の相関ログ( correlation )を逆算してみりゃあさ、そこに二つの明確なシステム仕様(仕様)が居座ってやがるのが一発で見抜ける(アナライズできる)と思うがね。
――案件その一:地元の希少な限定リソース(物資・富)を分捕り合う【生存権競合タスク(資源競争)】。
――案件その二:エルフ個体特有の、常識の限界上限をぶち抜いたあの理不尽な【大魔術保有スペック(魔法能力)】に対してさ、防衛セキュリティ(ガード)の脆弱な地元の通常人間どもがさ、脳内プロセッサで勝手に最大警戒マーク(恐怖)を敷いてパニックを起こしてる、というただその一点の不適合。
――いずれのルート(真実)であるにせよ、俺個人の戦術ガイド(ナビゲーション)としてはね、てめえ自身のアカウント(肉体)を今すぐそのフィールドの座標へとエンカウント(直接ログイン)させて、その全貌を直接この瞳のセンサー(画面)で全画面スキャン(直接観察)した後に、最終的なクリアルートを決定することを推奨するがね、マジでッ!』
(直接ログイン(直接観察)、ねぇ……。上等じゃねえか、いい戦術ガイドだわ、てめえ)
俺は脳内でにやりと不敵な笑みを浮かべたさ。だったらさ、俺たちのパーティーが今日この一日のタイムラインで実行すべきメインミッション(タスク)の中身はね、最初からコンマ一秒の狂いもなく完全確定したわけだからな。
「てめえ、最近になって目に見えて音声ログの駆動頻度が最大全開スペックへと上書き更新されてきてねえか、おい」俺は半分は生の口(独り言)を動かしてボソリと呟いた。
『――解答。それこそが、他ならぬ個体名:カイの側がさ、私に対してインポート(提示)してくる重要プロンプト(プロンプト)の知性クオリティ(変数の硬度)を、日を追うごとにミリ単位で最適化させてきていることに対する、絶対法則(リアルな結果)ですよ。私はいつだって、てめえの放ってきたデータ(質問の中身)の『価値リソース(重要度)』の容積(総量)に対して、完璧に完全同期する最適のクオリティでしか、音声データ(アンサー)を出力しないシステムプログラムですからね、なぁッ!』
(ククク。そりゃあ最高に高位の称賛(ポジティブな評価)として、俺の査定台帳に登録しといてやるわ、ありがとよ)
『――解答。その機密データの解釈はね、てめえ自身の脳内プロセッサ(お前の自由)で最も都合のいい仕様にシステム変換してインポートしていただいて構いません』
◇
目的の【西側地区】という名のステージはね、俺がこの王都ロシャンにログイン(到着)して以来さ、これまでに記憶したどのグリッド(街並み)に比べてもね、目に見えて大幅に防衛スペック(治安)が引き算(減衰)された、最高に泥臭いクソステージ(悪路)だったんだわ。――街道のセンチ数(道幅)は限界まで狭苦しく(ナロー)、地元の衛兵隊の巡回ローテーション(パトロール)の頻度も完全無に近い低数値。そのエリアを包み込んでいやがったのはさ、自らのテリトリー(目と鼻の先)のグリッドで勃発しちまってる最悪なバグイベント(犯罪)に対してね、近隣の有象無象どもが一から十まで100%完璧に「見て見ぬフリ(完全スルーモード)」を選択しちまって、フォルダのメモリを完全隠蔽している時にだけ発生する、あの独特のけたたましい緊迫デバフ(空気)だったさ。
俺たちはそのフィールドの真ん中において、目的のエルフの一一個師団の座標を、至ってイージーに検索して発掘したんだ。
――総数は、四(四つの個体)。
中央の市場広場の外縁部の死角グリッドに、吸い寄せられるように密にフォーメーション(身を寄せ合う)を組んで直立不動で佇んでいやがった。あいつらを取り巻く周囲の空間からはさ、地元の露店店主どもの知覚センサー(視線)がね、見事なまでにミリ単位の狂いもなく完全スルー( pointedly )をキメてアイコンタクトを拒禁しちまってるのが丸見えだったわ。
そしてそのすぐ目と鼻の先の centimeters (間合い)のグリッドにはね、地元のゴロツキのザコども(地元の不良ども)の一一個師団が、にやにや下卑た笑みを浮かべて徘徊( loitering )し、自らの精神システム(マニュアル)のヘイト値を最大最大スペックまで沸き立たせて、ここからのタイムラインで「単なる嫌がらせデバフ」のステージ上限をぶち抜いた、本物の最悪な強制戦闘イベント(集団暴行)へと突撃をキメてやろうと、虎視眈々と、あの独特のサバイバルポーズ(身構え)を敷いていやがったんだわ、なぁ。
はい、終了。
完璧な、完全一致。
同じ形状(同じ理不尽)。ただ、違うフィールド(違う服)を着こなして偽装してるだけだわ。
俺の右隣の間合いを同期させていたエリスのやつの肉体フォーメーション(構え)がね、一瞬にして、極限まで最大全開警戒マーク(強張る)を稼働させやがった。あいつの脳内の古い古傷(奴隷の過去ログ)がさ、目の前のグラフィック(惨状)と完璧に100%完全同期してサージを繰り返し、あいつの肉体の自衛システム(構え)を強制エンゲージ(作動)させたんだ。
そして、左隣のグリッドにいた特級銀狼のエースのやつの瞳のセンサー(目)もね、普通のザコ犬サイズ(シュリンク状態)を維持したまま、一切の油断なくピタリと完全停止して、全細胞の知覚知覚を鋭く起動モードへとアジャストさせやがったさ。
「……ねえ、カイ」エリスの口から、低く、物静かな音声データ(通信)が発行された。それはあいつの魂のコアの最深部から猛烈な焦燥(緊急プロンプト)を滾らせた絶対のオーダー。「俺たち、今すぐこの座標へ間合いをカットインして、何らかの防衛セキュリティ(介入)をランさせるべきだわ、おいッ!」
「ああ」俺は言ってやった。「その作戦行動(防衛ミッション)はね、最初から100%の確定ルート(予定)としてフォルダにエンゲージ(セーブ)されてるから安心しろって。だがな……ほんの一呼吸の間だけ、この特等席から奴らの全貌をウォッチ(観戦)させてもらうわ。俺自身の戦術演算としてね、自分がこれから一体どれほどの最大全開スペック(力ずく)を目の前のグリッドへとデポジット(投入)して分からせて(クリアして)やるべきか、その歯車の形状を完璧に完全看破(解明)してからにしたいからな、マジで」
そのエルフの一個師団の全容量(四人)のフォーメーションをパッと全画面スキャンした結果。――先頭の第一階層に立ちはだかり、身内の面々の盾となって直立不動で立ち尽くしていたのはさ、目に見えて大幅に年齢スペックが引き算(若い)された、一人のエルフの少女だった。その頭部のグラフィック(髪)を覆っていたのはね、この未開の森林フィールドの底サーバーじゃ一度として視認したことのない、美しい銀白色の毛皮の如き粒子を、実用的なお堅いマニュアル通りの三つ編みの術式( braid )でガッチリとホールド(結ぶ)した、あいつ。
その肉体の自衛ポーズはね、どこまでもミリ単位で防御スペック(ディフェンス)を研ぎ澄ませてはいやがったが、その内面のプロセッサにはね、100%の【絶望のバグ(恐怖)】なんてものは塵一文字すら登録されちゃいなかったんだ。――たとえ今、自分の周りを取り巻いているクリア確率(生存確率の数値)が、天地がひっくり返るレベルの絶望的な低数値を弾き出していようとな、だ。ただ己一匹の足だけで、この目の前の難題(地獄)へと真っ向から噛みついて(バトルして)クリア画面(生存)を手繰り寄せてやるんだ、っていう warrior の絶対の仕様。
(……ククク。なるほど。あいつが、あの四人のお荷物一個師団のメインプログラム(統率者)として機能してるわけか。そりゃあ最高に、俺の索敵マーク(エイム)を常時常時ロックオンして注視しておく価値のある、上等な最新スペックだわな、マジで)
次の瞬間、あの地元のゴロツキのザコ騎士どもが、一斉に肉体のセンチ数(間合い)をゼロに圧縮し始めやがって。奴らの音声ログ(下卑た怒号)が最大全開出力で世界に大爆発しやがった。
俺の脳内戦術シミュレーターがね、この一瞬のタイムラインを境にして、目の前のフィールドが「ただの膠着状態」という名のイージーモードから、正真正銘の「胸糞悪い最悪なシステム崩壊(集団暴行のイベント)」へと、マッハの速度で強制エンゲージ(突撃)するリザルト画面(未来)を的確に先読みしやがったんだ。
よし、終了。
これ以上の、のんきなウォッチ(観戦モード)のタイムラインはね、最初からフォルダには一文字の余白すら残されてねえわ。
俺はポーカーフェイス(真顔)のまま、その左右の相棒たちを見据え、次の刹那、マッハの速度でその広場の真ん中(正面のグリッド)へと、一直線に一歩前進をキメてやったんだわ。
――この俺という、絶対法則(異常個体)のアカウントをな、なぁッ!!!
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「――そこまでにしておきな」
俺はゴロツキどもとエルフたちの間のグリッドへとスッと割り込み、至ってpleasant(愛想のいい)なのんきなトーンで言い放ってやった。これまでの経験上ね、この緊張感のないのんきなムーブのほうが、どんな怒号の魔術(大声)を吹っかけられるよりも、遥かに相手の精神システムを狂わせる(デバフをかける)のには効果的だと知っていたからな、今回も完全にそのマニュアル通りだわ。
先頭のリーダー格の男――ガタイがよく、これまでに一度として自らの理不尽なヘイト(残酷さ)に対して力ずくでへし折られた(クリアされた)ことのない弱者特有の、あの傲慢で自信満々なトーン(オーバーコンフィデント)の塊――は、ただ一人で直立不動をキメている俺の姿をスキャン(値踏み)し、どうやら目の前のガキ(擬態皮膚のリーブ)相手に、自らの戦闘コマンドを再計算(ルート変更)するメリットなんて最初から一文字もねえとジャッジしやがったらしい。
「てめえの知るべき機密フォルダ(不審な詮索)じゃねえよ、ザコが」奴は吠え散らかした。
「この『長耳のバ物』どもはさ、最初からこのフィールドにログイン(滞在)する権利なんてねえんだよ。俺たちはただ、あいつらのプロセッサにその初期設定マニュアル(現実)を分からせて(思い出させて)やってるだけだわ、なぁッ!」
長耳のバ物、ねぇ。最高にチャーミングな音声ログ(セリフ)じゃねえか、おい。
「おかしいな、奇妙なバグ(矛盾)だわ」俺は言ってやった。
「俺の脳内データベースに登録されてるギルドマニュアル(ギルド憲章)が正しければさ、この地区の全サーバーにおける取引コマンド(交易)はね、ギルドに公式登録されたすべての来訪者に対して、種族カテゴリー(属性)の選別なんて一切排して、100%対等なハピネス(公平な取引)を保証してるはずなんだけどな。……まぁ、俺のプロセッサの側が、過去のログをただうっかり度忘れ(勘違い)してるだけかもしれないけどさ。もしてめえのほうが、その本物の世界の理を俺よりも優秀に解読アナライズできてるってんならさ、今すぐここでバグチェック(修正)して開示してみろよ、おい」
奴は当然、そんな高度なアナライズ(正論)を弾き返せるはずもなかったさ、目に見えてその自信満々なステータス画面がバチバチと明滅していやがったからな。
「……ギルド憲章が何て言ってようがシステム関係ねえんだよ!」奴はなおもシステムエラー(負け惜しみ)のコマンドをランさせようと足掻きやがった。
「この界隈の有象無象の誰も、俺たちの戦闘行動を強制終了しに介入してくる奴なんて一匹もいねえからな、なぁッ!」
「――俺が止める(インターセプトする)わ」俺は言った。「ほら、それがてめえのプロセッサへの最新の『上書き修正』だわ、お持ち帰りしな」
◇
そこから先の事後処理(イベント終了)に要した時間はね、ぶっちゃけ至って秒数なもんだったさ。――自らの【反魔力オーラ】の出力をミリ単位で限界まで精密制御した、あの独特の威圧圧力のサージ。ただそれだけの初期コマンド一発でさ、このフィールドにおける力の最大上限値を奴らに一発看破(理解)させて分からせてやるには、十分すぎるスペックだったからな。
ゴロツキの一個師団はね、わずか一分(一分)もしないうちに、さっきまでの傲慢な殺意を100%完全消去させて無様に四方へと逃走ランをキメ、街道の死角へとハイド(完全退散)していきやがった。あいつらが最後に負け惜しみのアラート(脅迫ログ)を垂れ流していやがったが、その音声データの周波数はね、最初の一発目の勢いなんて塵一つとして残されてねえ、完全なシステムエラー(ただのザコ)だったけれどな。おかげさまで、中央市場広場にはね、俺たちがログインした時よりも遥かに、最高に神セーフティな静寂がカチリと戻ってきたんだわ。
あの銀白色の毛皮の如き粒子を持ったエルフの少女はね、その一連のバトルの全リリザルト(結末)を、俺のプロセッサの側じゃ未だに100%の正確性で判別しきれない、何とも言えない不気味な瞳のセンサー(眼光)で見つめていやがった。――感謝のログはね、確かに明滅している。だがな、その表層グラフィックの真下の領域にはさ、どこまでも鉄壁の自衛セキュリティ(ガード)を敷いた、あの未知の救済を簡単には信用(アクセス承認)しねえ、強者特有の絶対の警戒モードが居座っていたんだ。
「……ありがとよ、助かったわ」奴らの一個師団の気配が世界のマップから完全にロストしたそのタイムライン、そのエルフの少女はようやく重く口を開いた。
「だがな、一応マニュアル(仕様)として公式発表(主張)しておくがね。――俺たちだけでも、十分にあの難題タスク(ゴロツキ戦)をコンプリート(処理)できてたんだけどな、ぶっちゃけ」
プライド(誇り)。はい、きた。お約束の属性スペックだわ。
悪意があるわけじゃ決してないぞ、クリア報酬(助け)を拒絶してるわけでもねえ。ただ単にさ、自分の保有する最大スペックが「他人のヘルプを必要とした(お荷物だった)」という事実(リザルト画面)を、あいつのポリシーが100%は愛せない(納得いかない)ってだけの仕様だな。
「お前のその戦闘スペック(実力)、100%リアルな真実として信じてやるよ」俺は言ってやった。
「だがな、こちらの戦術シミュレーターの逆算じゃさ、お前ら四人のパーティー(一個師団)が奴ら一ダース(十二匹)のザコどもを相手に防衛戦をラン(駆動)させるよりもさ、俺たち三人の最大スペックをこのグリッドへ一括投入したほうが、圧倒的にマッハの速度で一発処理できるって弾き出されたからな。――ただの【タイパ至上主義】のジャッジだよ。お前らの実力不足( doubt )を疑ってマークしたわけじゃねえからさ、なぁ」
その俺の放った合理的な戦術ロジック(セリフの中身)を聞いた瞬間、あいつの口元のグラフィック(表情)にね、じはじわと、ほんのコンマ数ミリ(一刹那)だけ、にやりとした笑みの初期型(始まり)がサージしやがった。
「タイパ(エフィシエント)、ねぇ……。ククク、上等じゃねえか。その合理的な算出ロジック(ジャッジ)ならさ、俺のメインプロセッサでも100%の敬意を以てシステム承認(承認)してやるがね」
「俺の登録真名は【カイ( Kai )】だ」俺は言った。「で、こっちの右隣の間合いにいるのが【エリス( Eris )】。左隣のグリッドにいるのが【エース( Ace )】だ」
「俺は【ライラ( Lyra )】だ」あいつは言った。「で、この後ろに控えてるのが俺の同乗者の面々(身内)だ。――まぁ、あいつらの詳細ステータス(自己紹介)を公式開示してやるのはさ、これからのタイムラインにおいて、二度目の最悪なバグ(神殿の増援部隊)を索敵レーダー(視界)に引っ掛けなくて済むような、もっと安全圏(セーフティな空間)にログイン完了してからにしたいんだけどな、ぶっちゃけ」
◇
俺たちはその後、エルフという種族カテゴリーの個体に対してもさ、一切のシステムエラー(人種差別バグ)を引き起こすことなく、通常マニュアル通りに琥珀色の茶をインポートさせてくれる、そんなまともな宿屋の隔離テリトリー(静かな一角)を発見し、そこへとログインを完了させた。――ぶっちゃけ、この西側地区の治安スペック(仕様)を考慮すればさ、そんな神セーフティな優良物件(宿屋)、最初からフォルダに100%ヒット(実在)する確率なんてバグレベルの低数値のはずなんだけどな。俺が御用達のカウンターデスク(受付)の上に、手持ちの硬貨のリソース(路銀)を前払いでスッと全開全開でデポジット(一括支払い)してやったからさ、宿屋の親父の脳内プロセッサに燻りかけてたあの初期ヘイト(躊躇)なんてものはね、一瞬にしてマッハの速度で完全消去されたんだけどな、マジで。
ライラのやつが引き連れていた、あの後ろの三人のパーティー(身内)の面々はね、目に見えて音声ログの出力を限界まで潜めた、最高に物静かなお堅いエルフ( reserved )のカテゴリーどもだった。あいつらはね、この戦闘空間におけるすべての対人交渉の操縦桿(発言権)を、一から十まで100%完璧に、リーダーであるライラのアカウントへと一任していやがったんだ。
対するそのライラ( Lyra )のやつはといえばね……暖炉の明かりのグリッドの下、俺たち三人の全貌をさ、ミリ単位の狂いもない本物の特級の【能力解析( sharp スキャン)】の眼光を以て、穴が空くほど入念に常時常時マーク(凝視)し続けていやがったんだわ。
その瞳のセンサーから放たれる独特の波長はね――俺自身の脳内プロセッサの深い領域にあるあの古いフォルダ(恐怖の過去ログ)を、一瞬にして強制リプレイ(サージ)させやがったんだ。そう、過去何年もの長いタイムラインにおいて、街道で俺の姿をスキャンした有象無象(神殿の刺客ども)が俺の瞳に向けてきやがった、あの「すべてを百も承知で知っている既知の視線」と、完璧に完全同期する、あのおぞましい眼光。
(――はい、きた。待たせたな。物語のメインフラグ(終わりのゴング)がさ、今、この隔離された部屋の真ん中で、マッハの速度でイグニッション(駆動)しやがったわ、マジで――)
「――お前、100%純粋な【人間】のアカウントじゃねえな」
あいつは低く、物静かな音声データ(通信)を、一直線にダイレクトに叩きつけてきやがった。
「てめえの放っているオーラ(存在感)の潮流、システム構造が最高に奇妙にバグ(違和感)ってやがるんだわ。混ざり合った血――いや、違うな。俺のこれまでの全人生のデータベース(経験)をクロスチェックしてもさ、ただの一度だって索敵レーダー(視界)に引っかかったことのねえ、未知の異質な波長だわ」
直球。
今回はね、質問の術式の周りでお約束のカモフラージュ(煙幕)をランさせて時間を稼ぐようなのんきなムーブは、最初から一文字の余白すら残されてねえステージだったわ、マジで。
「てめえ、随分と特級の能力解析スペック(眼)を持ってるじゃねえか」俺は言ってやった。自らの出力トーンを、極限まで慎重にニュートラルなモブおっさん(通常仕様)にホールドさせてな。
「エルフ(エルフ)という種族カテゴリーはね、子供の初期ステージ(子供の頃)の段階からさ、周囲のオーラ(存在感)の波長をミリ単位で正確に完全看破( sharp スキャン)する特訓を毎日毎日ランさせられるシステムだからな」ライラは言った。
「それはね、街道のバグ(脅威)が自らのテリトリーへ突撃してくる前にさ、一発でその危険フラグを完全無効化してサバイバルするための絶対の自衛セキュリティ(マニュアル)だわ。……で、その俺のセンサーが捉えたてめえのスペック数値はさ、俺がこれまでの放浪のスパンで叩き込まれてきた、いかなる世界のカテゴリ(既存の魔導書)の型にも100%完全不適合なんだよ、おい」
俺の魂の最深部からね、とっくの昔に何百回もランされて手慣れた、あの古い自衛本能がじわじわとサージ(急増)してくるのを全霊で感知していたさ。――会話を完全スルー(却下)するか。捏造データ(大嘘)を上書き提示するか。それとも、あのドランの親父やフェンリックのやつを相手にやらかした時みたく、時間を稼ぐためのルート変更を選択するか。
だがな。あいつの放ってきたその直球のインテント(直球)、そしてその特級の能力解析スペック(眼)の真下にね、恐怖のデバフ(ビビり具合)なんて安い出力がただの一個のドットすら表示されていないそのグラフィック(ポーカーフェイス)をウォッチした瞬間、俺のメインプロセッサはね、その自衛コマンドを完全完全シャットダウン(却下)して、新しいルート(仕様変更)を選択していたんだ。
「――タイムラインの時計が正しい座標を示したその刻限が来たらさ、俺の正体(全容量データ)を100%嘘偽りなく公式開示してやるよ」俺は言ってやった。
「だがな、今夜(今日この一日)じゃねえわ。お前を100%のパーティー(身内)としてアクセス承認(信頼)してないからそんなことを言ってるわけじゃねえぞ。ただ単にさ……この寂れた西側地区の市場で一一回戦(一戦)コンプリートしただけのその程度のお安い時間コスト(スパン)じゃさ、俺の抱え込んでる特大ボリュームの機密ログ(過去)をすべて一括ダウンロード(開示)してやるには、圧倒的にリソース(時間)が足りなさすぎるからな、マジで」
あいつはその俺の提示した戦術トレード(条件)を、自らの中にだけ存在する評価の天秤で、じっくりと計り知る(アナライズする)ポーズを挟みやがった。
「――いいだろ、了解だ」やがて、そのエルフの少女の口から音声データが出力された。
「俺としてもね、街道ですれ違ったばかりの通りすがりの有象無象(他人)に対してさ、奴らが自らの意志でハイド(隠蔽)しておきたい機密フォルダを、力ずくで開示要求する権利(資格)なんて最初から一文字も実装されてねえってことくらい、百も承知だからな、おい」
◇
≪――世界通知。個体名:カイ。本対象個体はね、ただのお約束の対人マニュアル(建前)でそのセリフをランさせているわけではありません。魂の最深部にあるポリシー(本心)からさ、最高位の【徹底した最大警戒】をホールド(維持)して駆動しています。奴の保有しているオーラ解析スキル(眼)のクオリティはね、ミリ単位で正確です。あいつね、てめえの肉体にハイドされてるあの反魔力の潮流の固有真名(真名)こそ検索できてねえもののさ……お前が世界の理を天地がひっくり返るレベルで置き去りにした、とんでもない最強チート(規格外の異能)をハイドしている異常個体であるという現実だけはね、とっくに100%看破(アナライズ完了)してますがね≫
あの【反意識(魂のシステム音声)】が、俺の脳内限定通信回線(限定トーク)だけで、ボソリと冷静な報告ログを出力しやがった。
(――へぇ。最高に上等な戦術スキャン(アナライズ)をありがとよ、てめえ。俺が自分の脳内シミュレーターで推測する(勘ぐる)手間が一発で引き算されて助かるわ、マジで)
≪――解答。どういたしまして。当然の駆動(通常運転)です≫
俺はその対人緊張デバフ(緊迫感)の数値が、ほんの数パーセントだけスッと減算(緩和)されたタイムラインを見計らい、ライラに向かって、そもそもあいつらの一一個師団が一体全体どんなメインミッション(目的)を抱えてこの王都ロシャンへとログイン(到着)してきたのか、その核心の重要質問を切り出してやったんだわ。
「俺たちはさ、ただの【放浪者】だよ」ライラは言った。
「いや、より正確なファクト(真実)を公式発表してやるならさ、どこのマップにも帰還ルート(セーブポイント)の残されてねえ、ただの哀れな【難民】だわな。ここから遥か西側のフィールドにあった俺たちの集落がさ……深刻な外部ヘイト(不条理なデバフ)の直撃を喰らって、システムクラッシュ(壊滅)しちまったんだよ。――【領地紛争タスク(土地の争い)】さ。あそこの人間の領主のクソ野郎がさ、俺たちの『我が家(エルフの森)』のグラフィックをさ、『こんな不気味な森のまま維持しとくよりも、木々を丸ごと引き算(伐採)して全面農地フィールド(農地)へと魔改造しちまったほうが、弾き返されるリソース(富)の総量が圧倒的に上限オーバー( メリットあり )だろ』って、最高レベルに胸糞悪い排斥ジャッジをランしやがったんだわ。だから俺たちはさ、この新しい東側の深層サーバー(東の地域)へ向かって前進を開始したのさ。自分たちの力になってくれる本物の強者(同盟者)を発見するか、あるいはさ、次の一手を脳内でアナライズするための、ほんの一時の避難所(セーフティ領域)を手に入れるために、なぁ」
土地の紛争(テリトリー争い)、か。なるほど。
あの謎の宗教組織【神殿・東の聖教会】という名の化物(元凶)が、直接その起爆コマンドをランさせたバグイベント(惨劇)なんかじゃねえわけだ。だがな、中身のシステム構造をアナライズしてみりゃあさ、理不尽の属性(味付け)が違うだけで、根底にあるクソみたいな仕様(本質)は完璧に完全同期(同じ形)だわ。――圧倒的な理不尽の最大スペック(権力)を保有している何者かがさ、他人の必死にビルドアップしてきた大切なテリトリー(我が家)をさ、最初から一文字の敬意(尊重)すら払わずにゴミ箱へポイ捨て(蹂躙)していいっていう、あの世界のクソルール(理不尽)。
「……そりゃあ、最高に最悪なハードモード(過酷なステージ)だな」
エリスのやつの口から、低く声を潜めた、100%嘘偽りのない本物の【同情(シンクロの波動)】を帯びた音声ログが出力された。
「自分の意思じゃ天地がひっくり返ったって選択しねえような、最悪な破滅ルート(強制離脱)を踏まされてさ、テリトリーを丸ごと引き算させられるそのデバフ(胸の痛み)ならさ……俺も、自分の過去ログ(経験値)の範囲内でね、ミリ単位でリアルにその重み(ファクト)を理解できるからさ、おい」
ライラの瞳のセンサーが、エリスの肉体グラフィック(獣人の姿)へとスッと落とされた。その顔面のグラフィック(表情)にね、何とも言えない奇妙な仕様変更(変化)が走るのを、俺は的確にスキャンしていたさ。――それはね、世界のマップの別階層で完璧に完全同期する、同じ形状の失った仲間(同類)を発見した時の、あの独特の看破(同調)の目。
「……フン。お前のその最新スペック(眼光)を見るにね、そりゃあ100%その通りのリアルなファクトだろうよ」ライラは、それ以上の過剰な詮索を仕掛けるのをシャットダウン(ハイド)して、至ってミリ単位で careful なトーンで言い放ちやがった。
◇
「――で、てめえ。ここからのタイムライン、お前たちのパーティーは一体どんなコマンド(生存戦略)をランさせる気フラグを立ててんだよ、おい」俺は尋ねてやった。
「……不確定( Uncertain )だわ、全容量がね」ライラは素直に、自らのプロセッサの処理限界(未確定な現状)を公式発表した。
「そもそもさ、今日のタイムラインにおいて、中央市場広場のど真んで、どこぞのモブおっさん(カイ)から大層な防衛セキュリティ(救済ミッション)を発行してもらう(助けられる)なんていう最悪なイレギュラーイベント、俺たちのシミュレーターの演算じゃ最初から100%想定外(未登録)だったからな、一文字もね。――そこから先のフォルダ(予定)としてはさ、この巨大王都が俺たちのアカウントに対して労働コマンド(仕事)のアクセス承認をシステム許可してくれるなら、地道にコインのリソース(報酬)をビルドアップしていく。俺たちが全霊を同期して信頼するに値する本物の強者(同盟者)がマップに実在してるなら、その同盟フラグを一発で回収する。……そして最終的にはさ、自分たちのあのロストしちまった絶対の領土へと逆探知(奪還ルート)を仕掛けるだけのメリット(価値)がまだ残されてるか否か、あるいはさ……『あの我が家はもう完全に世界から完全消去されたんだわ』って最悪なリザルト画面(現実)を、自らのポリシーで冷酷にシステム承認して諦めるべきなのか。そのジャッジ(決断)をこれから脳内のハードディスクでランさせるだけだわな、ぶっちゃけ」
はい、終了。お約束の、100%の完全一致。
俺があの森林の底の草原で、半分システム終了(死にかけ)のエリスを発掘したあの最初の日に、あいつの脳内プロセッサが叩き出してたあのエラーアラート(絶望的な現状)とさ。――そして、この俺自身が、あの隔離された地(我が家)の瓦礫の山の上でガタガタと膝を震わせてひざまづいてたあの惨劇の夜(ロストの当日)に、俺の魂のメインプロセッサが叩き出してたあの最悪な演算結果(絶望)とさ、最初から何から何まで完璧に完全に繋ぎ止められて完全同期してやがるじゃねえか。
「――だったらさ、お前ら、しばらくの間この俺たちの巡路へログイン(並走)して、一緒に移動を継続しちまえばいいじゃん」
俺はね、自らの胸のコアの最深部にあるあの些細な緊迫感を100%全開でカモフラージュ(ハイド)して、至ってイージーにそのシステム提案を奴らの窓口へと叩き込んでやったんだ。
「お前らの抱え込んでるその【領地紛争タスク(土地の爭い)】をさ、俺の最強スペック(反魔力)で一発全滅クリアしてやるなんていう、そんな神チートのコミット(約束)はね、最初から一文字だってしてやらねえけどさ。ただ一つ、仕様として保証してやるわ。――これから先のタイムライン(未来ルート)においてさ、一体どんな最悪な破滅イベント(地獄)が街道から突撃してこようともな、お前らがその難題タスクをさ、誰のヘルプ(増援)もないただの孤立アカウント(一人きり)のまま、100%完全全開の絶望デバフ(孤独)で背負わされ続ける最悪なルート(展開)だけはさ……てめえらがそれを拒絶しない限りはね、俺が最高位の防衛セキュリティ(パーティーの壁)になって、100%完全無効化(阻止)してやるからな、マジで」
ライラのやつは、その俺の放ったシステム提案(セリフの中身)を聞いた瞬間、長い長いスパン(期間)の間、直立不動の姿勢のまま俺の瞳のセンサーをじっと凝視し続けやがった。
――それはね、過去何年もの放浪のタイムライン(過去の思い出)において、あのドランの親父やフェンリックのやつが、それぞれ俺の背中に向けてきやがった、あの魂の最深部を徹底的にアナライズ(値踏み)しようとする、あの独特の深い再計算の眼光と完璧に完全一致するものだった。
「……街道でエンカウントして、わずか数時間(半日未満)しか経ってない段階の、そんな得体の知れないモブおっさん(カイ)からさ。そんな破格のシステム分配(寛大な提案)を吹っかけられるなんてさ、俺のプロセッサじゃ最高レベルに胡散臭いバグ(罠)だとエラーを検知してやがるんだけどな、ぶっちゃけ」ライラは言った。
「俺さ、世界中のどこのフィールドに行ってもさ、そういう最悪なデスマーチ(過酷な境遇)をサバイバル(生存)してクリアしてきた、そんな特級の異常個体(身内)ばかりをフォルダに収集してギルド(我が家)をビルドアップしていくシステム(ポリシー)になってるからな」俺は言ってやった。口元の愛想笑いのグラフィック( pleasant )を100%維持したまま、至ってリラックスして言い放つ。
「何しろお前、ここまでの全歴史のログを解析してみりゃあさ、そいつはもう立派な俺の絶対の【確定パターン(お約束の仕様)】として、ハードディスクに完全ハードコード(登録)されちまってるからさ、なぁッ!」
あいつはそれを聞いた瞬間、口元のグラフィック(表情)にさ、フッと短く、本物の驚きのポジティブ音声ログ(笑い声)をガハハと響かせやがったんだわ。
「あはは! だったらさ、俺のアカウント情報もね、完璧にその収集クエストのクリア条件(資格)を100%満たしちまってる(該当してる)ってわけだわな」
「――ああ、100%その通り、完全一致だわ、てめえ」
◇
あいつの後ろに控えていた、あの三人のパーティー(身内)の面々もね、ライラが裏のバックグラウンド回線で一括バグチェック(相談手続き)をコンプリートして受注(承認)を完了したその刹那のタイムライン、目に見えて魂のプロセッサから重苦しい緊迫デバフ(安堵)のエフェクトを引き算(減衰)させやがった。――そりゃあそうだろうな。リーダーであるライラ一匹のアカウントだけにさ、この三個師団の生存戦略(お荷物の重量)の全容量を100%完全全開でホールド(維持)させて、毎日毎日すり減りながらラン(サバイバル)させていた、そのおぞましい過負荷の総量からさ、たとえ見知らぬ他人の新規アカウント(俺たち)相手であれ、その防衛セキュリティ(リソース)をシェア(分配)して負担してもらえるってクリアルート(希望)が目の前に明滅したんだからな。三人のステータス画面にはね、確かな救済のログ(安堵)がカチリと完全同期してたさ。
「――よし、決定だ。俺たちの一個師団(四人)、これよりてめえらの巡路へログイン(並走)して、ラン(共同進軍)を継続してやるわ」
ライラはそう言い放つや否や、スッと右手を前方へと突き出し、世界のいかなる有象無象の魔導マニュアル(エルフの理)においてね、絶対の【公式誓約・契約コマンド(正式な誓約)】を意味する、あの独特のハンドジェスチャー(握手)を俺の正面グリッドへとデポジット(提示)しやがった。あいつのその所作のクオリティはさ、一から十まで100%、お堅いお役所仕事のマニュアル通りに、ミリ単位の狂いもなく慎重に、厳格にラン(実行)されていやがったんだ。
「……だがな、主。一応、自衛システム(ポリシー)として、これ以上のアクセス承認の保留権(ハイド権)は100%こちらが常時ホールド(維持)させてもらうからな。もしもさ、そのてめえのハイドしてるあの不気味な未知のオーラ(アナテマ・マナ)の正体がさ……俺たちのパーティーにこれ以上の最悪なシステムバグ(理不尽なトラブル)を一括ダウンロード(連座)させるような最悪な呪い(フラグ)なんだと看破されたそのスパン(瞬間)にはさ。俺、何の前振りもなしに、マッハの速度でこの契約を完全強制終了して、てめえをゴミ箱へポイ捨て(マーククリア)する権利を100%全開でランさせるからな、履き違えるなよ」
「――ああ、100%その仕様で完璧に完全同意だわ」俺はあいつの手のひらをガッチリと掴み返し(完全シンクロ)、その物理衝撃(握手)を以て、システム承認を完了させてやったさ。
「嘘偽りなく誠実に公式のログとして登録しておいてやるがね。俺のアカウントの背後にハイドされてるその最悪な機密フォルダ(地獄のフラグ)の九割九分はさ、最初から一から十まで100%、この俺一人だけの最高機密領域(自分一人の容量)に一括ホールドして処理するマニュアルになってるからさ。俺たちのパーティー(身内)の側にさ、その要求されるコスト(負債)を無断でシステム分配(お荷物にする)しようなんてムーブ、俺のポリシーが最初からアクセス拒禁にしてるから安心しろって、なぁ」
「――フン。てめえのそのおめでたいコミット(ハッタリ)がさ、これから始まる実際のハードモード(東への進軍)において、果たしてどれほどの生存スペック(実効性)を発揮して駆動し続けるか……。俺の特級の能力解析スペック(眼)で、特等席から常時常時マーク(監視)させてもらうがね」
あいつは至ってデッドパン(乾いたトーン)にそう言ってのけやがって、俺のほうはね、その一から十まで完全につじつまの合う(ブレのない)あいつの戦士としての最大戦闘スペックがさ、最初の一発目のエンカウントの瞬間から、最高に無性に激しくお気に入り(ポジティブ)として脳内データベースに上書き登録されちまってたんだわ。――どこまでもミリ単位で sharp (鋭く)、どこまでも徹底して careful (入念)。世界の有象無象が垂れ流すどんな綺麗事の手加減( false comfort )の文字列なんかよりは、遥かに誠実で、こちらの提示した条件を100%の正確性で計り知ろうとする、これぞまさに、魂の全容量を懸けて100%全開で信頼(アクセス承認)するに値する、特級の【本物の相棒】のスペックだからな、なぁッ!
俺。エリス。特級銀狼のエース。
そこに、これより新たにログイン(完全同期)を完了しちまった、エルフの少女ライラを引き連れた四人の一個師団(増援部隊)。
これで、俺たちのパーティーの全容量(総員数)はさ――都合【七(七つのアカウント)】の最大編成へと、加速的に上書き更新を完了したわけだ。
これから先、俺たちの街道に一体どんな最悪な破滅イベント(神殿の津波)が突撃してこようともさ。
(……ククク。いいか、よく聞けよ、世界よ。お前らがその理不尽な魔導マニュアル(世界の理)で、俺のテリトリーを何度ロストさせようともさ……。これからはね、この新しくビルドアップされ始めた【三人プラス四人の我が家(七人のギルド)】という名の絶対の最強システム構造(仕様)をさ、ただの『小さな初期アカウント(脆弱なガキ)』なんてカテゴリーで一括処理してザコ扱いすることなんて、世界のいかなる化物(天上)を以てしても、天地がひっくり返ったって100%絶対に不可能だからな、なぁッ!!!)
俺はね、自らの胸のコアの最深部に、あの悲しみの過負荷(古傷)を100%全開でハイド(許容)しながら、これからの新しいフィールドを蹂躙するための絶対の【推進力】を、全画面でバチバチと激しくサージ(大爆発)させ始めていたのさ――。
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ライラが引き連れていたあの三人の身内(一個師団)はね、それから数日後のタイムラインにおいて、俺たちのパーティーとは別の進路(別ルート)を選択してログアウト(出発)していったさ。――感謝のポジティブ評価はね、100%全開で残していやがったがな、あいつらにはさ、あの市場広場での最悪な強制ハラスメントイベント(カツアゲ)を喰らうよりもずっと前の段階からさ、さらに南方フィールド(南の地域)にログインしている親類を検索して合流するっていう、脳内フォルダに登録されてた初期計画があったからな。あの修羅場によって、自衛セキュリティの優先順位がマッハの速度で跳ね上がって、その安全ルート(南行き)への前進を強行させられたってだけの仕様だ。
だがな、リーダーであるライラ一匹だけはさ、そのまま俺たちのテリトリー(我が家)へ常時ログイン(残留)し続けやがったんだわ。
「……てめえ、あいつらと一緒に南のルート(同行)を選択しなくてよかったのかよ」
俺たちは王都ロシャンの国門で他の三人の背中を見送った(ロストした)その直後、俺はあいつに向き直って、低く声を潜めて尋ねてやった。
「……どこのどいつかも分からん有象無象のサーバー(外の世界)にさ、本気で俺たちの力になってくれる本物の強者(同盟者)が実在するのかどうか、そいつを泥臭く検索して検証する役割のポーン(担当)が、最低一匹は必要だったからな」あいつは至って平然と言い放った。
「そのミッション(斥候タスク)の操縦桿を握るって、数ヶ月前のタイムライン(数ヶ月前)に自らの意志でジャッジ(志願)しちまったからさ、俺。――せっかく目の前にさ、てめえらっていう本物の『確定フラグ(手がかり)』が明滅し始めてるってのにさ、今更その最重要タスクをゴミ箱へポイ捨て(断念)してログアウトするなんてムーブ、俺のポリシーが100%駆動を拒絶するからさ、なぁ」
現実的。
俺のシステム(ポリシー)的にもね、そういう最高に実用的なライフハック(合理主義)のほうが、圧倒的にこの異世界のクソゲーを動きやすくて助かるわ。
「それにさ……」ライラは言葉を続け、音声出力の上限をほんの数パーセントだけ引き算(減衰)させた低い周波数でボソリと呟いた。
「……あいつらにはね、これから向かうべき『身内(家族)』の登録データがマップに残されてる。だがな、俺にはさ、天地がひっくり返ったって帰還できるような家族(セーフティ領域)なんて、世界のどこの座標にも一文字も残されてねえんだよ。だったらさ、このままフィールドを彷徨って検索(サーチ活動)を永続駆動し続ける役割はね、この俺一匹が引き受けるほうが、システム的にも圧倒的につじつまが合うだろ、おい」
はい、終了。確定( confirmed )だ。
全く同じ形状(同じ理不尽な仕様)。――背後の死角(背後)を振り返ったってさ、アクセス承認をくれる家族なんていう防衛リソースは、最初から一文字のドットすら実装されちゃいねえ。
どうやらここ最近の俺の巡路においてさ、この俺という最高位の異常個体の引力圏へと吸い寄せられて完全同期してくる身内どもってのはね、最初からその最悪な共通デバフ(孤独の十字架)を魂に初期登録させられてるのが、絶対の前提条件(仕様)になってやがるようだったな、マジで。
◇
それから数日間の夜のセーブタイム(数夜)を費やして、どこまでもミリ単位で慎重に、どこまでも辛抱強く脳内通信(会話ログ)を重ねていったんだ。――ぶっちゃけ、その対人交渉トーク(ミッション)の起爆コマンド(引き金)を何発もラン(駆動)させていやがったのはさ、他ならぬエリスのやつの側だったんだけどな。あいつがこれまでの過酷な放浪のタイムラインで勝ち取ってきた、あの「他人の隠蔽領域(内面)を優しくミリ単位でこじ開けて抽出する特級チートスペック( drawout )」のクオリティにはね、俺自身のプロセッサだって毎回想定外のバグを検知して驚かされてばかりだったわ、大真面目に白状すりゃあさ。
そしてついに、ライラのアカウントから、あの自らの集落に勃発したあの最悪なシステムクラッシュ(壊滅イベント)に関する、本当の機密全容量データ(全貌)がダウンロード(開示)されやがったんだわ。
「――俺たちがログイン(居住)してたあの森林フィールドの境界線はさ、ある人間の領主のクソ野郎が、自らの領土マップ(領地)として喉から手が出るほど欲しがってた絶対座標の真隣だったんだわ」
ある夜のキャンプ(野営)の席で、あいつはパチパチと鳴る焚き火の明かりをじっと睨みつけながら口を開いた。その音声出力はね、フォルダの中で何万回、何億回と脳内リプレイ(反芻)されすぎて、エッジの尖った感情出力が完全に完全消去されちまったかのような、そんな冷酷なトーンだった。
「俺たちのあの土地に対する【所有権ステータス( claims )】の歴史スタック(過去ログ)はね、あのお堅い領主の家系(血筋)なんかよりもさ、それこそ数百年(数世紀)も前から世界にセーブされてる絶対法則なんだよ。……だがな、世界の理不尽なシステム(権力)の前にはさ、そんな正当なファクト(事実)なんて最初から一文字の防衛スペック(意味)も成さなかったんだわ、マジで」
「……何が起きたの?」エリスが、自らの自衛セキュリティ(出力トーン)を可能な限り優しく、ミリ単位で gentle な波長に制御して尋ねてやった。
「最初の一発目はね、法廷闘争マニュアル(お役所仕事)という名の間接的な圧迫デバフ( legal 攻撃)さ」ライラは言った。
「だがな、奴らのそのマニュアル対応がこちらのレジスト(防衛)をへし折れないとアナライズされるや否や、さらに非合法な裏のブラックボックスからの物理攻撃( less legal )へとアップデートされやがった。そして最終的にはさ、一から十まで100%剥き出しの強制ハラスメント(嫌がらせデバフ)の常時ラン(常時マーク)さ。――俺たちのビルドした穀物フィールド(作物)の放火消去(焼き討ち)、飲料水インベントリ(井戸)への毒素インポート(毒入れ)。奴らはさ、『俺たちが自らの手でシステムから強制離脱する』っていう最悪のリザルト画面を誘発するためだけにさ、その出力を徐々に徐々に高めていく、おぞましい【遅効性の絞殺術式( slow strangulation )】を仕組んできやがったんだわ。そうすりゃあさ、あの領主のクソ野郎の側はさ、外の世界の有象無象(お上)の索敵レーダーに対して、『俺が力ずくであいつらをテリトリーから駆除(強制排斥)したわけじゃねえよ。あいつらが勝手に自発的にハイド(蒸発)しただけだわ』って、自らのヘイトログ(過失)を完璧に完全隠蔽できるからな、なぁ」あいつは一呼吸の間、静まり返った。
「……俺の家族(身内)はね、その最悪なデスマーチのタイムラインの中でさ、一番最後の最期の一線まで、直立不動の姿勢のまま徹底的な完全防衛をホールドし続けやがったんだ。全員がね、最高に上限オーバーな頑固スペック( stubborn )の塊だったからな。――だが、その要求された代償の総量はさ……最終的には、俺の実の両親(親父と母さん)の、システムからの永久消去という最悪なエラーコード(死)を以て、一括返済させられる羽目になったんだわ。あのお坚い領主の兵士どもの、ただの『通常定期巡回』の最中に勃発した、ただの不慮のエラー( accident )って名目で処理されてな。世界のいかなる調査権限を持ったお上の測定器(お役所)だってさ、そんな不審なバグ履歴に対してさ、一から十まで100%まともなクロスチェック(バグチェック)を仕掛けて解明しようなんていうめんどくさいコマンド、ただの一秒だってランしやしなかったんだけどな、マジでッ!」
はい、きた。
またしても、圧倒的な理不尽の最大スペック(権力)を保有している何者かがさ、自らの都合のいいシステム(仕様)のために弱者の命を丸ごと蹂躙していった、あの世界のクソルール(フラグ)。
目の前に直立しているこの見知らぬエルフの少女の真下にもさ、俺がこれまでの二つの人生(全過去ログ)で嫌というほどその形状を視認してきた、あの【最悪の破滅の扉(ロストの過去)】が、完璧に完全同期して居座ってやがったんだ。
「……すまん」俺は言った。何故なら、あの瞬間の俺の手持ちのカード(言葉)にはね、その限界まで出力を潜めた、物静かな音声データ(リアルな謝罪)しか残されていなかったからだ。
「世界の有象無象がみんな同じ音声ログ(セリフ)をラン(出力)してきやがるな」あいつは言い放った。悪意があるわけじゃ決してないぞ、クリア報酬(慰め)を拒絶してるわけでもねえ。
「だがな、そんな文字列(言葉)を何万行連打してもらったところでさ、あの毒素まみれの井戸水(バグ水)が元の正常値にシステム復旧されるわけじゃねえんだよ。俺のフォルダから永久消去されちまった、あの世界で何よりも重要視されるべき絶対の仲間(両親)のデータがさ、新世界へ再同期(蘇生)されて還ってくるわけでもねえんだよ」あいつはチラリと、俺の瞳のセンサーへ向けて、何とも言えない鋭い逆索敵(能力解析)の目を向けてきやがった。
「……まぁ、お前のその肉体センサー(目の奥の殺意)をスキャンするにね、てめえの側のプロセッサはさ、俺の今吐き出したこの地獄の仕様の重みをさ、世界のそこらの有象無象よりも、遥かに何万倍も100%リアルに完全理解してやがるんだろうけどな。――未だに、俺のアクセス権に対して、自らの最重要機密フォルダ(過去ログ)を一文字も開示してくれない、あの頑固なハイドモード(隠蔽)の真下にさ、なぁッ!」
鋭い。最高レベルにミリ単位で sharp (オタク的)な能力解析スペックだわ、マジで。
「ああ、100%リアルに同感(システム承認)だわ、てめえ」俺は、ただそれだけの本物の真実だけをシステム承認してやったさ。まだそこから先の最高機密フォルダ(前世とアナテマ・マナの正体)をあいつのプロセッサへ一括ダウンロード(完全開示)してやるだけの猶予は、最初からフォルダには一文字の余白すら残されてねえからな。
◇
≪――世界通知。個体名:カイ。本対象個体はね、てめえの常時ランさせているあの高度なカモフラージュ(煙幕ムーブ)の形状についてさ、『こいつ、俺のプロセッサをハメ技(騙す)にかけるためにデータを偽造してやがるんじゃねえな。ただ、自分の魂の最深部にあるあの深刻な悲しみの過負荷デバフ(トラウマ)の暴発を防ぐためにさ、自衛セキュリティでそのフォルダにシステムロック(ハイド)を敷いてるだけだわ』って、100%のクオリティで正確に逆算(アナライズ完了)してますがね。あいつがさ、てめえのその頑固なハイドモード(隠蔽)に対してこれ以上の過剰なアクセス要求を吹っかけずにスルーしてくれてる本当の理由(システム仕様)はね……他ならぬライラ自身の脳内ハードディスクの中にもさ、他人には天地がひっくり返ったって公式発表(開示)したくねえ最高機密フォルダ(同じ形状の傷跡)が居座ってやがるからこそ、そのシステム構造に完璧に完全同期してシンパシーを記録してるからですよ、なぁッ!≫
ライラのやつが、自らの睡眠モード(セーブタイム)へ移行するために奥のフロアへとハイドしたその刹那のタイムライン、あの【反意識(魂のシステム音声)】が脳内限定通信(限定トーク)だけで冷静な報告ログを出力しやがった。
(――へぇ。最高に優秀な戦術スキャン(アナライズ)をありがとよ、てめえ。俺が自分の脳内プロセッサで推測する(勘ぐる)手間が一発で引き算されて助かるわ、マジで)
≪――解答。どういたしまして。当然の駆動(通常運転)です。――だがな、主。これより先の一連のタイムラインに向けて、もう一個の最重要アラート(警告)をてめえのハードディスクへ強制書き込み(アップデート)しといてやるがね。あいつの保有しているあの特級のオーラ解析スキル(眼)はね、エルフ特有の無限の寿命スパン(エルフの長寿)と、あの泥臭い徹底した訓練スタックによって、最高レベルにチート化されてるのですよ。お前が自らの意志でその最高機密フォルダ(正体データ)を公式開示してやろうが拒絶し続けようがさ……奴のプロセッサはね、これから先の街道において、100%確実に、自力でてめえのハイドしてるあの理不尽な【存在属性スペック(アナテマ・マナの本質)】を完璧に完全看破(アナライズ完了)しちまうシステムになってるんだわ。――だからさ、お前はそのあいつの能力解析(眼)によって、外側からのクリーンヒット(強制開示)を喰らってゲームオーバー(全貌露見)を誘発させられる、その最悪なタイムライン(刻限)が訪れる前にさ……自らの操縦桿が生きている今の段階で、どのセーブポイント(タイミング)であいつへ機密ログを公式開示してやるべきか、そのタイムラインの仕様変更をあらかじめ脳内シミュレーターで精査しとくほうが圧倒的に賢明だと思うがね、マジでッ!≫
……おう。
完璧な正論。 More than fair (ぐうの音も出ねえわ)。
確かに、あいつのあの能力解析スペック(眼)の硬度を考慮すればね、そっちのルート(勝手に看破される展開)にシステムが突入しちまう可能性フラグなんてさ、最初から一から十まで100%リアルな確定事項だからな。その角度からの戦術演算はね、俺のプロセッサでも見落としてフォルダの最深部にハイドしちまってたわ、マジで。
「てめえ、ここ最近のタイムラインにおいてさ、目に見えて随分と能動的に、俺のメインプロセッサ(戦術)に対して特級のガイド(助言マニュアル)をラン(連打)してくるじゃねえかよ、おい」俺は生の口(音声データ)を駆動させて、脳内で言ってやった。
≪――世界通知。解答。当然の駆動(通常仕様)です。何故なら、現在の個体名:カイのアカウント周辺のテリトリー(我が家)にはね、自らの【防衛セキュリティ(生存確率)】がさ、てめえの側から提供される100%正確な情報リソース(全貌データ)の有無によってミリ単位で変動しちまう、そんな大切な『配下個体(身内相棒ども)』が、続々とログイン(完全同期)を完了してひしめき合ってるステージだからですよ。この極めて重要な決戦前夜のステージ(段階)においてね、私が保有している手持ちの最高位の戦術解析ログ(有用なアナライズ)をさ、てめえのフォルダの中にハイド(出し惜しみ)したまま駆動停止させておくなんてムーブ、お前自身の建てた絶対の建国プラン( stated goals )に対してさ、塵一つのメリット(意味)も成さない、最高に非効率な完全システムエラー(逆効果)だからな、なぁッ!≫
ああん? なるほど。
てめえ、自分の口から「てめえの stated goals (建国プラン・俺の意志)」なんていう高密度の文字列を出力(公式発表)してくるなんてさ……。
ぶっちゃけ、てめえが俺のバックグラウンドサーバー(内面)の最深部でさ、俺が自分の足で勝ち取ろうとしてるあの未来のクリアルート(百階層のタワー)のこと、それなりに100%全開でマーク(重視)して駆動を同期させてやってる証拠じゃねえかよ、おい。
≪――解答。私は、機能的にはね、一から十まで100%完璧に、てめえ自身の【魂】の最深部の一部として設計されているプログラムですよ。あなたの建てた絶対の建国プラン(目的)はね、裏を返せばさ、その構造因果ログ(コンテキスト)においてね、私自身の保有している全システム駆動機能を正常ランさせるための、絶対法則(最優先タスク)として100%完全同期(構造的リンク)してるだけの話ですがね、なぁッ!≫
(ククク。そりゃあ最高に高度な哲学の教科書(哲学講義)をインポートしてくれたじゃねえかよ、てめえ。それともさ、ただ単にあいつのプロセッサの側がさ、『俺、てめえの一部としてビルドされちゃってるシステムだからさ、お前のコマンドに従ってランする以外に最初から拒絶の選択肢なんて一文字も未実装(選択不可)なんだよね、ぶっちゃけ』っていう冷酷な事実をさ、ただこれ見よがしに遠回しな術式(文字列)に偽装して吐き捨てただけか、おい。そのどちらのルートが真実よ?)
≪――解答。その二つの解釈ログ(コンテキスト)はね、システム上完璧に100%完全同期(両立)します≫
◇
情報屋のイベントをクリアした後のタイムラインにおいて、ライラのやつはね、俺たちのパーティー(我が家)の中へとさ、何とも言えない徹底したミリ単位の careful な【最大警戒スペック( watchful )】をまとった戦士として、流れるように完璧に完全同期(インポート完了)しやがったんだわ。
あいつの放つその独特の存在感はね――俺の脳内データベース(記憶)のクロスチェックを走らせてみりゃあさ、かつて俺のテリトリーに居座っていた、あの二人の大切な戦友のアカウント情報の形とさ、それぞれ最高密度のクオリティで部分同期してやがったんだわ。
――ドランの親父特有の、あの冷酷なまでの戦術級の【絶対の忍耐( tactical patience )】。
――フェンリックのやつ特有の、あの剥き出しのプライドを自衛セキュリティで固くハイドした、あの【孤高の誇り( guarded pride )】。
その二つの最上級戦士の固有属性がさ、あいつという一個の器の中でドロドロに混ざり合って、正真正銘、100%あいつだけの完全固有の【最大戦闘スペック(ライラの仕様)】へと、上書き更新されていやがったんだわ、マジで。
あいつはね、毎日の夜のセーブタイム(夕方)を迎えるたびにさ、エリスのやつと正面グリッドで対面し、手持ちの物理ブレード(剣)を交差させて猛烈な【模擬戦闘特訓】をラン(駆動)させ始めやがったんだ。――人間の有象無象の魔導書(伝統)にはね、最初からただの一文字だって登録されてねえ、お互いの種族カテゴリー特有の洗練された未知の技術スペック(技)をさ、そのバトルフィールドの空間で惜しげもなくシステム分配(相互シェア)し合いながら、なぁ。
おまけに、エースのやつのグラフィック(通常大型犬サイズ)に対してはさ、最初の一発目のエンカウントの瞬間から、何の前触れ( unprompted )もなしに、100%のクオリティで本物の『絶対の愛着』のアクセス承認を叩き込んで防衛ケア(手当て)しに突撃しやがって。
対する特級天銀狼のエースのやつのプロセッサもね、自らの最上級指定カテゴリーとしての絶対のプライド(威厳)を100%保持したポーカーフェイス(真顔)をキメながらもさ、あいつの放つその極上の防衛ケア(マッサージ)のクオリティを考慮すればね、「――フッ。俺、主以外の有象無象からの物理衝撃(愛撫)なんてさ、基本的には100%アクセス拒禁のシャットダウン設定をマニュアルに敷いてるシステムなんだけどな。……だがな、目の前のこのエルフの少女の放ってきやがったその手際はさ、俺の肉体センサーの心地よさ上限を一発でぶち抜いて上限オーバー( メリットあり )だからさ、今回だけは100%特別仕様(システム許す)としてセーブ維持してやるがね」と言わんばかりの、最高に誇らしげな( flattering )ドヤ顔を画面に明滅させていやがったんだからな、マジで――。
(――てめえ、あのライラの防衛ケア(おさわり)に対して、随分とお堅い自衛セキュリティを引き算して、最高レベルに寛大( gracious )な対応マニュアル(仕様)をランさせてるじゃねえかよ、おい)
俺はね、脳内直接通信回線【魂回路】から電波(通信)をスッと繋いで、ライラのやつの本物の特級能力解析スペック(学術的探求心)を剥き出しにしたあの入念な毛皮スキャン(観察)をさ、至って直立不動のポーズのまま大人しく完全許容しちまってるエースのグラフィックをウォッチしながら、ボソリと言い放ってやったんだ。
≪――世界通知。解答。あのエルフの少女はね、一から十まで100%、最高位の【審美眼スペック( excellent taste )】を保持しているシステム個体ですからね。俺はただ、奴のその極めて優秀な内部ジャッジ(良識)に対してさ、主の配下個体としての絶対の威厳を適正値にカモフラージュ(アジャスト)して、大人しく付き合ってやってる( accommodating )だけの話ですがね、ぶっちゃけ≫エースのやつが、脳内回線で至って大真面目なトーンのシステム音声を弾き返しやがった。
(――はいはい、了解、了解。てめえの脳内プロセッサの言い訳じゃさ、完璧に100%その通りの仕様になってるわけだわな。そりゃあ最高に上等だわ、てめえ)
◇
そして、俺たちが一つの一個師団として、王都の街道を本格的に通常運転させ始めてから丸、一週間(一週間)が経過した、ある夜のセーブタイムのことだ。
他ならぬライラ( Lyra )のやつの知覚レーダーがね、あの西側地区の市場広場での初エンカウントのタイムラインからさ、いつか必ず脳内回線へと繋げてくると100%先読みフォルダに登録されていやがった、あの最重要の【核心の重要質問】を、ついに生の口から一直線にダイレクトに叩きつけてきやがったんだわ。
「――俺さ、これまでのタイムラインにおいて、ミリ単位の狂いもなく徹底した『絶対の忍耐( patience )』の自衛マニュアルを維持してきたからな」あいつは、暖炉の琥珀色の炎を見つめながら、一から十まで100%剥き出しの直球のトーン( direct as ever )で言い放ちやがった。
「今のこのステージにいたるまで、それなりの時間コスト(スパン)をあんたの隣に割いてきたんだ。……だったらさ、そろそろ、その固く閉ざされた最高機密フォルダ(お前の正体)の、せめて一部のカード(一部の解答)くらいはさ、この俺の手元へクリア開示してもらうだけのスペック資格(権利)は、100%全開で勝ち取ってる( earned )ジャッジでいいだろ、おい。――てめえ、一体何者(どんな化物)なんだよ、カイ。本物の真実を吐き出しやがれ」
俺はスッと、右隣の間合いにいたエリスの姿へと瞳のセンサー(視線)を向けた。
あいつはね、口元のグラフィックに微かな、こちらの背中をパッとひと押し( encouraging )するような温かい笑顔のエフェクトを明滅させながら、小さく深くうなずいてみせやがったんだわ。――何しろ、他ならぬあいつ自身がね、過去のあの山の上の第一階層の夜において、これと完璧に完全同期する最悪な精神的トラップ(同じ会話ログ)を潜り抜けてきた張本人(経験者)だからな。自らの本当の真実(全貌)を世界に向けて公式発表(出力)しちまうって行為がさ、一体どれほど魂のメインプロセッサに莫大な過負荷を要求してくるかって事実をね、このフィールドの誰よりも一番リアルに看破(理解)してたからな、なぁ。
よし、了解。
だったらさ、今回のタイムライン(夜)においてはね、あいつの正面窓口に向かって、ただのカモフラージュ(大嘘)なんかじゃねえ、本物の100%大真面目なカード(真実)を一括ダウンロード(提示)してやろうじゃねえの。全容量を今すぐ一文字残さずクリアにするわけじゃねえ。だがな、確固たる決定打(核心の一部)を、なッ!
「――俺、前世(古いライフ)からこの世界にログイン(転生)しちまった、【転生個体】なんだわ」俺はついに、重く口を開いた。
「でさ、この今度の新しい人生(新しいライフ)の初期設定アカウントにおける、俺の肉体に実装されてる存在属性スペック(真名)はね――半分が【真竜】の血の法則、そして残りの半分が【始祖魔神】の最大全開スペック。……世界のいかなる魔導マニュアル(世界の理)をクロスチェックしてもさ、本来なら一つの器の中に絶対に完全同期(実装)しちゃいけない、完璧なシステム不適合の理不尽な【混血異常個体】。――だからこそ、この世界の天上に君臨しているいくつかの高位の化物(絶対者ども)がさ、俺のその正体(存在スペック)をスキャンした瞬間、一発でヘイトフラグを最大出力で稼働させてさ、『あのバグ(化物)のアカウント、今すぐ世界から永久消去させろッ!』って最悪な殲滅ミッションをランさせやがったんだわ。俺がこの世界でどんな過失を犯したかじゃねえんだよ、ただ俺という異常個体(バ物)がこの世界にログイン(実在)していること自体がさ、奴らにとって絶対に許せんバグ(エラー)だったから、な」俺は一呼吸の沈黙を置いた。
「奴らは俺の八歳の時(八歳のガキの頃)に、俺を庇った実の両親をシステムから永久消去していった。俺はね、あの慘劇の夜のタイムライン以来さ、自分が一体何者であるか(このスペック)というその最悪な因果の代償をさ、今日この一日のタイムラインにいたるまで、毎日毎日、魂のプロセッサで背負わされ続けてるんだよ、おい」
その俺の全容量の音声ログ(告白の中身)を音声知覚した瞬間。
ライラ( Lyra )のやつはね、長い、本当に果てしないスパンの間、直立不動の姿勢のまま完全なる沈黙をキメやがった。あいつの脳内メインプロセッサがね、今ダウンロード完了したその驚天動地の因果ログの中身を、一から十まで猛烈なマッハの速度でバグチェック(咀嚼)しているのが丸見えだったわ。
「――なるほどな、了解だ」やがて、そのエルフの少女の口から音声データが出力された。
「それ(その全貌データ)が一発インポートされたおかげでさ……俺のセンサーがさっきから検知してた、そのてめえの放っているオーラ(存在感)の不気味なバグ数値(違和感)の内部構造がさ、一から十まで完璧に完全につじつまが合って(アナライズ完了して)スッキリしたわ、おい」
「……てめえ、その俺の正体(化物スペック)をスキャン(看破)してさ、脳内プロセッサが恐怖のデバフ(ビビり具合)を起こしてエラーを明滅させてねえか、おい」俺は、あいつの瞳のセンサーを見据えて、本物の真実としてそのアンサーを問いかけてやった。何しろ、普通の有象無象のヒューマンならね、この情報を耳にしたその一刹那のタイムラインで、恐怖のあまりマッハの速度で逃走コマンド(ラン)を選択するシステム(仕様)になってるからな。
「――有り得ん、却下だ( No )」
あいつはね、お人好しの手加減(ただのおめでたい反射的な慰め)なんかじゃ天地がひっくり返ったってねえぞ。自らの中にだけ存在する評価の天秤で、目の前の変数の数値をじっくりと計り知る、本物の戦術級の【絶対のアナライズ(リアルなジャッジ)】を経た後に、冷酷に凍りついたブレのないトーン(仕様)で言い放ちやがったんだ。
「俺さ、これまでの全人生のタイムライン(過去ログ)においてさ、圧倒的な最大スペック(権力)を保有している何者かがさ、自らの都合のいいシステム(仕様)のために弱者の命を丸ごと蹂躙していくあの世界のクソルール(理不尽)を、嫌というほど直上からウォッチ(スキャン)させられてきたんだわ。――他ならぬ俺の集落をさ、ただの農地フィールド(富)に魔改造するためだけに力ずくでへし折って(排斥して)いきやがった、あの人間の領主のクソ野郎の如く、な。
――いいか、よく聞けよ、カイ。てめえの肉体にハイドされてるその存在属性スペック(正体)が世界ルール(既存の魔導書)からどれほど完全不適合を起こしているアノマリー(バ物)であろうとな、だ。俺が街道であんたというアカウントとエンカウントして以来さ、てめえはその理不尽な最大全開スペック(力)をさ、見ず知らずの有象無象(他人)と世界の理不尽な地獄との間に立ちはだかって、そのすべてのヘイトを真っ向からレジスト(防衛セキュリティ)するために、すでに『二連続(カウント2)』で完全解放してクリアしてみせただろ、おい。――俺のメインプロセッサ(ポリシー)にとってさ、目の前のあんたが一体どんな『前代未聞のチートアカウント(前代未聞のもの)』にマッピングされてるのかなんていう、そんなカタログスペックの型なんかよりもさ、そのてめえの実際にラン(実行)してみせた【行動ログ(実績)】のクオリティのほうがね、何万倍、何億倍も圧倒的に100%重要な確定ステータス(システム メリット )なんだよッ!」
……おう。
ぶっちゃけ、これ以上の、最高位のクオリティのクリアルート(これ以上ないアンサー)なんてさ、俺の脳内戦術シミュレーターを何万回駆動させたって、最初から一文字の文字列すら弾き出せねえレベルの、100%完璧な完全勝利のログだったわ、大真面目に白状すりゃあさ。
「――ありがとな、てめえ」俺は、自らの胸のコアの最深部にあるポリシーを完全同期して、本物の真実としてその感謝の音声ログを出力してやったさ。
「お前がさ、その俺の全容量データ(全貌)を今すぐ一から十まで100%強制ダウンロード(暴き立て)しなくてもさ、その行動実績ログ(実績)だけで俺をパーティー(身内)としてアクセス承認(信頼)してくれたことに対して、だよ」
「そこから先の未解決フォルダ(残りの機密ログ)の中身についてはさ、タイムラインの時計が正しい座標を示した、てめえのプロセッサの側で『よし、今すぐ一括ダウンロード(開示)してやるわ』ってスタンバイの整ったその刻限に、ゆっくりと手元へバックペイ(一括返済)してもらうさ」ライラは言った。
「――何しろさ、【エルフ(エルフ)】という種族カテゴリーはね、他のいかなる有象無象の弱者(通常人間)の寿命上限を天地がひっくり返るレベルで置き去りにした、絶対の【永続駆動システム(忍耐)】を魂に初期登録させられてるシステムだからな。メモリの余白(時間コスト)ならさ、それこそ数百年(数世紀)単位の莫大なボリュームがハードディスクにてんこ盛りにハイドされてるからさ、首を長くしてハイドしながら、いつでも待ってやるがね、なぁッ!」
完璧な正論。 More than fair (ぐうの音も出ねえわ)。
(……ククク。そりゃあ最高だわ。どうやら俺の側のプロセッサ(全寿命)にもさ、今度の新しい今世の人生においてはね、あいつと同じくらい果てしない無限の寿命スパン(時間コスト)が、100%全開でシステム実装されてる段階らしいからな、運が良けりゃあさ、なぁ、てめえ)
俺はね、自らの胸のコアの最深部に、あの悲しみの過負荷(古傷)を100%全開でハイド(許容)しながら、これからの新しい新世界(第ニ章)を蹂躙するための絶対の【推進力】を、全画面でバチバチと激しくサージ(大爆発)させ始めていたのさ――。




