祓い師の授業です
と言うわけで帰ってきてから次の日…
初日からギルドの仕事をしていた事になってるらしい私たち
周りから浮いてます
一日目がそれじゃあね…浮くわ
パーティ形式らしくて余りもんになって先生に二人紹介された
「初めまして、俺はアレク」
「初めまして、私はレイ」
と挨拶された
うーん…この二人からなんか感じるんだけど隣に立ってるシルクスを見ると微妙な顔をしていた
どうしたんだろうか
「かなり強いな、補助系と回復系か…」
RPGか?
と思ったのは置いといて…
シルクスが言うなら間違いないだろうな
でも、強いなら争奪戦になりそうなもんだけど…
そう考えてると顔に出たのか苦笑いをしてアレクが話してくれた
「ここの生徒は持ち上がりが殆どだからな、外部組は村八分にされんだよ。んで、既に仲良しパーティが組まれてるからあぶれものなんだよ俺たちは…力の強さなんて関係ないんだよあいつらには」
「じゃあ、俺たちと組むか?俺たちも外部からだし攻撃に特化して回復と補助が居ないんだ。」
「そう言えばギルド所属してるんですものね」
と、ここでレイちゃんが確認するように聞いてきた。
「ああ、光龍のギルド所属ではあるな、二人はギルド所属してないのか?」
まさか世界中にいる神子の統括と神様の子供にして神子の使い魔なんて言えないねぇ
「俺は所属してない」
「私もよ、ギルドって入りづらくて…」
「…そうかな?強面だけどいい人達だよ?身分のはっきりしてなくてもギルマスの目に留まれば入れてもらえる」
「それはお前が出所はっきりしてたからだ。フツーは検査で一週間はかかる」
「…出どころってこの髪と眼?」
あ…ばらしたら不味いか?
「そういえば、神の色だよな、どんだけ神様に愛されてるのか分からないな、えっと…」
「カエデだよカエデ・ヒイラギ。普通にカエデで良いよ」
「じゃあカエデ、宜しく。ギルドの仕事って怨霊を倒すんだろ?実践授業なんか軽くこなしそうだよな」
「ん〜ギルドの仕事って怨霊退治だけじゃないからなんとも言えないけど」
私とシルクスを考えれば当たる率は多い
でも、それ言ったらまずいようなきがして黙る
「意外と薬草採取とかもランクは低いがギルドに依頼がくるぞ?」
そこは怨霊の森にしか生えなかったりするけどね
まあ、補助とか回復なら一人で行く事はないわけだし私みたいに荒事ではさせないだろう
「お、先生来たな」
色々と話していると先生がさっきと違うことに気づいた
あれはパーティを作るための先生で今度は実戦の先生だそうだ
Sクラスに来て初の実践
様子見であまり本気にならない方がいいか…友好の神子も居るし月夏もいる。昨日あれだけボコったのに治癒魔法で顔が治ってるせっかくの顔面強打が…残念
「初授業だし、あまり力を出すなよ」
小さな声でシルクスが私に念を押してくる
「わかってるって、馬鹿じゃないし…どれくらいがいいかな…」
「生身のAランクで初めては実力を測ると思う
楓は消滅(物理)は使わず苦手な風で対応するか」
「…苦手な風でもSランクはいくんだけど…」
「制御しながらでも楽勝だったな…じゃあ、もう半段階押さえられるか?」
「可能だよ小さな魔法使えないけど一発で生身なら無力化できる」
「一発で無力化は避けろ。せめて苦戦しない程度に数発位が丁度いい」
面倒くさいと思ったが一応、出来ないわけではないから頷いた
話してる間に順番来ていたようで教師の作った怨霊もどきと対峙してみた。そう言えばAランクで怨霊って人形してるんだっけ
最近SからSSを相手にしてたからどうも力加減がうまく行くか微妙なところだ
アレクとレイちゃんを後ろに待機させて私とシルクスで攻撃していく
私は魔法。シルクスは魔法剣。
「始め!」
接近戦は得意だよ。でもAランクとはいえ、所詮『もどき』軽く無力化に成功
周りが苦戦するなかでスタスタと壁にいた教師に報告すると驚かれたそりゃそうだろう手加減してたって言っても数分しか経ってないから
「流石は光龍のギルド所属ではあるな。他の生徒が終わるまで休憩してなさい」
「はい」
にしても、Sクラスって肉体のない怨霊相手に戦うらしいからD〜Aランク迄の肉体を持った相手に苦戦するようじゃ後々大変なんだけどなあ…
普通の剣じゃ無力化難しいし
魔法剣ならある程度無力化出来るし、シルクスには浄化があるからSからSSランクでも大丈夫なんだよね…
私は人形のSSランクが苦手なんだった
消滅(物理)ってSランクは獣形してるからなんとか出来るものだけど基本的に消滅(物理)しちゃダメって言われたしなあ
なんでも私が使うと輪廻の輪に入れられなくなるとか…
そりゃ全部消滅(物理)させたらそうだろうよ
でも、そこまで私馬鹿じゃない
欠けた魂を復活させそれをシルクスが浄化するのが一番の流れなんだけど
消滅(物理)って私が素手で殴ったりしなきゃいけないのよね
超接近戦になるから私も無傷では済まないし光龍のギルドにアレクとレイちゃんがいればいいなあ…
ぼんやりと周りのAランクで戦ってるクラスメイトを見ていた
その中には月夏もいる
やっぱり守られてるだけじゃないか…
昨日の今日で直せってのは無理だろうけど女の子に守られてるってどうよ
魔法は当たらないから魔力の無駄いくら素質があってもそれを伸ばさないと
私は運が良かったのか二神の両親に感謝すべきなのかシルクスやカイルさんに最初に出会え徹底して力の使い方を教わった
私自身が勇者を選ぶなら月夏じゃなくてシルクスを選ぶね
「俺たちの出番なかったな」
「アレク、今回は楓が超接近戦じゃなかったから出番なかっただけでギルドに登録してパーティ組んでくれたら俺たちはうれしい」
「超接近戦になると拳に魔力込めるから他が疎かになっちゃうんだよね〜」
「…もしかして、Sランクの怨霊を無力化していたりするのか?」
「うん、ギルマスの命令で」
「受けるのはいいけどSランクはきついよな超接近戦になるし俺たち二人でパートナー組んでるから帰りはボロボロな時もあるし」
「…なるほど、そりゃAランクで『もどき』なら敵うわけないよな」
「シルクスは超接近戦タイプじゃないし問題は私なんだよね〜」
消滅(物理)という難しい魔法を使いこなすにはやはり必要でしょう最低でも補助と回復
遠くから動く的を狙うのは性に合わずどうせならと近距離タイプで怨霊を無力化出来ないかとカイルさんに言ったら習うより慣れろで怨霊の中に放り込まれた頃を思い出すよ
ホントあのときは死に物狂いで消滅(物理)をくりだしたなあ…流石のBランクでも大量にいると判断力も試される
一歩間違えば死んでるからなあ…
「光龍のギルドって入るのに難しいって聞いたことあるんだけど…私たちでも入れるの?」
「…あれに耐えられたら入れるな」
「ああ…あれね。一度光龍のギルドに顏出すとわかるよ」